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 梶今五月之介の家に集合した棚橋孝太朗達は、西園寺茜が体験している身体の反応について、まだ全員にその力が備わっていないことに気付いた。

 飛騨高山にて その2

「お母さん、テレビゲームが急にジャミジャミになって全然出来ないよーーっ。とにかくすごいんだよ、テレビが古くてアナログだからだよ。早く地デジ買ってよ」長男の惣太郎は隣の家でいらなくなったテレビゲームをもらって夢中になっていたが、初めてテレビの調子が悪くなり二階から降りてきた。

「惣太郎、今パパのお友達がいらっしゃってるの。後で聞くから静かにしていなさい! 」

「すみませんでした。子供が今の事件で学校へ行かなくなるのではと心配していましたが、クラスの子供達や担任の先生がとてもよくしてくれて、二人共負けないで通っています。それが私の救いになっています。

 主人は絶対そんな人じゃないと信じているんですけど、証拠がないらしいので、どうすることもできません。もしあなた達で何か協力していただけることがあるのなら是非よろしくお願いします」

「奥さん、とんでもない。私達は御主人のおかげで、こうして命が助かったんですよ。これからはどんなことでも協力させていただくわ。でも何をすればいいのかしら」

 日影直美は自分が何のためにここに来たのかようやく理解できたのだった。

「私が梶今のおじさんのメッセージを発している時ってテンションが高ぶるのよ。それはね移植した方の右の肺、ここね、ここがすごく脈打って激しいの。その時頭の中である情景が浮かぶのよ。みんなもそんな風に感じたことない」

 茜が自分だけしか体験していないことにショックを受けたが、気丈な性格から自分が中心に頑張らなければと思ったのである。

「それは気付かなかったけど、自分の能力以上のことが達成できたり、まだ経験していない事なのに、すでに知っていたり、これって梶今君の記憶や能力が自分の体に乗り移ったかもしれないね。じゃあメッセージを発することが全員そろえば、何か見い出せるかもしれないね。茜さんどうやるとテンションが上がるかやってみてよ」孝太朗も俄然張り切り出した。

「今のところ、それは自分の意志ではできないの。周期的にできたり、突然できたりするの。でもこの家に入ってからずっと激しく感じているの。みんなも頑張ってみてよ」茜が言った。

「茜君の言ってることってこんな感じかなぁ。今何となく分かったような気がする。僕の心臓がすごく活動的で、ほら脈打ってるのがよく分かるよ。そして何か頭の中で自分ではない誰かが代わって、まだ一度も行ったことのない景色がボーッと見えてくる。でもこの景色は最近よく夢か何かで見てたような気がするんだけどなあ」と若い分純一が反応を示した。

「私って、一番疎いのかしら。全然変化ないわ。ただ身体的にものすごく丈夫になったことは確かよ。私だって一生懸命すればみなさんと同じパワーが身に付くのかしら、早く協力できたらいいのに」日影直美がやる気を出してきた。

惣太郎のテレビゲームに何か関係してきます。

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