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生きるために強くなる ~だってゴブリンに転生しちゃったし~  作者: ミジンコ
第2章 ゴブリンと冒険者ギルドと死者の王
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39話 お風呂に入るようです

矛盾やおかしい点があれば遠慮なくお願いします。

 ひとしきり休憩した後下に降り、キューティーさんに頼み夕食を出してもらった。

 今日のメニューはパンとシチューとサラダらしい。準備してあったのかあまり待つことも無く暖かいシチューなどがテーブルに並べられバケットに入ったパンと様々な野菜を使ったサラダにお手製のドレッシングがかかっていた。

 キューティーさんの見た目からはまったく想像できなかったが、料理はとても美味しかった。シチューはとても濃厚だがしつこくなく、中に入っているニンジンやジャガイモ、タマネギも原型を崩してこそいないがそれぞれの野菜の味がシチューと溶け合っていて美味しかった。

 シチューに入っている肉はキューティーさん曰く安い物を使っているとの事だが、よほど念入りに煮込まれているのか筋張っているなんてことは無く、口に入れた途端ほろほろと肉の繊維がほどけていくような感じさえした。

 サラダもとても新鮮な野菜を使っているのか瑞々しさがあり、それでいて青臭さはどこにも見当らなかった。

 4人とも満腹になるまで食べると暫くはイスの上から動くことができなくなっており、食器が下げられ奥から洗い物の音が聞こえなくなるとキューティーさんがやってきた。


「あらあら、そんなになるまで食べてもらえるなんて、腕を揮った甲斐があるってものねぇ~」


「とても美味しくてフォークとスプーンが全く止まりませんでしたよ。特にお肉なんてさっき安い物って言ってましたけどホントは高級な肉だって言われても信じますよ」


「そうねぇ~、こんなに美味しいものは~、今まで食べたことがなかったわ~」


「がぅ、満腹」


「ああ、俺もこんなにうまい飯は初めて食べた気がする。いつも適当に狩った魔物の肉を焼いたりして食ってただけって事を除いても有り余る美味さだった」


 みんなに料理を絶賛されとても満足そうな顔をしているキューティーさん。いかつい顔に満面の笑みを浮かべているところにふとした疑問を投げかけた。


「そういえば料理がこんなに美味いのに何で俺達以外の客がいないんだ? もっと繁盛していてもおかしくないだろ」


「そうですよね、食事も美味しいし、部屋もとてもきれいでした。なんでお客さんがいないんでしょう?」


 ソーラも同じ疑問を持っていたらしく同じように問いかける。アイナとシリルも店内をぐるりと見回すと2人揃って首を傾げていた。


「そうなのよねぇ~。なぜかうちは新規のお客さんも来ないから困っているのよ~。おねぇさまや昔の仲間がたまにやってきて盛大に飲み食いしていってくれるから普通にやっていけてるんだけどねぇ~」


 たぶんその見た目とかで敬遠されてるんだろうけど……。てか昔の仲間って……ゴンザレス(プリティー)さんやキューティーさんみたいな人外魔境な人達じゃないだろうな……。


「ああそうそう、申し訳ないんだけどうちの宿はお風呂がないのよ。まあこの辺の宿屋は大抵ないんだけどねぇ~。お風呂はうちの宿を出て左に歩いていくとお風呂のマークがあるお店があるからそこに行くといいわ。もちろん男女はべ・つ・よ♪」


 その後、キューティーさんに教えてもらった通りに歩いていくと確かにお風呂を彷彿とさせる絵の看板があった。

 店内に入ると入口から男女に分かれるようになっており、入ってすぐに番台のおばちゃんに4人分の入浴料銅貨12枚を支払う。

 木でできたロッカーの様な棚に着ていた服を入れると持って来た手ぬぐいを手に風呂場に入っていく。


「まるで前世の銭湯みたいだな……」


 魔石が嵌っている蛇口の栓緩めると丁度いい温度のお湯が出てくる。

 それを桶にため、手ぬぐいを濡らすと目の前にあるかごに入った小さい木の実があるのに気が付いた。

 【看破】で確認してみると石鹸の代わりになる物だという説明がでたので木の実を握りつぶしてみると思いの外柔らかく、握りつぶした木の実から白いドロっとした粘液が出てくる。

