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父の再婚相手白川知子に有梨純一は誘拐されるが、無事保護される。

有梨純一 その3

 純一が三歳の時、両親は離婚し、父の白川佐一郎は若い娘の南田知子と、母のさとみは年の離れた有梨重三とそれぞれ再婚し、純一は母方に引き取られることとなったため、白川から有梨に名前が代わった。しかし、その後両親は二人とも亡くなっている。

 給食の時間に警察から、純一が無事保護されたと連絡が入り、そして誘拐した犯人は、父と再婚した南田知子、現在は白川知子と分かった。

 次の日の朝刊には、誘拐犯捕まるの見出しと共に、白川知子の顔写真と、手錠姿で捕縄につながれ、警察官に連行される写真が大きく掲載され、またその下には無事に保護された、純一を抱いて喜ぶ有梨重三の写真も、大きく取り上げられていた。

 純一を一目見た誰もが、つい抱きしめたくなるほど可愛くて、白川知子も可愛さの余り、電話で誘い、彼と自宅で一緒に過ごしたかったのだろうと、推測をする者もいたが、本当の真意は分からず、二人が何を語ったかは、その後も解明されなかった。

 有梨重三は、白川知子が純一に危害を加えなかったことに感謝して、今回は裁判沙汰にしない旨を、警察に申し立てしたことにより、即日釈放となった。

 これだけ大きく報道され、白川知子は今後地元では生活が出来ないだろうと、誰もが心配していた。やはり、数日後には自宅を引き払い、行き先も告げず出て行った。そして、その後の彼女の行方を知る者は、誰もいなくなった。

 純一はその後しばらく学校を休んでいたが、2週間ほどして登校したときは、あの新聞の報道により、純一のすべてが世間に公表され、恥ずかしさで顔を上げて歩けるような状況ではなかった。授業中もまったく下を向いたまま、クラスのみんなも気を遣ってか、誰も声を掛ける事が出来ない日が続いた。勉も心配で仕方なかったが、みんなと同じように声を掛ける勇気が出てこなかった。

 そんな折、勉は何時も二人で行っていた、秘密の場所なら特別に会話しなくても安心できるので、それとなく誘ってみた。純一はうなずいて、今週末に行く約束をした。その日以来、純一は心なしか明るくなったように見えた。


有梨純一の誘拐事件、登場人物が少しづつ増えていきますが、今後ミステリーに係わる人物かどうかお楽しみに!

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