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生きるために強くなる ~だってゴブリンに転生しちゃったし~  作者: ミジンコ
第1章 ゴブリンと異世界と火竜退治
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24話 装備を整えるようです

いつも読んでいただきありがとうございます。

ブックマークや感想がとても励みになります。

今回は装備を整えるのがメインになっています。

いつもよりちょっと長くなっています。

竜巻蝶(トルネードバタフライ)を倒した後俺達はというと――


「シーツァ、これほんとに落ちないんだよね?」


「眺めがいいわねぇ~」


「ガクガクブルブル……」


 そう、空を飛んでいた。俺の体に3人がしがみ付いて一塊になってかなりの速度を出しながら『テイマーズ』のアジトへ向かっていた。

 なぜ空を飛んでいるのかというと、竜巻蝶(トルネードバタフライ)を倒した後再び歩き始めた俺達だったが、先ほどの戦いで少し疲れたのか歩くのがだいぶ億劫になっていた。

 そしてアジトに着きゴミ掃除をして早く休みたかった俺は前々から考えていたことを実行に移したのだった。

 それは、【物理魔法】があれば空を飛べるんじゃね? という安直な考えだったがここは剣と魔法のファンタジー、やってやれないことはないだろうとの気安いノリで実行に移した。

 一番小さいソーラを背負い、アイナとシリルと手を繋ぎ【物理魔法】でまず俺の周囲の重力を遮断した。

 軽くジャンプしてフワフワと空に上がって行き、辺りの木々が玩具(おもちゃ)に見えるくらいの高さまで上がると、シリルに教えてもらった方向に向けて自分の体を斥力で弾き飛ばした。

 途中、顔に強い風が当たり呼吸がしにくくなったので【旋風魔法】を使い周囲を風の膜で覆うととても楽に呼吸できることがわかった。


 空を飛び続けること半日、夕日で空が染まってきた頃ようやく目的の場所に到着した。

 そこは山の中腹にある大きな洞窟だった。入り口はバルドのアジトよりも小さく、見張りも立っていないように見える。

 中の様子を窺っていると不意にシリルが【人化】を解除し洞窟の中に入っていった。


「おい、そんなに無造作に入って行って気付かれないのか?」


「ダイジョウブダ、ノコッテイルノハ5ニンダケダ」


 シリルの言葉を聞きそのまま奥まで行くと曲がり角があり、顔を覗かせてみると中で5人の男がだらけながら談笑していた。

 【看破】を使用して確認したが、全員が盗賊で大したスキルを持っていないことが確認出来る。

 するとシリルがいきなり飛び出し談笑している盗賊達に襲い掛かった。

 一番手前にいた男の頭をかみ砕き、次の瞬間にはその右隣にいた男の首を爪で切断し、左隣の男は後ろ脚で蹴り飛ばされ吹き飛んだ先の壁のシミに変わった。

 残る2人の男達は突然の出来事に思考が追い付いていないのか酒の入った容器を持ったままポカンとした顔をしながら固まっていた。

 そして次の瞬間男達の頭が宙を舞い、その胴体は首から激しく血を吹き出し倒れた。男達の顔は最後まで自分に起こっている出来事が理解できないといった顔をしていた。


 そしてシリルが盗賊を全滅させた後、アジトの中を探索したが特にめぼしい物は無く、捕まっている女性の姿も特に見当らなかった為、死体を焼却処分した後俺達は洞窟を後にした。

 そして来た時と同じように空を飛んで村まで帰ると辺りはすっかり暗くなっており、村人たちも1人として起きている様な気配はなかったため、そっと着地した後俺達は音を出さないように注意しつつ自分達の家に戻るとそのまま眠りについた。

 シリルの寝る場所で若干揉めたがすぐに全員の寝息が聞こえてきた。


 そして翌日――


「今日はみんなの装備を整えたいと思います」


 朝食を食べながらの俺の発言にみんなが首をかしげる。


「シーツァ、いきなりどうしたの?」


「いやね、ソーラの装備もそろそろ作り直そうかなって前々から考えてたんだよ。いつまでも骨の杖じゃなんか悪いし、アイナはあの時適当に作った弓を渡しただけだからね。シリルに至っては何も作ってないからさ。いい機会だと思うんだ」


