8話 巨大蜘蛛と闘うようです
ブックマークしてくださっている方が増えてとても励みになっています。見捨てられないように努力していかないと。
4/20 フォレストオーガスパイダーの種族を変更しました。
10/28 御指摘のあった点を修正しました。
巨大な蜘蛛から見つからない程度には離れた位置に隠れながら相手を観察してみる。
なんか見た目は前世の時に見たことのある鬼蜘蛛にに似ているな。なんか頭に余計な角みたいなものが付いてはいるが……。
頭部よりも腹部の方が大きく、腹部前方が肩の様に張っており、その上に円錐状の突起物がある。その腹部には髑髏を先鋭化したような模様が付いていた。
巣の形は一般的な円網を作っており、複数の蜘蛛の糸に包まれた犠牲者の姿があった。
てかでかいなー、5mは離れていると思うんだが、それでこの大きさか。あの蜘蛛の糸で繭上に包まれているのが確認出来るだけでも11個あるけど、あれのどれにソーラはいるんだ……。看破で繭を確認したら分かるかな?
右にある物にまず看破を使い確認してみる。すると中身の情報が分かることが判明した。
蜘蛛糸の繭
森林狼が包まれている蜘蛛の糸でできた繭
おおっ、中身が説明に書いてある! これなら片っ端から看破で確認していけばどこにソーラがいるか分かるな。まだ蜘蛛を看破してないから勝てるかの判断はつかないが、最悪隙を見て助け出すことができるかもしれない。
残りの繭を右から順に確認していくと、ラービが7匹、森林狼が3匹、で一番左の端にソーラが包まれている繭があることが分かった。全員体力が半分程減らされており、例外なく麻痺の状態異常になっていた。
ソーラの位置はこれで判明した。次はあの蜘蛛のステータスだな。大人ゴブリンは森蜘蛛が進化した奴だって言っていた。進化した分ステータス強化されてるんだろうなー……。
名前 無し ♀
種族 魔蜘蛛族:森鬼蜘蛛族
状態 健康
Lv 15
HP 70/70
MP 32/32
攻撃力 48
防御力 55
魔力 26
魔抵抗 24
速度 20
運 9
スキル
【蜘蛛糸Lv.4】【痺撃Lv.4】【土魔法Lv.3】
強っ! レベルは15と俺と6しか違わないが、ステータスが全体的に高い。俺なんかバフ系スキルと装備があって初めて攻撃力が57になってるってのにこいつは素のステータスでこれだけあるのか。それにしても俺が勝ってるステータスって速度だけか……、これなんとかなるのか……? てか、名前がなんか聞いていたの違うんだが……、ステータスにオーガスパイダーって書いてあるし……、大人ゴブリンはジャイアントスパイダーって言ってたんだけどなー。
ステータスばかりに目がいっていたため見落としていたが、スキル欄を見て驚きのあまり目を見開いた。
って、【土魔法Lv.3】!? こいつ魔法まで使えるのか! こんなの相手にどーしろってんだよ……。見捨てるって選択肢は今の俺にはないから、どうにかして鬼蜘蛛を倒すか、隙をついてソーラを助けて逃げないといけないんだが、相手が魔法使えるとなると話しが変わってくるんだよなー。最低でも行動不能にしないと逃げてる最中に背後から魔法で打ち抜かれかねないし、かといって行動不能にするんだったら倒したほうが話が早いんだよな。
とりあえず俺の現状のステータスと持ち物確認しておくか。
現在のステータス
名前 無し ♂
種族 小鬼族:ゴブリン
状態 健康
Lv 9
HP 34/34
MP 25/25 (+10)
攻撃力 57 (+15)(+20)
防御力 13
魔力 11
魔抵抗 9
速度 29 (+15)
運 49 (+40)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.2】【幸運Lv.2】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.2】【最大MP上昇Lv.2】【ジャンプLv.4】【剣術Lv.3】【俊敏Lv.3】【強力Lv.3】【立体起動Lv.2】【HP自動回復Lv.1】【MP自動回復Lv.1】【蜘蛛糸Lv.1】【毒撃Lv.1】
この新しいスキルって詳細見てなかったな、確認してみるか。
【蜘蛛糸Lv.1】 蜘蛛の糸を出す。粘着性は任意で選択可能。レベル毎に強度と長さと粘着力が増加する。
【毒撃Lv.1】 攻撃に毒を付与する。レベル毎に毒の威力が増加する。
思った通りの能力だが、蜘蛛の糸ってどこから出すんだ? 指から出るのかな? あ、でた。まるでどっかの海賊の王を目指してる男が主人公のマンガに出てくる羽根が大量についた上着を羽織ってる海賊みたいだな。
【毒撃】は単純に攻撃に毒が付与されるだけか。今回はこれを頼りにするしかなさそうだ。
