5話 迷子になったようです
ブックマークが増えてとても励みになります。もっといい作品になるように頑張っていきます。
3/20スキル習得のアナウンスを修正しました。
4/20フォレストウルフの種族を変更しました。
2匹目のラービを狩り、家路についてから約1時間が経過しようとしていた。
村から先程の狩場までは約10分ほどで着く距離にある。何が言いたいのかというと……かなり良く言えば遠回りして、普通に及び悪く言えば……そう、ただの迷子である。
どうしてこうなった……、そりゃあ前世もかなり方向音痴だったし? 高校の頃なんて夏休みの部活にチャリで行ったら帰りに道に迷って炎天下の中30分で家に着くところ2時間以上かかったし? だけど転生してまで方向音痴だなんて思わないじゃん?
頭の中で前世の迷子体験を思い出しながら、さらに誰にでもなく言い訳をしながら村を求めて彷徨っていた。
そして彷徨う道すがらエンカウントしたラービを倒し経験値とお肉に変える事既に13匹。
俺のレベルは4まで上がり、スキルは【ジャンプLv.3】【剣術Lv.2】になっていた。
既にラービは物足りない相手になり、エンカウントしたら即首を落としていた迷子のゴブリン(主人公)に、初めての危機が迫っていた。
喉乾いた……。空腹は【異次元収納】にラービがいるからいいけど、飲み物が無いんだよなー……。試にラービの血でも飲んでみるか? けどアイテムボックスの中にあるラービは血抜き処理しちゃったしなー……。こんな時に限ってラービ出て来ないし……。
喉の渇きを意識から外せずにフラフラと彷徨いながらラービを探していると目の前の茂みからガサガサと音がした。
よし! やっとラービとエンカウントしたか、これで血で喉を潤せるか試せる!
そう考えながら木の小剣+8を構えているとついに茂みから飛び出してきた――オオカミが。
オオカミはこちらを見ると口の端が上がっているのが見て取れた。どうやら獲物を見つけたと喜んでいるみたいだった。
ちょっと待てぇぇぇええええ!! ラービじゃないじゃん! オオカミじゃん! 間違えようのないほどにオオカミじゃん! しかも、獲物見つけましたー^o^ みたいな顔してるし! いや待て、落ち着け。これでもラービ狩りまくってレベルも4に上がってるんだ、勝てる可能性もあるはずだ!
名前 無し ♂
種族 魔狼族:森林狼
状態 健康
Lv 5
HP 25/25
MP 5/ 5
攻撃力 20 (+5)
防御力 9
魔力 3
魔抵抗 3
速度 25 (+5)
運 3
スキル
【俊敏Lv.1】【強力Lv.1】
勝てるかぁぁぁぁああああああ!! 1とはいえ相手の方がレベル上じゃん! しかも能力上昇系のスキル、レベル1とはいえ2個も持ってるし! どうしろと!
もしかしたら勝てるかも? と思っていたがそんな事はなかったんだぜ! って感じにパニック状態の中、フォレストウルフが鋭い牙を見せびらかすように大きな口を開けて飛びかかってきた。
あぶねぇっ! 人が混乱と絶望に落ちいてるんだから空気読んで待ってほしかった! しかもラービよりずっと早いし、避けれたのが奇跡に近いな。
なんとかぎりぎり回避しながらひとりごちる。
攻撃を避けられたオオカミは避けられたことに驚いたのか、唸り声を上げながらこちらをにらみつつ姿勢を低くし、次の攻撃の姿勢に入っていた。
さてどうしよう……、さすがに一撃でもくらったらその部位が食いちぎられる以外の想像ができない……。どうする? 盾でも作るか? でもいくら追加でMPつかえば強化できるとはいえ、噛みつきに対応出来ても爪があるしなー。
考え事をしていると再びオオカミはこちらを食いちぎろうと跳びかかってきた。慌てて回避したが、今度は避けられることも考慮していたのか爪がこちらの胸元浅く切り裂いていた。
着地し、こちらを見て相手が血を流しているのを確認すると出会った時よりもさらに口角を上げて笑っていた。
「痛テ、攻撃避ケラレルト踏ンデ同時ニ爪マデ使ッテキヤガッテ。シカモソノニヤケ面ガ腹ガ立ツ!」
こちらの台詞が終わった瞬間、それを合図にしたかのようなタイミングでオオカミが跳びかかってきた。今回も牙を避けることは出来たが、またも爪で浅く裂かれてしまう。そして器用に空中で態勢を整えると、反対側の木を足場に跳びかかってくる。
