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電話で連絡を受けた棚橋孝太朗達は、車に乗り込み、梶今五月之介の所へと向かった。

飛騨高山にて その1 

「あーーあっ疲れた。やっと飛弾高山に着いたのか。高山線は長かったなぁ。ところで改札口はどこかなぁ。なーーんだ、古い街並みが目の前に有るかと思ったら新しいきれいな街じゃないか。ところで本当に彼女待ってるのかなぁ」

 不安な顔で有梨純一は辺りを見渡した。

「もしかしたら有梨君。こっちこっち早く早く。皆んな待ってたのよ」

 西園寺茜が改札口から身を乗り出し叫んでいる。

「電話したのは君なの? えーーっ、まだ中学生じゃないか」

 有梨純一は西園寺茜が電話を受けたときの印象と全然違っていたのに驚いて、援助交際を強いる女かもと躊躇していると、

「とにかく急いで。棚橋さんが車で来てくれたから、早く乗って。後は車の中で話すから。

そしてね、後ろの車は日影直美さんて言うんだけど、子供がお腹の中にいるからって、ご主人と一緒に来てもらったの。分かったでしょ、あなただけじゃないのよ」

 しっかり者の西園寺茜が矢継ぎ早にまくし立てた。

「僕だけじゃなかったんだ。何だか分からないけどよろしくお願いします」有梨純一が観念したように言った。

「有梨君ごめんね。茜の母です。中学生だから一緒に来たけど、手術前はこんなんじゃなかったの。とっても大人しい子だったのよ」

「有梨君、電車で一人旅は初めてだったんだね。僕も茜さんのお母さんから電話をもらって、まだ全く理解してないんだけど。とにかく高山へ来いというので来たんだけど、あっ僕の名前は棚橋孝太朗。実は梶今君とは早稲田大学で同期だったんだ。あいつ可愛そうなことをしたけど、僕の肝臓として生きていると思ったら、これからもずーーっと一緒に居られるからさみしくないんだ」

「そうしたらまずは梶今さんの家へ行ってみましょう。奥さんと約束してあるから。住所は桜町。八幡神社の境内のそば。あったあったこの家よ」

 西園寺茜は助手席に乗って大人顔負けのしっかりした役割を果たしている。

「こんにちは、西園寺茜です。今日はすみません。四人でと連絡しましたが、ごめんなさい。付き添いがいますので総勢六人でお邪魔しました」

「梶今さん、僕大学の同期だった棚橋です。臓器移植では大変お世話になりました。こんな形で訪問することになって不思議な縁を感じています。

 また、彼が犯罪に関わっているとニュースで知りましたが、学生時代から正義感の強いやつでしたから、絶対無実と信じています。

 茜君が彼からの何らかのメッセージが強く感じると言って、初めは分からなかったのですが、この頃僕も少なからず感じるようになって来たような気がします」

臓器移植を受けたメンバーがそろい、この後どんな展開になるのかお楽しみに!

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