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【20】門番

 しばらく歩き、近づいて見るとそこには小さな町があった。小さくとも街と呼べる程の大きさだ。俺とリナは街を囲むおよそ3m程の壁にある門から入ることにした。

 門には40歳ぐらいの渋い顔をしたおっさんが1人いた。門の前にいることから推測して門番だろう。


「少し、離れて。そこにいな。」


とリナに言って、俺はその人に話かけて見た。


「すまないが、ちょっといいか?」


と俺が門番に尋ねる。


「ん?なんだね。君は?」


と門番が逆に尋ねてきた。


「おい、先に尋ねてるのはこっちだ。質問に答えろ。ここは街...なのか?」


と俺が聞き返す。


「ああ?ここ辺りじゃ見ない顔だな。何の装備もしてないアバターなんぞ使いおって、さてはサーバー2の初心者か?」


とこっちを睨みつけながら言ってくる。


「ああ。そうだが?それがどうした?」


と俺が言うと


「はっ、これだから初心者のガキは、先に来た俺らの上下関係を教えてやらなきゃ駄目なようだな。」

「2nd!!」


と門番は叫び、右手に鉄の剣を出現させ、俺にその鉄の剣で斬りかかってきた。


 俺は咄嗟に目を少し下に向け、"手持ち"を見て、左から3つ目に剣のマークがあるのに気づいた。


「3rd。」


と俺は冷静に叫び、右手に石の剣を出現させて、門番の攻撃を受け止めた。


 つばぜり合いになっている中、門番が強めに喋り始める。


「ほぉ、この攻撃を咄嗟に受け止めるとは、相当モンスター共と闘って来たと見えるな。だが、石の剣の耐久値ではこの連続攻撃を受け止められないだろうなぁ!」


と門番は剣を上に振り上げてつばを弾き、つばぜり合いを止めさせ、振り上げた剣を下に振り下ろして来た。

 俺は門番の剣を弾き何とか耐えているものの、門番は上下左右と剣を振り俺の剣の耐久値を徐々に減らしていった。

 俺もただ単に全て防御だけしていた訳ではない。勿論攻撃もしていたが、なかなか門番のHPを減らすことが出来なかった。

 門番の腕が良すぎるって訳じゃない。どちらかと言うと俺の方が上だ。ただ、門番の方は鉄の防具一式を装備しているのだ。

 装備は相手のHPの下にマークと色で表示される。

 ちなみに、俺は防具無しだというのによ。


「あと、1撃ぐらいで耐久値が無くなる頃だろうよ。ずいぶん頑張ったと思うが、所詮はただの悪あがきだったな。」


と門番が剣を思いっきり頭の上から下ろす。

 確かに俺の石の剣の耐久値があと一撃でなくなる。それが分かるという事は、対人戦を多くやってきたのだろう。

 今、石の剣の耐久値が無くなれば門番の剣の勢いを殺せず、俺は鉄の剣の攻撃を全て受けるだろう。


「てぃ!!」


とリナが俺を庇うように前に出た。

 門番は剣がリナに当たる手前で剣を止め、こう言った。


「おっと、あぶねぇな。あ?お前もそいつの仲間か?女には手を出すつもりは無かったが、俺に楯突こうと言うのなら切るしかないなぁ!」


と止めた剣を再び、下ろす。

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