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生きるために強くなる ~だってゴブリンに転生しちゃったし~  作者: ミジンコ
第2章 ゴブリンと冒険者ギルドと死者の王
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31話 冒険者ギルドで人外と出会ったようです

今回は人外が登場します。

4/25ギルドカードの説明と後書きを若干修正しました。

「ここが冒険者ギルドか……」


 目の前には煉瓦で建てられた3階建ての建物があった。

 入口はよく西部劇なんかで見る木でできたウェスタンドアがあり、その真上の壁には盾とその前に2振りの剣が交差している冒険者ギルドのマークがあった。

 ドアをくぐり中に入ると正面には銀行の受付みたいなカウンターが複数あり、人が並んでいる所といない所がある。

 左を見るとこれまた複数のボードに紙が何枚も貼られている。所謂クエストボードというやつなんだろう。

 騒がしい右を見ると酒場になっており、真昼間から酒を飲んでいる奴らが大勢いる。よって大暴れしている奴がいないのが唯一の救いだろう。


「んじゃちゃっちゃと登録済ませて銀貨回収してきますか」


 4人で受付カウンターに行くとそこには奇怪な生物がいた。

 ギルドの職員は男性は男性用の、女性は女性用の制服を着ている。当たり前だが。

 しかし目の前の生物は女性用の制服を着ていた。

 制服の下に隠しきれないほどに膨れ上がった筋肉を纏い、腕の太さは俺の太ももよりも太い。そして禿頭の頭にもみあげの部分だけ伸ばて三つ編みにし、赤いリボンで結んでいた。


 なんだあの生物……。地球にいた頃やってた三国武将みんな女の子なゲームに出てきたあのキャラそっくりな人外は……。とりあえず他のカウンターに行こう。


「ちょっとどこに行くのよん。ここが空いてるわよぅ」


 くるりと反転した俺の腕をカウンター越しにガシッと掴み引きとめてくる人外。万力のような力に振りほどくことも出来ず、絶望感を漂わせながら人外の前に立った。

 ちなみに腕をつかまれた瞬間周囲から憐みに満ちた視線を向けられたのは言うまでもない。


「いらっしゃい、可愛いボーヤ。今日はどんなご用件なのかしらん?」


「ひっ、い……いや、冒険者の登録をしようと思って来たんだが……」


 (しな)をつくりにっこりと笑っていはいるが、獲物を見つけた様な目に完全に委縮してしまう。


「後ろの可愛い女の子達もそうなのかしらん?」


「はい、私達も彼と一緒に冒険者登録に来ました。今日は宜しくお願いします」


 アイナとシリルも一緒に返事をし、特に萎縮した様子も無い。


 あれ? 俺だけなのか? この人外が恐ろしいと思っているのは俺だけなのか?


 混乱した頭で思考の渦に飲み込まれているいると再び人外が声を掛けてくる。


「じゃあ、冒険者の説明をさせてもらうわねん。まず冒険者はそこにあるクエストボードの依頼をこなして報酬をもらう人たちの事よ。私好みの男の子が少ないのが最近の悩みねん。冒険者はランクがあって下はGランクから上はSSランクまであるわ。高ランクの冒険者になると指名で依頼があったりするのよねん。冒険者は自分のランクのクエストを10件か1つ上のランクを5件成功させれば昇格できるわ。ただし、Cランク以上に上がるには試験があるわ。クエストは月に1回は受けないと降格と罰金があるから気を付けてねん。他にもあるけどとりあえず必要なのはこれくらいかしら?」


 途中なんか必要ない情報が有った気がするが気にしないでおこう。こういう人外さんは見た目と言動はアレだが仕事は出来ると相場が決まっている。見た目と言動はアレだが……。


「ああ、ありがとう。ひとつ聞きたいんだが、俺達は4人で依頼を受けていくつもりなんだがそれについては何か規則はあるのか?」


「報酬の分配で揉めないのなら迷宮に潜る時以外は特にないわねん」


「迷宮?」


「ええ、迷宮っていうのはね、世界の各地にある冒険者ギルドの下に広がっている広大な空間の事よ。中には魔物がたくさんいるわ。たまに宝箱なんかもあって中に魔法が付与された武具や道具が入っていたりするの。ここの迷宮は比較的弱い迷宮で階層は10階層しかないわ。初めてクリアすると特典が貰えるらしいんだけど、何が貰えるのかはわからないそうね。それで話を戻すけど、迷宮には1パーティ最大6人までよ。昔その規則を破って入った冒険者がいるんだけどね、急に魔物が溢れるように湧いてきてそのパーティは全滅。魔物の氾濫を防ぐ為の冒険者ギルドも多大な被害を被ったわ」