で肝心の所持してる武器はっと、木の棍棒+1が1本、木の小剣+10が1振り、木の槍が1本、+10が1本、皮のグローブが7個、骨の小剣が2振り、+16が1振り、骨の槍が1本か。これでなんとかするしかないな。
試しに骨の小剣を手に持ち目の前の木に投げつけてみた。うまく刃の部分が当たらなかった為、木に刺さらず地面に落ちた。
だめか……、これじゃ蜘蛛に当たっても刺さらないな。少し練習してみるか。
そうして俺は木に向かって剣を再度投げつけてみた。するといつものアナウンスが聞こえてきたので確認してみた。
スキル【投擲Lv.1】を拾得しました。
【投擲Lv.1】物を投げる時に補正がかかる。レベル毎に飛距離と威力に補正がかかる。
よし、思った通りのスキルが手に入ったな。後はこのスキルを最低でも3まで上げておくか。
そして鬼蜘蛛を確認しながら木に向かい投擲を繰り返す。スキルを覚えてからは木に刺さるようになったので、小剣の他に槍も投げて回収の手間を減らした。
そして、5分程何も考えずに投げ続けているとスキルのレベルが3にあがったので、いよいよ覚悟を決めて臨戦態勢に入った。
「マズハ手始メニ、コレデモ喰ラエッ!」
手に持った骨の槍に毒を付与して力の限り投げつける。一直線に飛んで行った槍はそのまま蜘蛛の大きい腹部に突き刺さった。
「ギキィィィィィィーーーー!!」
蜘蛛は油断していたのか、あるいは自分に攻撃する敵がいると思っていなかったのか、唐突な痛みに確かに悲鳴を上げた。蜘蛛は自分を傷つけた物が飛んできた方向を8つの目でにらみつけるとこちらをを認識したのか、土でできた槍をお返しとばかりに撃ちだしてきた。
あぶなっ! あんなもの食らったら即この世からおさらばになっちまう。
土の槍を回避した俺が見た物は幹の殆どを抉り取られた木がメキメキと音を立てて倒れていくところだった。
木が倒れた後、俺が蜘蛛の方に視線を向けると蜘蛛の姿が巣にいないことに気が付いた。慌てて周囲を警戒するが、深い森の中、周りは木や草が多く視線がなかなか通らず発見できずにいた。
ガサリ……
頭上で音が聞こえた俺はとっさにその場所を飛びのいた。次の瞬間俺がいた場所に軽く見積もっても3mはある巨大な蜘蛛が降ってきた。
蜘蛛は飛びかかったのが回避されるのを確認すると即座に向きを変えて複数の土の弾丸を撃ち出してきた。
ヤバい! このままじゃ当たる!“骨の盾作成! 追加MP+14!”
確実に避けられないことを悟るとMPを半分以上消費して骨の盾を作成し防御姿勢になった。直ぐに土の弾丸が盾に着弾し、直撃は免れたものの衝撃で吹き飛ばされ背後の木に激突してしまう。
いてて、今のはヤバかった。あれ直撃してたら多分よくて蜂の巣悪くて体が跡形もなく弾けてたな。
痛む体を何とか立たせて蜘蛛を見ると心なしか目がニヤついてるように見えた。
もう勝利を確信してるのか……。まあ、この状況じゃ仕方ないが、そう簡単にやられるつもりはない!
【異次元収納】に盾を収納し、骨の小剣を2振り取り出すと蜘蛛に向かって駆け出した。蜘蛛は土の弾丸を再度撃ち出してくるが、【ジャンプ】と【立体起動】で蜘蛛の上に飛び上がると両手の小剣に毒を付与して投げつけた。
蜘蛛は以外にも避けることができずに、1振りは腹部に、もう1振りは頭胸部の中央付近に刺さった。蜘蛛は大きな悲鳴を上げながら、こちらに土の槍を撃ち出してくるが俺にあたることはなく、すぐ後ろを通過していった。
毒が回ってきたのか動きが鈍くなって避けれないのか? なら一気に決めてやる!
【異次元収納】から2本の木の槍と木の小剣+8を取り出し、毒を付与し投げつける。木の槍と小剣はそのまま腹部に刺さり、木の槍+10は頭胸部と腹部の間を貫通して、蜘蛛の体を地面に縫い付けた。慌てて身じろぎしているが、深く刺さったらしく地面から槍が抜けることはなかった。
「コレデ止メダァァァァァアアアアアーーー!」
骨の小剣+16を装備し【立体起動】で上から急降下し一気に迫ると、蜘蛛の頭胸部を勢いに任せて切り裂いた。
「ギギュゥゥゥァァァァァァーーーーー……」
鬼蜘蛛は断末魔の悲鳴を轟かせ身体を痙攣させた後力尽きたのか動かなくなった。
もうちょっと戦闘シーンの描写がうまくなればよかったんですが……。なんか書いていてあっけなく終わった感がありますが、性能に差があったため長引けば勝てないと思ったのでこうなった次第です。戦闘シーンより準備時間のが長いってorz
蜘蛛を発見してから投擲の練習をしたりして時間が掛かり過ぎだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この蜘蛛は周辺では一番強い設定なのです。ゆえに慢心があり、周囲を警戒せずに眠っていたって事になっています。