表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*完結* 大海の冒険者~空島の伝説~  作者: terra.
第三話 媒鳥
26/133

(2)




「あたしもできるよ!」




横からシェナが得意気に言う。

彼女はやっと、安定した操縦ができるようになったばかりだ。

一度成功体験をすれば、直ぐに強気を抱く傾向にある。




この中で最も小柄だが、その姿に負けないくらい大きな勇気のようなものを、見るからに感じる。

しかしどこか見ていて不思議なのは、もともと浅黒いようで、手首足首には日焼けのような跡がある。

惨事を経て出会う者達は様々だった。

自分の島にも、他所の地域や国の出身の者がいたが、この子もそうなのだろうかと思考を巡らせる。






 「聞きたい事が山程あるのだが……」




長老の声に、グリフィンは一時4人の事から離れる。

長老が言うように、この身に起きたとんでもない出来事を直ちに話さねばならない。

けれども、自分もまた何をどこから話そうか、悩んでしまうところだ。




 4人は目を輝かせながら、ドサッと床に座り込む。

アリーはそれに、また小さく溜め息を吐いた。

彼女の呆れる様子を目にした長老は、グリフィンに待つよう掌を向け、隣に列を成して座り込む4人を見下ろす。




「さて、呼ばれた理由は分かっておるか」



「助けた」



「色々見つけた!」



「これは大きな進歩だと思うわ!」



「要は大活躍したって事」



「それで騒ぎがあった事が、チャラになるのか」




自分達は成し遂げた事があると口々に主張をした矢先、部屋の中は、火の粉が弾ける音だけになった。






 あぐらに片肘をつき、大きく溜め息をついたジェド。

顔を歪ませるビクター。

フィオとシェナは視線を互いに向けながら、時折、長老を見上げて手を弄る。




「漁を途中で引き返した程じゃった。

気になる事は分かるが、危険過ぎた」



「ジェドも怪我をしたわ。

自分達だけで片付けないで、一度引き返してもよかった」






 彼等が話しをしている最中、グリフィンが寝床からゆっくりと足を出す。

沈んでいた時の体が嘘のようで、すっかり元の体に戻っていた。

痛いところはなく、新たな傷も無い。

調子が驚く程回復している事を実感する傍ら、両掌を見下ろしていて思う。

ありがたい事だが、妙だと。






 「ごめんなさい」



「ごめん」




頭で整理がついた後に言葉がころっと出た。




 (サメ)を連れてきた事になったのは、誰であれ驚き、危険だった。

それも、ただの鮫ではなく、西の領域に住む奇妙なものだ。

退治にも手間と体力が実際、かかってしまった。

数少ない弾丸も消費してしまっている。




 更に長老は、ビクターが島の貴重品を持ち出している事にも触れた。

非常時の道具を持ち出し、使ってしまう事で、後に量産する手掛かりや手段を失ってしまう事を指摘した。




 悪知恵が働くところは幼少期から悩ましいが、そう強い口調でもなかった。

フィオが言ったように、盛大な進歩も遂げている。









大海の冒険者~空島の伝説~


後に続く

大海の冒険者~人魚の伝説~

大海の冒険者~不死の伝説~ をもって完全閉幕します




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