37話 ランクアップしたようです
諸事情により投稿が遅れて申し訳ありません。
5/15ステータスを一部修正しました。
その後トルク共にウーフツの街を目指して歩いていたが、特に魔物や盗賊に襲われるといったこともなくいたって平和に辿り着いた。
門の所で門番の兵士の1人が俺達の顔を見るなり走ってどこかへ行ってしまうといった事が起こった。ちょっと面倒の予感しかしない。
「おっ、シーツァ君お帰り。初めての討伐以来はどうだった? 誰も怪我しなかったかい?」
俺の身分証を確認した兵士のおっさんが手を振りながら声を掛けて来た。
「ああ、ただいま。特にどうって事はなかったな。土狼位ならいくら来ようが話にならん。そういえば途中盗賊に襲われたな。いきなり殺しにきたから返り討ちにしたんだが特に問題ってないよな?」
「ほー、土狼が群れでも問題なしかー。あいつらは群れると規模によってはDランクまで上がるからな。しかもボスが上位種だった場合は一気にBランクまで上がる。もし土狼とは毛並みの色が違うのが混じってたら何が何でも逃げろよ。黒巨狼が混じってたらここらの冒険者じゃなかなか敵う奴はいないからな。」
「あー、黒巨狼ってこれか?」
どさどさっと音がするとそこには黒巨狼の頭と胴体が落ちていた。
それを見た兵士のおっさんは目が飛び出るのではないかと思うぐらいに目を見開き驚きを露にしていた。
「ちょっおまっシーツァ君!? これはいったい……。俺には黒巨狼の死体にしか見えないんだが……」
「ああ、その通りだ」
「どうやって手に入れたんだ!?」
「狩った」
「狩ったって……」
親指で首を掻っ切る仕草をしながらさも当然のように言うと、なんだか呆れたような気の抜けた感じで返ってきた。
「てかこんなもの今までいったい何処に隠してたんだよ……」
「ああ、この指輪には【収納】の魔法がかかってるからな。それにしまってたんだよ」
まさか本当の事を言うわけにもいかねーからなー。とりあえずはこれで誤魔化せるだろ。
「マジか!? 魔法の鞄なら安くはないがそれなりに普及してはいるが、それって古代の遺物だろ!? それ1つで豪邸が建つような値段するんだぞ! よく持ってるな」
「あ、ああ、たまたまな。手に入れる機会があったんだよ」
やべー! こっちのが不味かったかもしれん。てか古代の遺物かー。生前やってたカードゲームでも古代の遺物が好きでよくそれメインでデッキ作ってたなー。遺跡とか探したらいろいろ出てくるのかな……。
「そうかー、うらやましいな。俺なら即うっぱらって豪遊したりするんだがなー」
俺の方を叩きながら笑う兵士のおっさんに若干冷や汗をかきながら何とか誤魔化せたことに安堵していると話を逸らすために別の話題を向けてみた。
「そ、そういばさっきもう1人の兵士が走ってどっかに行ったがどうしたんだ?」
「ん? さぁなー。俺もよく知らん。急にいなくなりやがって、領主の軍だからって好き放題しやがってなー」
笑っていた先ほどとは一転相方の勝手にイラついているのが分かる。
「? 同じじゃないのか?」
「ああ、俺は領主の軍じゃないよ。これでも冒険者だ。昔からの取り決めでな、門番は領主の軍から1人、冒険者ギルドから1人の計2人でやるんだ。お互いがお互いを監視するためだな。これでも一応Dランクの冒険者なんだぞ?」
胸を張りながら説明してくるおっさん。そんなおっさんを微笑ましい者を見るような目つきで眺めているソーラ達がいた。
「そうか先輩だったんだな、失礼した。それじゃあ、そろそろ行くよ。仕事中悪かったな」
「いや、引き止めたのは俺だからな気にするな。よしじゃあ、通っていいぞ」
「ああ、ありがとな」
俺達は通過儀礼のようにギルドカードを提示し、門をくぐって行く。
そのまま寄り道せずに冒険者ギルドを目指して歩き始めた。
そして、冒険者ギルドの前でトルクと別れると俺達はそのままギルドに入った。
「ただいま、プリティーさん」
やはり人のいない受付に行くと案の定ゴ……プリティーさんが座っていた。
「シーツァちゃん、ソーラちゃん、アイナちゃん、シリルちゃん、お帰りなさい♪」
「ただいま帰りました」
「ただいまです~」
「がうっ、帰ったぞ」
プリティーさんの姿にやはり女性陣は特になんともない様で平気な顔をしながら挨拶をしている。
周囲の冒険者たちもソーラ達に話しかけたいのだろうがプリティーさんという壁は果てしなく高く険しいようだ。
「土狼の討伐してきたよ」
「は~い。それじゃあ依頼の完了手続きしちゃうわねん」
俺達のギルドカードを受け取ると4枚まとめて箱の中に入れるとその上に半透明のディスプレイが浮かび上がった。
そこにはそれぞれの名前と魔物の討伐数が表示されている。
「えーっとねん、シーツァちゃんが土狼22匹に黒巨狼が1匹ってすごいわねん、GランクですでにBランクの魔物討伐しちゃうだなんて。次にソーラちゃんが土狼15匹に一匹鷹が1羽、アイナちゃんが土狼14匹に一匹鷹が2羽、シリルちゃんが土狼が24匹ねん。すごい数ねんみんなGランクになったばかりとは思えないわねん。今回の依頼は土狼5匹討伐だから~15回分の達成になるわねん。Fランクの依頼が15回分だから、おめでとう4人とも今日からEランクよん。すごいわねん、冒険者になった初日にもうEランクだなんて。はい、手続き完了よん。カード返すわねん」
「ありがとう。いや、大したことはないよ。ソーラ達がいるしな。自分1人じゃ出来ないよ」
俺の言葉に照れている3人を見ながら更に言葉を紡ぐ。
「今の俺がいるのは彼女達と出合ったからだからな」
「いいわねぇん青春よねん。私とも真夏の夜の火遊びしてみな~い?」
先ほどまでの俺の穏やかな空気を一瞬で氷点下までさげるゴンザレスさん。
内心、蛇に睨まれた蛙の様になりながらも何とか表に出さずにいることが出来たのは奇跡だと思う。
「い……いや、遠慮しとく……」
「あらそう? 残念だわん。気が変わったらいつでもいらっしゃいねん、待ってるわ~」
「ああ……、そうだ! どこか良い宿を教えてくれないか? まだ泊まる所決めてないんだ」
必死で会話を逸らし、本来の目的でもあった情報を聞くことにする。
そう、宿の情報は必要だったのだ。決して俺の貞操の危機から脱出するためじゃない! 決して!
