6話 武器を量産したようです
生産回です。なんとなくオンラインゲームやってるような感じに見えますがちゃんと異世界にいます。
ブックマークがまた増えてテンションがあがっています。やっぱり自分の書いてるものを読んでもらえるのってとてもうれしいですね。
ぼやけた意識の中目を開けると目の前には見慣れた木の枝と葉っぱの天井が見えてきた。
「此処ハ……? 痛ッ!」
体の痛みに意識が覚醒する。痛みを我慢して体を見ると治りかけている傷が体中にあるのが分かった。
てかあの状態でよく死ななかったな、あのままじゃ血の匂いをかぎ付けたオオカミとかの獣に食い殺されるか、失血死しかねなかったからな。誰かは知らんが助かった。
すると小屋に大人ゴブリンが入ってきた。
「眼ガ覚メタノカ。アレダケノ怪我デヨク生キテタモンダ。運ガヨカッタナ、タマタマソーラノ奴ガオ前ヲ見ツケテ知ラセテクレタオカゲデ村マデ連レ帰ッテキタガ、正直助カルトハ思ッテナカッタゾ?」
そこまで酷かったのか……、ほんとによく助かったな俺。ん?
「ソーラッテ誰ダ?」
「? 何ヲ言ッテイル? オ前ノ1番下ノ妹ダロウガ。知ラナカッタノカ?」
「聞イテナイシ、ソモソモ名前ガアル事スラ知ラナカッタンダガ? 俺ダッテマダ自分ノ名前知ラナイシ」
不思議そうに首を傾げている大人ゴブリンにジト目を向ける。
名前なんてあったのかよ、俺のステータスの名前のところまだ無しなのに。
「ソウイエバオ前ハ名前ヲ教エル時ニ限ッテ寝テイタリ、昨日ダッテ狩リニ出テ行ッテイナカッタシ、見ツケテミレバ死ニカケデ、教エル暇無カッタカラナ」
タイミングが悪かったってのもあるが、半分以上俺のせいか……。
淡々と事実を告げる大人ゴブリンにがっくりとうなだれる俺。
「デ、俺ノ名前ハ?」
「アア、オ前ノ名前ハ、2番目ニ生マレタカラ、シーツァダ」
気を取り直した俺が名前を聞くとあっさりと答えが返ってきた。
まあ、教えるって言ってたしすぐに答えてくれるのはありがたいか。それにしてもシーツァか、一番下の妹はソーラって言っていた。俺が2番目でシーツァだから、1番目はサで3番目4番目はスとセか?
「トリアエズ名前ハ教エタカラナ。折角命拾イシタンダ、キッチリ治セヨ」
そういって大人ゴブリンはあばら家から出て行った。
せっかく名前が分かったんだからステータスで確認してみるか。
名前 シーツァ ♂
種族 小鬼族:ゴブリン
状態 健康
Lv 6
HP 14/25
MP 22/22 (+10)
攻撃力 32 (+5)(+9)
防御力 10
魔力 8
魔抵抗 6
速度 16 (+5)
運 46 (+40)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.2】【幸運Lv.2】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.2】【最大MP上昇Lv.2】【ジャンプLv.3】【剣術Lv.2】【俊敏Lv.1】【強力Lv.1】【立体起動Lv.1】【HP自動回復Lv.1】【MP自動回復Lv.1】
装備
木の小剣+8
おおー、名前が無しからちゃんとシーツァに変わってる。やっぱり名前があるってのはうれしいものだなーって、ん? なんか見覚えのないスキルが3つもあるな、確認してみるか。
【立体起動Lv.1】 壁などの地面以外場所も足場にできる。1レベル毎に連続して地面以外を足場にできる回数が2回ずつ増える。
こんなスキルあのフォレストウルフは持ってたか? 最後のあたりのピンボールみたいに周辺の木を足場にしてたが、そのときに習得でもしてたのか? まあ、使えるスキルに変わりはないからありがたいが。
【HP自動回復Lv.1】 1分間に1づつHPが回復する。1レベル毎に回復するHPが1増える。
【MP自動回復Lv.1】 1分間に1づつMPが回復する。1レベル毎に回復するMPが1増える。
これこそいつ覚えたんだ……。フォレストウルフも持ってなかったし、てか大人ゴブリンが助かるとは思ってなかったって言ってたけど、これのおかげで死ななくて済んだのか。いつごろ覚えたのか分からんがついさっきって感じかな? まだHP回復しきってないから。
MPの方も自動で回復するのはありがたいな。これからやろうと思ってたことが多少は捗りそうだ。
そのうちHPも回復しきって怪我も治るだろうけど、あれだけの怪我ですぐに動き始めたら流石に怪しまれるだろう。なので今日は動けないことをいいことに武具作成とかのスキルのレベリングでもするか。【武具作成】のレベルが上がれば作れる武器や防具が増えるしな。
手始めに木の槍を作ることにした。レベリングが目的なのでMPの追加消費は無しにしておくか。
“木の槍作成!”
