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【11】不壊(ふえ)のアイテム

 走ってスリーカーと合流した俺は、木の剣を使い、スリーカーと共に蜘蛛の巣を切って壊していった。

 壊して行っていると、スリーカーが話しかけてきた。


「あ、そうえば、スライスさんって装備って持ってなかったですよね?」


「ああ、持っていないが。それがどうかしたか?」


「これ、あげるんで、装備しといて下さい。」


と言って、アイテムを渡してきた。

 俺は見たこともな無かったアイテムだったので、聞いてみることにした。


「これは?」


「それは、"不壊(ふえ)のネックレス"と呼ばれるアイテムです。」


(ふえ)?音でも出るのか?」


と言いながら、俺はアイテムを受け取って、メニューを開いた。


「笛ではなく、不壊です。不死の"()"に壊れるの"(こわ)"です。」


「ああ、壊れないってことか。」

「ん、壊れないって言うのはどういう事だ?」


「それは、私が説明します。」


とリアが話しかけてきた。


「"不壊のネックレス"とは他のアイテムとは違って、壊れたり、消滅したりしません。アイテムは基本的にマグマに落ちたり、爆発に巻き込まれたり、またアイテム化の状態で5分経つと消えます。」

「アイテム化って言うのは相手に渡したり、拾ったり出来る状態で道具として使っていない状態と考えてもらって良いと思います。」


「なるほど。で、"不壊のネックレス"って言うのは、消滅しないアイテムってだけか?」


「まあ、基本的にそれだけですね。名前が付けられて、装備出来るってだけです。あれに近いですかね。軍隊の兵士が付けている...」


「ドッグタグ(認識票)か。」


「はい、それです。」


「なるほどな。」


と言って、開いたメニューからインベントリを開く。

 だが、インベントリには"名札"しか無かった。


「おい、スリーカー、"名札"しか無いぞ、渡すアイテム間違ってないか?」


と質問する。

  "名札"とは動物やモンスターなどのMOBに名前をつけるアイテムで装備は出来ない。

 しかし、スリーカーは


「間違ってませんよ。」


と言って、話を続ける。


「"名札"を金床(かなどこ)に置いて自分の名前をアルファベットで大文字、小文字とも間違えないように削ると、形が変わって、"不壊のネックレス"という別のアイテムになって、メニューの装備から装備出来るようになります。」


「ほう。なるほど。」


「ただ、自分以外の人の名前を入れても"不壊のネックレス"にはなりません。また、一度しか作ることが出来ません。」


「ほう。そんなこと、よく知ってるな。」


「前に、一緒に行動していた人がいて、その人から教えて貰ったんです。」


「へー。で、その人はどうしてるんだ?」


「死にました。僕の目の前で、HPが0になって、光になって...」


「...。悪い...。」


「いえ...、気にしないで下さい...」


「...。」


「...。」


 俺とスリーカーがシーンとなっている時に上からドカーンと体に響くような大きな爆発音がした。


「まずいですね。このまま、ここにいると爆発に巻き込まれます。急いで、蜘蛛の巣を壊して、下に行きましょう。」


「了解。」


と言って、2人で急いで蜘蛛の巣を壊して、奥まで進み、階段掘りをした。

 それから、30分はたっただろうか。ずっと階段掘りをしていたので、正確な時間は分からないが、だいぶ深くまで掘って、別の廃校に来た。


「さすがに、ここまで来れば、ログアウトしても、半日は持つでしょう。」

「って、事ですいませんが僕はここで落ちます。また、ログインするのは明日になりますかね。」


「了解だ。俺も一度落ちることにする。今日またログインするが、近くを探索して、MOBを倒しておく。」


「分かりました。では、また。死なないで下さいよ。」


「ああ、死なねーよ。じゃ、またな。」


と俺が言うと、スリーカーはログアウトした。

 ログアウトとすると、座標が固定され、ログインするとまた同じ座標から始まる。

 ログイン後3分ほどは無敵になる為、地面がなくても、落下して死ぬことはまず無い。


「さて、俺も一旦ログアウトするかな。飯も食べたいし。」


と言って、俺もメニューを開いて、ログアウトした。

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