「そうね~。『小鳥の泊り木』なんてどうかしら。手ごろなお値段で質の良いサービスが受けられるわよん。それと危うく渡すの忘れるところだったわん。今回の報酬の1万5千リルカよん。それで、黒巨狼の死体はある? 買い取りもやってるわよん」
俺の手に銀貨1枚と大銅貨50枚の入った袋を手渡しながら提案してくるゴンザレスさん
「いや、今回は買い取りはいいや、他にも溜まったら一気に買取してもらうから。それじゃあ、その宿屋に行ってみるよ」
「場所はギルドを出て左よ。木に泊ってる小鳥の看板が目印よん」
ゴンザレスさんに挨拶すると、言われたとおりに冒険者ギルドを出て左に歩いていく。
門から冒険者ギルドへ続く道とはまた雰囲気が変わり、こっちは宿屋が多く立ち並ぶ通りらしく、露天もなく静かで落ち着いた雰囲気があった。
「静かでいいですねー。これなら宿に泊ってゆっくり出来そうです」
「そうねぇ~。やっぱり宿では~、落ち着いていたいものねぇ~」
ソーラの感想にアイナが返しながら和気藹々と歩いていると左手に木に止まった小鳥の看板が目に入った。
シックな色使いで落ち着いた良い雰囲気の宿屋に見える。
「ここか。かなり良さそうな宿屋だな」
「そうねぇ~、落ち着いた雰囲気で~、私は気に入ったわ~」
「よし、じゃあこの街にいる間はこの宿を拠点にするか」
「賛成です。冒険者ギルドからも近いですから丁度いいですしね」
「がぅ、私も気に入ったぞ」
全員がこの宿に好印象を持っているので俺達はこの宿に泊ることに決めた。
この決断がすぐに後悔に変わるとは今俺には知る由もなかった。
現在のステータス
名前 シーツァ ♂
種族 小鬼族:ゴブリンキング
状態 健康
Lv 57
HP 1858/1858 (+1500)
MP 1763/1763 (+1500)
攻撃力 1808 (+1500)
防御力 1746 (+1500)
魔力 1739 (+1500)
魔抵抗 1747 (+1500)
速度 1742 (+1500)(+5)
運 347 (+140)
特殊スキル
【異世界言語】【スキル習熟速度倍加】【王の加護】【蒐集Lv.2】【異次元収納】【看破】【特殊武具作成Lv.3】【複製転写Lv.2】【眷属召喚】【転移】【仲間の絆】
強化系スキル
【最大HP超上昇Lv.3】【最大MP超上昇Lv.3】【神力Lv.3】【城壁Lv.3】【魔神Lv.3】【韋駄天Lv.3】【幸運Lv.7】
攻撃系スキル
【猛毒撃Lv.1】【投擲Lv.10】【強痺撃Lv.1】【精密射撃Lv.10】【眠撃Lv.6】【突進Lv.10】【竜の息吹:炎】
防御系スキル
【防音Lv.6】【状態異常無効】【絶対防御Lv.1】【気配察知Lv.6】【気配遮断Lv.7】
魔法系スキル
【火魔法Lv.7】【水魔法Lv.4】【氷魔法Lv.5】【土魔法Lv.8】【旋風魔法Lv.2】【回帰魔法Lv.2】【物理魔法Lv.10】【光魔法Lv.5】【聖魔法Lv.4】【消費MP軽減Lv.8】【魔力感知Lv.7】
武技系スキル
【剣鬼Lv.4】【盾鬼Lv.7】【弓術Lv.4】【斧鬼Lv.1】【槍術Lv.9】【拳闘術Lv.6】
技能系スキル
【飛行】【ジャンプLv.10】【空間機動】【蜘蛛糸Lv.10】【倍加】【狂化】【威圧咆哮】【騎乗Lv.8】【人獣一体Lv.3】【鷹の目Lv.9】【調教Lv.9】
自己回復スキル
【HP自動回復Lv.8】【MP自動大回復Lv.1】【超再生】
次回の展開はすでに決まっています。多分皆さんの予想通りの展開になると思います。貂蝉がいるのなら当然あの漢女もいます。
いつも拙作を読んでいただきありがとうございます。
ブックマークや評価が大変嬉しいです。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。




