【10】"手持ち"
「誰かと、話しているんですか?」
とスリーカーが話を挟む。
「ああ、リアだよ、リア。」
「ん?、ああ、リアですか。了解です。分からないことがあったら、全てリアに聞いた方が良いですよ。」
「OK。そうするよ。」
「それでだ。リア、早速聞きたいんだが、木の剣を手持ちで使いたいのだがどうすればいいんだ?」
「それでしたら、メニューウィンドウを出して、インベントリから下の9マスのアイテム欄の1番左に木の剣を移動させて下さい。」
「了解。」
と言って、メニューウィンドウを出して、そこから操作して「"手持ち"」と呼ばれる9マスのアイテム欄の1番左のマスに移動させた。
「1番左に移動できたら、"1st"(ファースト)と言ってみて下さい。」
とリアが言うので俺はとりあえず
「"1st"」
と言ってみた。
そうすると、目の前にキラキラとした光が集まり、剣のような形になった後に木の剣が生成され、手で掴む事が出来るようになった。
「なるほど、こうして使えるようになる訳か。」
と俺は生成された木の剣が地面に落ちる前に右手でキャッチしながら言った。
「そうですね。"手持ち"の左のマスから順に"1st"(ファースト)、"2nd"(セカンド)、"3rd"(サード)、"4th"(フォース)、"5th"(フィフス)、"6th"(シックス)、"7th"(セブンス)、"8th"(エイス)、"9th"(ナインス)と呼びます。」
「また、"6th"に関しては若干発音が違くても生成されます。」
と、リアが"手持ち"について説明する。
「ふむふむ、なるほど。」
と俺は腕を組んで説明を聞いている。
「まあ、本当は発音が合ってた方が絶対にいいのですが…」
「というか、カッコ悪い…」
とリアがボソッ...と言う。
言うだけでリアは特に発音に関してはアドバイスというか、説明は無かった。
「おい、発音に対してのアドバイスというか、そういうのは無いのか?」
と俺が聞くがリアは
「いえ、別に。発音に対してはアドバイスとかは無いので...」
と言ってくるではないか…
カッコ悪いとか何とか言っているわりには、アドバイス無しとかケチ臭い奴だな。
さては、間違えて言っているのを影で笑っていたりするのか...
チュートリアルサポートシステムにしては、何とも立ちの悪いシステムだ。
とか考えてるうちに
「チュートリアル終わりましたか?」
とスリーカーが言っているので、
「ああ、終わったよ。今、そっちに合流する。」
と言って、スリーカーのいる方向に走った。




