【21】サーバー2
小説6
リナは目をつぶり、恐怖を感じながらも俺を守ろうとした。
俺は
「4th」
と言いつつ、リナの腰あたりを左手で押してリナの前に出て、右手に新しく出した剣で門番の剣を受け止める。
「リナ。離れてなって言ったんだがなぁ。」
と俺は焦りを隠しながら言う。
すると、リナは
「ご、ごめん。でも、危なかったから...」
と腰が抜けたように座り込んで、涙を浮かべ答えた。
「ふぅ。とりあえず、怪我してなくて良かったよ。でだ、おっさん。」
と俺は落ち着いて、門番に問う。
「あ、なんだと!、おっさんって言ったかぁぁぁ...あ!?」
と「おっさん」と言われた怒りと、俺の今右手に持っている剣に対する驚きが混じった声で答え、そのまま話を続ける。
「て、てめぇ。その剣の色。まさか、ダイヤの剣か!?」
「ああ、そうだ。」
と俺が言うと
「ば、馬鹿な。既にここ一体の超希少なダイヤは全て掘られて、持っているのは王ぐらいのはず...。なぜ、お前が持っている!」
「さぁな。"手持ち"にあったぜ。でだ、これでもまだやるか?」
「ひ、ひぃ!わわわ、悪かった。だ、だからこれ以上は止めてくれぇ。」
と門番は剣を地面に置き、両手を上に上げた。
「と、言われてもな。まだ、1回も斬ってすらいないんだがなぁ。」
と俺は言いながら、門番の首元に剣先を近ずける。
「でだ、とりあえず知ってることを吐いてもらおうか?」
と言いながら、さらに剣先を近ずけると
「わ、わかった。全て話す。」
と門番は言いながらサーバー2についてやこの街のこと等を全て話した。
門番の言うことを全てわかりやすく絵にまとめた。
今、サーバー2は国のように3つに分かれており、それぞれに壁に守られた四角い街が1つあるようだ。赤色で示してある。
それ以外にも小さな集落のようなのもある。絵でいうと黄色の丸のことだが、それらは全て"拠点"と呼ばれている。
街はそれぞれ"ハデス"、"ゼウス"、"ポセイドン"とギリシャ神話で出てくる神の名が街の名前になっている。
それぞれの街が出来た当初は街同士がとても中が良かったが、"ゼウス"の王が"ハデス"と"ポセイドン"の王に殺されて、2代目になってからは仲が悪くなり、争っているらしい。
そして、この街は"ゼウス"で、絵を見れば分かるが、サーバー2の約60%の土地を所有しており、2代目の王「Clearl」が仕切っている。
名前は清々しい感じだが、性格は1代目と似ていてとても荒く、怪しい奴は即刻牢屋にぶち込む独裁者のような人らしい。
ざっとまとめて説明したが、とりあえず俺はそのクリアルに会ってみようと思う。会って話せばそのうち先のことまで見えて来るだろう。
え?、絵が汚くてわからん?。そんなこと知ったことか、すまんな。絵が汚くて!
「さて、知っていることは全て洗いざらい話したみたいだし、そのクリアルとかって言う王に合わせてもらおうか?と言ったところで門番ぐらいじゃ会わせてもらえないよなぁ...」
と門番に言って、俺は門に入ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
と門番がふせた状態で俺の右足を掴んできた。
「俺は門番だが、クリアル王とは面識がある。是非とも王の元までの案内をさせてはくれないか?」
と門番がお願いをしてきた。いや、この場合、命乞いかな?王に門に入られた事がバレて殺されるのを避けるためだろう。
「ほう、なるほど。まあ、いいか。よし、案内しろ。」
と俺は門番にクリアルの所まで案内させた。




