7話 助けに行くようです
投稿が遅れて申し訳ありません他のゴブリンたちとのやりとりに苦戦しました。まだまだ文章力が足りないと痛感させられます。
3/16後書きのスキルレベルの一部誤りを修正しました。
4/20フォレストスパイダーの種族を変更しました。
朝になって目が覚め、周囲を見ると自分以外誰もいないことに気がついた。
あれ? 他の兄弟たちはもう狩りにでも行ったのか? けど、まだ朝も早いし、そもそも俺より早く起きてきたことなかったんだが……。
気になって外に出てみるとばったりと大人ゴブリンに出くわした。大人ゴブリンの様子に違和感を覚えた俺は兄弟たちのことを聞いてみた。
「他ノ兄弟達ガイナインダガ、何処ニ行ッタカ知ラナイカ?」
「ヤッパリ帰ッテキテナイカ。昨日狩リニ行ッタキリ戻ッテキテナインダ」
大人ゴブリンの話を聞いていると、村の外れの方が俄かに騒がしくなっていることに気がついた。嫌な予感がしたので大人ゴブリンと一緒に向かってみると、ソーラ以外の兄弟が体のいたるところに怪我を負いながら倒れて荒い呼吸をくり返していた。
「オイ! ソーラハ何処ニイル!」
俺は相手が怪我をしていることも気にせずに詰問した。手当てをしているゴブリンに止められはしたが、止まらずに詰問をくり返していた。
すると一番上の兄弟が途切れ途切れになりながらも答えてきた。
「ア……アイツナラ……俺達ガ……ニゲ……ル為ニ……置イテキ……タ……」
長男のセリフを聞いた俺は怒り狂うのを必死で我慢しながら更に迫る。
「何故アイツダケ置イテキタ! 1番下ノ妹ダロウガ!」
「ジブ……ンガ……生キ残ル……為ニ……置イテキ……テ……ナニ……ガ悪イ……。トロイ……アイツサエイナケ……レバ……コンナ……怪我ヲ……シナクテスンダ……ンダ……」
俺は一瞬頭の中が真っ白になったが、すぐに冷静さを取り戻した。その顔は感情が抜け落ちたような顔をしていた。
「ソウカ。ソンナ妹ヲ囮ニシテマデ逃ゲテキタ挙句、ソレヲサモ当然ノヨウニ言ッテルヨウナ奴ニ生キテル価値ハ無イヨナ?」
俺は腰の木の小剣を逆手に持って抜き放つと一気に振り下ろした。
「待テ」
ガシっ! と刺さる直前に俺の手首を掴んで止める大人ゴブリン。
「放セ、ソイツヲ殺ス邪魔ヲスルナ」
「イイカラ待テ、マダ聞キタイ事ガアル。オイ、オ前等ハイッタイ何ニ襲ワレタンダ?」
俺の手首を掴んだまま問いかける。
「デカイ……蜘蛛ダ……」
そう答えると体力が尽きたのか長男は意識を失った。
「デカイ蜘蛛カ……、恐ラク森蜘蛛ガ進化シタ、森鬼蜘蛛ダロウ。見タ目ハ森蜘蛛ガ大キクナッタダケダガ、通常トハ違ウ能力ヲ持ッテイルラシイ」
長男の答えを聞いた大人ゴブリンは少し考えながら俺に相手の特徴を教えてくれる。とても強く勝ち目も薄いのだろうと聞くだけで伝わってきたが俺の答えは変わらなかった。
「ソロソロ手ヲ放セ。俺ハソーラヲ助ケニ行ク」
俺の言葉を聞いた大人ゴブリンは少しだけ目を丸くしたがすぐに何もなかったかのように元に戻すと更に俺の手首を掴んでいる手に力を込めた。
「ヤメロ、死ニニ行クダケダ。俺達デハアイツニハ勝テン、力ノ差ガアリスギル」
「ダカラッテ見殺シニナンカデキルカ! 俺ハ1人デモ行ク!」
俺は大人ゴブリンの手を振り払い、そのまま森の中へ駆け出していった。
森の中を走り続けていると前方に森林狼2体いるのが見えた。
「コンナ時ニ面倒ナ!」
即座に骨の小剣+16に持ち帰ると速度を上げ、【ジャンプ】と【立体起動】を使い木の幹の高いところを足場に一気に急降下して片方の森林狼の首を骨ごと斬り、その勢いまま残りも顎の下から頭を串刺しにして絶命させる。
