【09】1日で忘れさられていた奴w
「いやー、悪い悪い、あまりにも以外だったからよ。まさか真面目そうなお前がエロゲーをVRでやろうとするとはな。」
「それで、何の話だったっけ?」
と俺が話を切り出すと、
「確か、 何のゲームをやっているか... って話だったかと...」
とスリーカーは話を繋げる。
「ああ、そうだった、そうだった。」
と俺は頷きながら、話を続ける。
「で、WWOをやってなかったとしても、違法ソフトをやっていれば、BCOのαテスターとして選ばれる訳か。」
「そう考えると、そう見たいですね。」
「とりあえず、この後どうするか。蜘蛛の巣でも取っ払うか?」
「それとも、ここでじっとしてる?」
「そうですね〜...」
とスリーカーは廃坑を見渡して、
「蜘蛛の巣を取っ払う事にしましょう。」
「引っ掛かって逃げ遅れたなんて事になったら、大変ですからね。」
と言った。
それもそうだろう。未開築の廃坑内の道には木材とフェンスが設置してあって、石炭を運び出すためのレールも所々敷き詰められているが蜘蛛が多く出現する為、蜘蛛の巣も多い。
「とりあえず、蜘蛛の巣は増えたりする事は無いみたいなんで、見つけ次第どんどん壊してしまって下さい。木の剣、渡して起きますね。」
とスリーカーは言って、アイテム化した木の剣を俺の方に向かって投げてきた。
俺は床に落ちた木の剣を拾い(獲得し)、人差し指を上から下にスライドさせ、空中にメニュー画面を出した。
しかし、そこから操作が分からなかったので、スリーカーに聞こうとする。
「おい、スリーカー。」
「はい。何ですか?」
「木の剣を手持ちで使いたいのだが…」
って、そこまで俺が話すと
「私の出番ですね。」
と言って、水色のひし形で正方形の光るブロックが現れた。
が、俺は無視して話を続ける。
「...どうすれば、いいんだ?」
「ちょっと、無視しないで貰えますかね(怒)」
「え、ああ、誰だっけ?」
「リアですよ、リア!」
「ああ、リアか、日をまたいでログインしてるから忘れてたよ。」
「そこまで、存在感無いですかねぇ、私...」
とリアは少し元気の無い声で言った。