【01】俺の日常 (プロローグ)
~2025年~
俺が高校1年の時である。
今の時代はネット社会で電車に乗っている人、歩いている人、何処を見渡してもスマホやPCばかりだ。
もちろん、俺もいつもスマホを触っている。
友達と話したりしないのかって?
俺は、友達と話すのは嫌いだ。
人の顔を見て、敬語を使い分け、人に頭を下げながら、何かに縛られて生きていて、何が楽しい?
それだったら、ネットゲームの世界にいた方がまだマシだ。
ゲームだって何度だってやり直せばいいし、自分の好きな事が出来る。
つまらなければ、別のをやればいい。
失敗したら、やり直せばいい。
死んでも、生き返る。
しかし、現実はそうはいかない。
だから、俺は学校では寝て、家では常に部屋に引きこもってゲーム、そんな生活をしている。
俺は朝、学校には一応間に合うようには家を出る。
引きこもりと言えど、もの凄い引きこもりでは無い。
流石に学校を退学となっては金に困るからな。
俺は一人でマンションに住み、親からの仕送り(金)を受け取りながら生活している。
退学になったなんて、親に知られたらどうなる?
その通りだ。仕送りがなくなる訳だ。
なので、最低限の出席日数は学校に行く。
学校で俺は普段と同じように寝て過ごす。
もちろん、授業中もだ。
学校が終わると電車に乗り、スマホを片手に家に帰る。
玄関を開け、中に入ると誰も居ない。
それもそうだ。
一人暮らしだし、父親は死んで、母が1人で働いている、そして兄弟はいない、
なんせ一人っ子だからな。
自分の部屋へ行き、私服へ着替え、ベットに横になる。
頭の上には今、流行りのVRMMORPGが出来る最新型のゲーム(ガジェット)がある。
俺はそれを頭に被り、電源を入れ、ログインする。
休みの日は飯を食べる時とトイレに行く以外は常に
VRMMORPGをやっている。
それが俺の日常だ。