 それを手ぬぐいにつけて揉むと泡だって来たので体中をくまなく洗い、お湯で泡を流すと早速異世界に来て初めての湯船に浸かった。

 お湯の温度はやや熱めだが、地球にいた頃ならともかく今はとても心地良い感じがした。

 いい気分で湯船に浸かっていると隣の女湯からソーラ達の会話が聞こえてきた。


「やっぱりアイナさんは胸が大きいですね。その上垂れることなくしっかりとした形でしかもこの柔らかさ。ずっと触っていたいです」


「くすぐったいですよ~。ソーラちゃんだってぇ~、肌がこんなにきめ細やかでぇ~、つやつやですよ~?それに胸も~、小ぶりながらも感度がいいですよねぇ~。いけぇ~シリルちゃん~」


「がぅ、ソーラの胸吸わせてもらうぞ」


「ちょっちょっと何する気ですかこんな所で!」


「ソーラ、シーツァに胸吸われてる時とても気持ちよさそうだった。だから私も同じように吸ってやる」


「あ……ん、ダメですっ。ちょっ、あん!」


 いかん聞いてたら鼻血出そう……。俺の俺自身も今にも血液が集中して臨戦態勢になりそうだ……。早く出るか……。


 いそいそと風呂から上がると脱衣所で体を軽く拭き、体の周囲を【旋風魔法】作った風で包みこみ乾かしていく。

 30秒と経たずに体が乾ききるとそのまま服を着て風呂屋を出た。


 ふぃー、いい湯だったなー。まさか異世界に来てお風呂に入れるとは思わなかったな。ただなー、こういった銭湯みたいな場所だったら風呂上りにコーヒー牛乳が飲みたかったなぁ。


 そんなことを考えながらソーラ達が風呂から出てくるのを待ち続けた。30分ほど。


「はぁ~、良いお湯でしたね~」


「ええ、まさかお風呂に入れるとは思っていませんでした。けどシリル、公衆の面前で胸にその……吸い付いてくるのはやめてくださいね。恥ずかしいですから」


「がぅ、ごめん」


 3人ともほかほかと湯上りの湯気を上げながら風呂屋から出てきた。

 3人のタイプの違う美少女の湯上りで上気した顔は何処となく艶があり、道行く男共が思わず凝視してしまうぐらいには魅力的だった。


 あ、建物の壁にぶつかってる……。


「あ、シーツァ。もう出てたんですか。もしかして待ちました?」


「いや、俺もついさっき出たとこだ。それよりもさっさと宿に戻ろう。周りの男共がソーラ達を見ているのがムカつくから」


 不意打ちのような俺の言葉に一瞬だけ目を丸くするとすぐに微笑み、俺の左手を握って俺の左側を確保した。


「嫉妬ですか? 大丈夫ですよ。私達はシーツァのお嫁さんですよ? 他の男に靡いたりしません」


「そうよ~、シーちゃんが一番なんだからねぇ~」


「がぅ、私の群れのオスはシーツァだけだぞ」


 アイナが俺の右手を握りソーラと同じように右側を確保すると、シリルは俺の背に飛びついて首の前に腕を絡ませた。

 俺は左側にソーラ、右側にアイナ、そして背にはシリルと美少女に囲まれながら『小鳥の泊り木』への帰路へついた。

 その姿を見ていた周囲のモブ男が血の涙を流しながら嫉妬の怨念がこもった眼差しをシーツァに向けていたことは語るまでもないだろう。

今回はお風呂に入りに行きました。

肝心の女性陣の胸の大きさですが、大きい順にアイナ(J)→シリル(C)→ソーラ(A)になります。

それにしてもシーツァ君は両手に花だけでは飽き足らず背中にも花があってうらやましい限りです。

私が周囲のモブ男だったら襲撃も辞さない構えに……、いえ、恨みがましい目で見るでしょう。


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