反対にこちらは避けたばかりでうまく態勢を整えられていないため、今度は牙で左の肩を浅く抉られてしまう。
オオカミはピンボールのように器用に木や地面を足場に連続して跳びかかり、牙や爪でこちらの傷を増やしていく。跳びかかる瞬間に厭らしい笑みを浮かべながら。
この野郎……いたぶってやがるな……。しかしどうしたもんか、あっちがこちらを甚振るき満々なおかげで何とか致命傷は避けれているが、そろそろHPもやばいな……。こうなったら賭けに出るしかないか。あの手の奴は甚振るだけ甚振ったら、必ず反撃できない相手に大技で止めを刺しに来るに決まってる。その時に一か八かだ。
覚悟を決めながら必死に痛みに耐えていると予想通りにオオカミが厭らしい笑みを浮かべながら、姿勢を低くして力をためている。
その間に自分の状態を確認する。
名前 無し ♂
種族 小鬼族:ゴブリン
状態 健康
Lv 4
HP 3/19
MP 15/15(+5)
攻撃力 23 (+9)
防御力 8
魔力 6
魔抵抗 4
速度 9
運 24 (+20)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.1】【幸運Lv.1】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.1】【最大MP上昇Lv.1】【ジャンプLv.3】【剣術Lv.2】
HPも残り僅かか……。MPは最低でも1残しておかないといけないから使えるのは14、それで木製武具は【消費MP軽減Lv.1】のお陰で消費MP4で済むから追加消費は10だな。次で決める!
覚悟を決め、オオカミを見据える。そして悲壮感の無い顔が不愉快だったのかオオカミが不機嫌そうに唸り、先程までより早く、そして口を大きく開けて跳びかかってきた。
俺は木の小剣を上がらない左手に持ち替え、右手をオオカミに向けて突き出した。
「コレデモ喰ラエ! 狼野郎!」
“木の槍作成! 追加MP+10!”
最後の力を振り絞って声を上げ武器の作成を念じると仄かな光が手に集まり、2m程の木で出来た槍を作り上げる。
槍はオオカミに向かって一直線に伸び、オオカミは驚愕を露にしながら吸い込まれるように槍に飛び込んでいきそして、槍はオオカミの口から体内を突き破り、尻尾の下あたりから穂先を飛び出させながらオオカミを串刺しにして絶命させた。
経験値を30手に入れました。レベルアップしました。
スキル【俊敏Lv.1】を習得しました。
スキル【強力Lv.1】を習得しました。
スキル【立体起動Lv.1】を習得しました。
スキル【消費MP軽減Lv.1】がレベルアップしました。
スキル【最大MP上昇Lv.1】がレベルアップしました。
スキル【幸運Lv.1】がレベルアップしました。
やった……倒せた……。なんとか死なずに済んだ。ほんとにもうダメかと思った……。ゴブリンに転生したとはいえ、せっかくの異世界転生なんだからこんなに早く死にたくなかったし。
とりあえず早く帰ろう。俺の血とオオカミの血があたりに広がってるから早く移動しないとまたオオカミが来るかもしれんしな。
ふらふらになりながら、串刺しのフォレストウルフをアイテムボックスに収納し、村へ向かって歩き始めると、目の前には血を吸って赤みがかった地面が広がっていた。
あれ? 前に歩いてるはずなのになんで目の前に地面が……?
そして俺の意識は闇に落ちた。
現在のステータス
名前 無し ♂
種族 小鬼族:ゴブリン
状態 健康
Lv 6
HP 3/25
MP 1/22 (+10)
攻撃力 32 (+5)(+9)
防御力 10
魔力 8
魔抵抗 6
速度 16 (+5)
運 46 (+40)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.2】【幸運Lv.2】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.2】【最大MP上昇Lv.2】【ジャンプLv.3】【剣術Lv.2】【俊敏Lv.1】【強力Lv.1】【立体起動Lv.1】
装備
木の小剣+8
2回目の戦闘シーンです。やはりうまく表現できているか不安です。頭の中では映像で出てるんですが、文字になかなかできません。なにかいい方法はないものでしょうか。