手に仄かな光が集まり槍の形を作り上げていく。
【武具作成Lv.1】がレベルアップしました。
頭の中にいつものアナウンスが聞えてくる。ようやく【武具作成】のレベルがあがったらしい。
さっそくメニュー開いてみるか。
武具作成Lv.2
作成可能武具
木製武具 基本消費MP4
皮製武具 基本消費MP5
今回は皮製の武具が追加されたか。皮製だから剣や槍なんかは作れないけど、鞭やグローブなんかは作れるな。さっそく作ってみるか。
“皮のグローブ作成!”
仄かな光が両手を包むように集まって形をつくり、光が収まると両手には茶色の皮製のグローブが装着されていた。
看破先生で確認してみるか。
皮のグローブ
攻撃力+2
基本攻撃力が2か……、皮製なのに木製武器より数値が上なのか……、木製武器……不憫な子。
とりあえず今木の槍と皮のグローブ作って消費MPの合計は9か。
残りMPは13だから、皮のグローブを2個作ったら休憩するか。
“皮のグローブ作成!”“皮のグローブ作成!”
2つのグローブを作成して出来上がるごとに【異次元収納】の放り込んでいく。
MPがなくなってきたので休憩をするために横になって目を瞑る。本格的に眠らないように注意しながら時々ステータスでMPをチェックし、最大まで回復したら再度皮のグローブを4つ作りアイテムボックスに放り込む。それを2回ほど繰り返していると――。
【武具作成Lv.2】がレベルアップしました。
おっ、またレベルが上がったな。今度はどんなのが作れるんだろ。
武具作成Lv.3
作成可能武具
木製武具 基本消費MP4
皮製武具 基本消費MP5
骨製武具 基本消費MP6
今度は骨かー。これなら剣とか槍とか作れるな。早速作ってみるか。
“骨の小剣作成!”
手にいつものように仄かな光が集まり小剣の形になり、光が収まると手には白く滑らかな感じのする小剣が出来上がっていた。
なんか木の小剣と違ってきれいな感じがするな。
そんな感想を抱きながら武器の性能をチェックする。
骨の小剣
攻撃力+4
あれ? てっきり3だと思ってたのに……。まあ、高い分には問題ないな。さっさと槍のほうも作るか。
そして更に小剣と槍を作りMP回復のために休憩していると、聞きなれたアナウンスが聞えてきた。
スキル【消費MP軽減Lv.2】がレベルアップしました。
スキル【MP自動回復Lv.1】がレベルアップしました。
よっしゃ、自動回復がレベル上がったって事は、回復のための休憩時間が短くて済むから、量産も捗るな――と思ったけど、もう夕方か。他の兄弟が帰ってくるかもしれないから次に全MPつぎ込んで骨の小剣作って寝るか。
そう決めるとまた横になって目を瞑る。何も考えないのは暇なので今後の武器の作成について考えていたらあっという間にMPが全回復していた。
よし、今日はこれ作ってさっさと寝るか。
“骨の小剣作成!追加MP+16!”
先ほどまでより少し強めの光が手に集まって小剣の形を作っていく。それはすぐに小剣になり、俺は途切れそうになる意識をなんとか保ちギリギリのタイミングでアイテムボックスに入れることに成功した。
収納を確認すると俺の意識は闇に落ちていった。
朝になって目が覚め、小屋の中を見回すが他の兄弟たちは帰ってきていなかった。
現在のステータス
名前 無し ♂
種族 小鬼族:ゴブリン
状態 健康
Lv 6
HP 25/25
MP 22/22 (+10)
攻撃力 32 (+5)(+9)
防御力 10
魔力 8
魔抵抗 6
速度 16 (+5)
運 46 (+40)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.3】【幸運Lv.2】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.3】【最大MP上昇Lv.2】【ジャンプLv.3】【剣術Lv.2】【俊敏Lv.1】【強力Lv.1】【立体起動Lv.1】【HP自動回復Lv.1】【MP自動回復Lv.2】
装備
木の小剣+8
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