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*完結* 大海の冒険者~空島の伝説~  作者: terra.
第四話 決心 
35/133

(4)




「生かしててどうすんだよ。

空島も俺らも困るだろ」




フィオも信じられない事を言うものだと、ジェドがシェナの頭上から言う。

その時、ビクターの背中に激しくぶつかった。

急に止まるなと言いかけたが、目的地に着いたのかと覗き込む。

武器や、緊急時に備えている多くの品物が揃う部屋。

大人の秘密基地のようなところだ。




「武器の使い方分かるの?」




シェナが少々声を上げ、先頭のビクターに問う。




「使ってみればいい」




彼は悪戯に笑うと、慎重に取っ手を握る。

ドアが長い軋み音を上げると、その先には更に暗い空間が広がった。




「何も見えないわ」




フィオが呟いた途端、青白い光が皆を照らす。

何とビクターは、西に持ち出していたあの照明を、小さな木箱から取り出した。

長老に叱られながらも、ちゃんとポケットに大事に隠し持っていた。




「まだ取ってたのかよ!?」



「ちーがーう、朝のやつ」




シェナのジェットスキーに乗っかったままだったところ、グリフィンが運ばれる際にしっかり回収しておいた。




「すごーい!まだ光ってるの!?」



「一生光ってるかもな」




ビクターは不思議そうに照明を見回してから、部屋の中を照らした。




挿絵(By みてみん)




 先に突き進むジェドとビクターは、クールで輝かしいライフルにすっかり魅了される。

よく知っているものとは言え、いつ、何度見ても飽きないものだ。




「お前、殺す気満々か?魔女」




ビクターが適当な位置に照明を置くと、箱や引き出しを漁りながら訊ねた。




「何で?悪い奴じゃん」



「あくまで最終手段だ。

まずは生きたまま捕らえる」




小さな赤い箱を見つけ、僅かにスライドすると銃弾を確認した。

ビクターはあっさりポケットに仕舞う。




「それがいいわ。

話しをして解決するのがいいってアリーが言ってた」




フィオはシェナと手を繋いだまま、そこら中を漁る二人を眺めている。

ジェドはそれに呆れ、漁る手が自然と止まる。




「欲しいものの為なら、グリフィンを海に沈めて俺らを誘き寄せるんだぜ?

話の通じる奴な訳ないだろ」




彼は壁にかかるライフルを見上げ、両手でそっと下ろす。

思った以上に重く、複数は持たない方がいいと判断した。




「壊すなよ」




ビクターがジェドを横目に言う。

彼は銃弾が纏まっていた木箱を戻すと、今度はその横の長い木箱を覗き込む。

被っていた布を剥がすと、何やら弓矢のようなものが露わになった。

鉄でできているかなり珍しいものに興奮する。




「ねぇ、もっと扱いやすい物がいいんじゃない?

海から昇るのに、重いと大変よ」




フィオがそう言って、刃物類が纏まっている箱を見つけた。

シェナも背伸びをして中を覗く。




「あたしもこれくらいのでいいわ」



「やるな。接近戦か」




ビクターが見つけた物を取り出しながら言った。




「せっきんせんって何?」



「近付いて戦うって事。何だそれ!?」




ジェドが解説をする最中、妙なものを取り出すビクターに大きく振り向く。

見れば見るほど、木でできた弓矢とは違って圧倒的に固定感がある。

銃のようにトリガーと照準器があるならば、手で矢を引いて構える必要はないという事か。









大海の冒険者~空島の伝説~


後に続く

大海の冒険者~人魚の伝説~

大海の冒険者~不死の伝説~ をもって完全閉幕します




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