経験値を60手に入れました。レベルアップしました。
【俊敏Lv.1】を習得した。【俊敏Lv.1】は【俊敏Lv.1】に統合されました。レベルアップしました。
【強力Lv.1】を習得した。【強力Lv.1】は【強力Lv.1】に統合されました。レベルアップしました。
レベルがあがったか、スキルのほうもあがったし、これで少しは戦いやすくなるだろ。早いとこたどり着かないと……ソーラにはまだ命を助けてもらった礼もしてないし、恩も返せていないからな。
俺は死体を【異次元収納】に入れると再度走り出した。
こうして走り続けて1時間ほどが経過しようとしていた。途中遭遇したラービ3匹と森林狼4匹を死体と経験値に変える頃にはレベルは9になり、スキルも【俊敏Lv.3】【強力Lv.3】【ジャンプLv.4】【立体起動Lv.2】【剣術Lv.3】になっていた。
いったい何時になったらソーラにたどり着けるんだ……。このままもし万が一間に合わなかったら……。
嫌な予感が頭の中をよぎっていく中ふと、視界の隅に何かを発見した。止まって探してみると白い糸が1本落ちているのが分かった。
これは、蜘蛛の糸? ここに蜘蛛の糸があるって事は近くに蜘蛛の巣がある可能性が高いな。これからは慎重に探しながらいくか――はっ!
ゾクッと首筋に何かが走った瞬間俺はその場を飛び退いた。次の瞬間、先程まで俺がいた場所に1mほどの蜘蛛が飛び降りてきた。
危なかった、危うくやられるところだった。こいつがフォレストスパイダーか? 確認してみるか。
俺は8つの瞳で、奇襲を回避した俺を警戒しているのかじっと見つめてくる。
名前 無し ♂
種族 魔蜘蛛族:森蜘蛛
状態 健康
Lv 3
HP 11/11
MP 3/ 3
攻撃力 11
防御力 11
魔力 0
魔抵抗 4
速度 6
運 1
スキル
【蜘蛛糸Lv.1】【毒撃Lv.1】
森林狼よりかはずっと弱いな。ただ、頭上から奇襲されるとやっかいか。早いとこ始末してボスの所に行くか。
こちらを見つめてる森蜘蛛に一足飛びに近づきそのまま頭から真っ二つに斬り捨てた。
経験値を12手に入れました。
スキル【蜘蛛糸Lv.1】を習得しました。
スキル【毒撃Lv.1】を習得しました。
よし、まだ持ってないスキルが手に入ったか。死体だけ回収してスキルの確認は後にするか、時間が惜しい。
蜘蛛をすぐアイテムボックスに収納するとまた走り出した。そして走り出すこと30分後、俺はついに巨大な蜘蛛を発見した。
現在のステータス
名前 無し ♂
種族 小鬼族:ゴブリン 総経験値258
状態 健康
Lv 9
HP 34/34
MP 25/25 (+10)
攻撃力 59 (+15)(+20)
防御力 13
魔力 11
魔抵抗 9
速度 29 (+15)
運 49 (+40)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.3】【幸運Lv.2】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.3】【最大MP上昇Lv.2】【ジャンプLv.4】【剣術Lv.3】【俊敏Lv.3】【強力Lv.3】【立体起動Lv.2】【HP自動回復Lv.1】【MP自動回復Lv.2】【蜘蛛糸Lv.1】【毒撃Lv.1】
装備
骨の小剣+16
攻撃力20
自分で書いていてなんですが、ネーミングセンスないなーと思います。蜘蛛もオオカミもそのまんまの名前ですし。