【08】TNT
TNTとは爆発するブロックでブロックを爆破し破壊する力がある。
「しっかし、まさかたった1日でTNTを作って大量生産しまうとは計算外だったな。失敗したな~。」
と俺がちょっと後悔しながら階段彫りをしてあった所を進んでいると
「着きましたよ。ここです。」
と言って案内してくれた。
「階段彫り」とは簡単に言うと鉱石を効率よく手に入れる為の方法の一つで、一段ずつ階段状に掘っていく。
男が案内してくれた場所は所々に線路があったり、木で補強してあったり、まるで地下に掘った坑道が使用されなくなったような所。まさに廃坑だった。
「ここならだいぶ深いし、もしもTNTでブロックが崩れてきたとしても逃げられるし結構安全だと思いますよ。」
と男が言ってきた。
俺は感心しながら
「確かに。直接当たらない限りは安全だな。まあ、直接当たらないとは思うがな。で、名前なんだが、Sleakersで読み方は合っているか?」
と聞いた。
「はい。合っています。それで貴方はスライスさん?」
「そうだ。俺がスライスだ。」
「聞いたことある名前だろ?」
「いいえ。知りませんが?」
「あれ、おかしいな?WWO 02プレーヤーなら絶対に聞いたことがはずだが?」
「すみません。WWO 02はやった事は無いんですよ。」
「ほほう。なるほど。WWO 02以外の違法ソフトでもWCOの対象になる訳か…」
と俺は左手の親指と人指し指を顎に当てながら、考え込んだ。
そして、スリーカーに質問した。
「で、お前のやってたゲームは何てゲームだ?」
「あ、えーっとですね。その~。ア、アミステラです。」
「それを言うなら、アメスティラだろ。」
「あ、それです。」
「いや、それ違法ソフトじゃ無いからな。普通にダウンロード出来るし。さては嘘ついたな?」
「は、はい。う、嘘です。」
「諦めはや!!もっと粘れよ。」
「それで、実際のゲームは?言いにくいエグいゲームなら耳元でも良いから言ってみ?」
「じ、実はですね…ゴニョゴニョゴニョ…」
とスリーカーは俺の耳元で言ってきた。
俺はゲームの名前を聞くと思わず大声で笑いだしてしまった。
「ぶはw、お前、それ、エロゲーじゃん。しかも、VRって。マニアックだなぁw。グロいゲームでも何でも無いじゃん。しかも、真面目な顔してるっていうのにwはっはっはww…笑いが止まらね…ww」
俺は何とか笑いをこらえようとするが無理だった。
「だから、言いたくなかったんですよ…」
とスリーカーはちょっとショボくれていた。