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 武山の臓器提供者の中に悪の軍団が関係していると思われるが、まだ突き止める方法が見つからない。、

「よーーっ、武山おはよーーっ。夕べあれからどうだったんだ。俺は心配で眠れなかったよ。どんな話だったって聞いても話してくれるはずもないけど、とりあえず無事でよかった」

「ありがとう。あまりにも非現実的すぎて何にも分からないまま済んじゃった。今夜同じところで会うことになっているんだ」

「武山、とにかく油断するな。まずは自分の命が大切だから、あやしいと思ったらすぐ逃げろ。もし何だったらそばまでいって隠れていようか。大声を出せばすぐ助けに行けるようにさ」

「杉島君、あの後別に二人の人がいて、紹介されたんだけど、とっても紳士って感じで、会っただけで信じても良いと思うような立派な人達だったんだ。そしてそのうちの一人が市役所の長谷川係長だったんだけど、まだ知らない人だったんだ」

「だからお前はもう洗脳されているんだ。そういう風に立派に見せておいて安心させる手口なんだ。だけど、まず、何が目的なのか一度は聞いておくべきだな。説明する前に殺されるようなことはないだろ。とにかく行って目的を聞いてこい」

 武山は再び約束の権現山に向かった。 

「武山君、昨日は済まなかった。早く分かってもらいたいと焦りすぎた。今日は理解してもらうように、ゆっくり説明するからね。改めてもう一度最初から話をすると、おっとその前に昨日の二人も一緒に立ち会ってもらうから。一緒に聞いてくれないか。

 実は臓器移植を提供してくれた人の中に、恐ろしいことをたくらんでいる軍団がいるらしいんだ。でも、臓器移植の手術の時、誰もが何にも知らないで受けているだろ」

「じゃあ、僕の臓器を提供してくれた人は悪の軍団だって言うんですか。だから僕は知らないうちにいろいろ悪さをしてるんだ。じゃあ僕はどうすればいいんですか?」

「そこなんだよ。まだ、私たちにもどうすればよいのかその方法がまだ分からないんだ。そうじゃないかという憶測だけで突き止めようとしている段階なんだ、だからこれから君にも協力をしてもらいたいんだよ。まだ、これだけのメンバーしかいないんだぜ」

「ここに、もうひとりいるよ」

「えーっ、杉島君、君も一緒に来ていたのか。武山君ダメじゃないか。絶対第三者には隠し通さねばならないと言うのに、最初からバレバレの行動してちゃ」

「松崎さん。彼は頼りになる男なんだ。これからずっと僕一人で立ち向かうなんてとても出来やしない。杉島君がそばにいてくれたら、ものすごく心強いんだけど。いいじゃないですか。僕よりずっと信頼できるよ」 

「そうだな長谷川係長は目立ちすぎるし、杉島くんだったら移植していないから、監視されずにいられるってことか。ということは杉島君に俺たちの重要な事柄を怪しまれず内密で連絡してもらえるんだ。そのことには気がつかなかったなあ。よし、今夜もあまり長く5人が同じ電波の届かない場所にいると、感づかれるから、このくらいにして、今後杉島君に連絡するにはどういうシステムをくめばいいか考えるから、じゃぁ、目立たないようにして解散」

「ラジャー」

「武山、何か楽しそう。俺ってこういう探偵ごっこが好きなんだ」

「杉島君、冗談は止めてくれよ。僕はどうしてこんなことに足をつっこもうとしているのだろうと不安で不安で仕方ないのに、よく、そんな気楽にしていられるね」

 松崎警部補から早速連絡がきた。

「杉島君、初めての任務、まずは市職員の中で過去に移植した人が五人いるはずなんだが、武山君を始め誰かを調べてほしいんだ。絶対内密で、その中にやみ軍団の幹部とおぼしき人物がいるという情報をつかんだ。くれぐれも気を付けて」

武山の不安をよそに、杉島は探偵ごっこに興味を示す。

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