 頬に手を当て溜息を吐きながら説明をしてくる人外。相当な被害がでたのであろうことは想像に難くない。


「なるほど、了解した。暫くは仲間を増やす気も無いからそれについては大丈夫だろう。早速で悪いんだが冒険者登録を頼めるか?」


「わかったわん。よいしょっと。それじゃあこの水晶に1人づつ手を乗せてねん」


 カウンターの下から横に細長い溝のある台座にのった人間の頭ほどの大きさの水晶を取り出してカウンターに置く。

 促されるままに水晶に手を乗せると、淡く光り始め、光が消えると台座の横溝から名刺くらいの大きさの板が出てきた。


「これがギルドカードか? 特に何も書かれていないが……」


「それは昔の技術を解析して作られているの。魔力を通せば持ち主の名前が浮き上がってくるわよ。あなたがこれから倒す魔物の討伐数や成功した依頼の数もパーティ単位で記録されていくわん。魔法の鞄みたいな亜空間にしまっていても大丈夫だから安心してねん。これが出来るまでは魔物の討伐依頼では魔物の討伐部位を持って帰ってくる必要があったんだけどそれも必要なくなったわ。ちなみに魔物の素材はギルドで買い取りもしているわよん」


 説明を聞き終わるとソーラ達が水晶に手を乗せ、ギルドカードを作成していく。


「ギルドカードは無くしたら再発行に銀貨1枚かかるから失くさないでねん」


 これで夢だった異世界での冒険者生活がスタートか……。ゴブリンに転生した時はもうこんな風に冒険者登録できるなんて夢にも思わなかったからなー。出来る限り上を目指して頑張るか! 正体ゴブリンだけど……。


「それじゃあ、早速依頼を受けてみるか」


 俺達は今冒険者に成り立てほかほかのGランク、受けられる依頼はFランクまでだろ? 討伐系で依頼ないかなー。お、ちょうど良さそうなのがあるな。土狼(ランドウルフ)討伐か。討伐数は5ね。常時依頼ってなんだろ?


 人外の胸元のネームプレートを見る。そこに書かれている名前を確認すると、依頼書をカウンターまで持ってきた。


「なあ、ゴンザレスさん――」


「プリティーよ」


「いやだってネームプレートに――」


「プリティーよ」


「いや――」


「プリティーよ」


「プリティーさん……」


「はぁい。何かしらシーツァちゃん♪」


 ゴンザレス(プリティー)の一顧だにしない返答についに折れ、げんなりしながら先ほど聞きたかった質問をする。


「この常時依頼ってなんだ?」


「それはねぇ、数が多い魔物の間引きを目的とした依頼なのよん。たとえばその依頼だったら必要討伐数は5だから、10匹狩ってくれば2回分の依頼達成と同じになるの。わかったかしら」


 なるほど、これならすぐにランクが上がりそうだな。これを受けるか。


「じゃあ、これを受けたいんだが」


「それならカウンターに持ってこなくても、討伐した後でギルドカードを提示してくれれば大丈夫よん。さっき説明した通り、討伐数は自動で書き込まれるからねん。けど、それFランクの依頼よ? まだGになったばかりなのに大丈夫なのかしら」


「それなら大丈夫だ。ここに来るまでに結構魔物と戦ってるからな、実戦経験はある積もりだ」


「ええ、土狼(ランドウルフ)程度なら問題ないと思います」


「そうなの、それなら問題なさそうね。気をつけて行ってらっしゃい。久しぶりのかわいい男の子ですもの、怪我しちゃダメよ?」


 去り際のゴンザレス(プリティー)のセリフに寒気を覚えつつ、俺達は冒険者ギルドを後にした。そしてカウンターに背を向けギルドを出る際に俺の尻に強烈な視線を感じていたのは言うまでもないだろう。

人外なゴンザレス(プリティー)さんは基本的には面倒見の良いギルド職員です。若い男性冒険者を見るのが大好きな人です。男性冒険者からは敬遠されがちですが、女性冒険者からの信頼はとても厚いです。

CVは若本紀夫さんをイメージしていただけると助かります。


いつも拙作をお読みいただきありがとうございます。ブックマークや評価がとても励みになりますのでよろしくお願いします。

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