 そしてそのまま朝食を食べ終わった俺達は早速装備の作成に取り掛かった。


「あとちょっとでスキルのレベルが上がりそうだからちょっと待っててね」


 3人に断りを入れてから【特殊武具作成Lv.1】で【貫通能力強化】を付与した鋼の槍を20本程作成する。目の前に光が集まり次々と鋼の槍を形成していく。


スキル【特殊武具作成Lv.1】がレベルアップしました。


 すぐに【看破】で確認すると、付与できるスキルが2個に増えた事が判った。


「さて、それじゃあみんなの装備を作っていこうか。まずはソーラから。何か注文はある? 因みに今作れる最高の素材は魔法銀(ミスリル)製だよ」


「そうね、武器は杖のままがいいな。魔法の威力が上がるとうれしい」


「了解。じゃあ、魔石外すから骨の杖貸してくれ」


 杖を受け取り魔石を外すと、ソーラの注文に応えるべく作成を開始する。


 とりあえず材質は魔法銀でいいか。ソーラもそれなりに力があるから【重量軽減】は必要なさそうだし、【魔法威力強化】と後は何にするかな。そうだ、やっぱり射程距離が上がった方がいいだろうから【魔法射程強化】を付与するか。


 光が集まり魔石を頭にはめ込まれた杖が出来上がった。

 ソーラはそれを手に取ると軽く振り回したり魔力を杖に流し込んだりしながら具合を確かめる。


「どうだ?」


「うん、前の杖よりもしっくりくるし、軽いからいざという時に接近戦にも使えそう」


 喜びながら感謝してくるソーラを見ながら防具も作成していく。


 ローブは材料は蜘蛛糸が一番いいかな。【物理攻撃軽減】と【魔法攻撃軽減】を付与しておくか。


「後これも作ったから着てくれ」


 そう言って紺色のローブをソーラに渡す。


「ありがとうシーツァ」


 嬉しそうにローブを受け取ると杖と一緒に大事そうに胸に抱きしめるた。若干頬が染まっているそうに見えるソーラに見とれているとアイナが声を掛けてきた。


「シーちゃん~、ソーラに見とれてないで~、次は私のを作ってよ~」


 無意識なのかワザとなのか俺の腕を豊かな自分の胸で包むように抱きついてくる。慌ててソーラを見るが、よほどおニューの装備が嬉しかったのかこちらには気が付いていないようだった。

 安堵の溜息を()きながらアイナの注文を確認する。


「私は~、弓のままがいいな~。 後~、弓を射る時に胸がちょっと邪魔になるから~、それも何とかならないかな~?」


 アイナの注文を受け、思考を巡らす。


 アイナは弓だろ? 付与するのは【魔矢精製】と【貫通能力強化】でいいとして、胸かー。あの立派過ぎる胸に弓弦が引っ掛りやすいってことだろ? どうしたもんか……。そういえば生前読んだラノベにもオパーイカースト最上位の射殺巫女がいたな。あの子が使っていた弓と同じような弓にするか。


 考えを纏めるとすぐに作成に取り掛かる。光が集まりすぐに銀色の物体が出来上がった。


「シーちゃん~、これは何~? 折り畳まれた~、弓らしき物ってことは~、分かるんだけど~、弓弦がないよ~?」


「大丈夫だ。グリップの部分を持って弓に意識を向けてくれ」


 アイナが目を閉じて弓に集中すると、折り畳まれていた化合弓(コンパウンドボウ)が展開し弓の形になり、弓の上部と下部を繋げるように半透明の糸が張られた。


「これは~、魔力でできた弓弦ですか~?」


「ああ、これならアイナの体をすり抜けて矢を射ることができるはずだ。なにせアイナ自身の魔力でできた弓弦だからな」


「なるほど~。それで~、この【魔矢精製】ってなんですか~?」


「これはアイナの魔力を元にイメージ次第で様々な特殊能力を持った矢を作り出せる能力だよ。たとえば火の矢とか分裂する矢とかね」


「すごいですねぇ~。ありがとうございます~」


 弓の能力を解説すると目を丸くしながら喜びをあらわにするアイナ。

 そしてソーラに贈ったようにアイナにも巨暴猪(ジャガーノートボア)の皮から作った胸当てに【物理攻撃軽減】と【魔法攻撃軽減】を付与して渡した。

 新しい防具に大喜びのアイナを見ながら俺はシリルに気になっていたことを尋ねた。


「シリルってさ、闘うときはどっちの姿で闘うんだ? 人型? それとも元の狼の姿に戻るのか?」


「別にどちらでも構わないぞ? 確かに元の姿の方が闘いやすいが、シーツァがこっちの姿のがいいって言うんだったらこっちの姿で闘うぞ」


「そうだな、じゃあとりあえず両方の姿でも闘えるように作るか」


 とりあえず魔法銀製で付与するのは【斬撃強化】と後はどうするかな……。そうだ! ロマンを求めてあれにするか、本当は俺の装備でやりたかったんだけどな。


 そうして出来上がったのは指の先が鋭い爪になっている魔法銀製のガントレット。付与してある能力は【斬撃強化】と【体積変化】だ。


「最初はこれな。両腕に付ける装備でガントレットて言うんだ。シリルがその姿で闘うときは多分爪と脚で闘うんだろ? これなら腕と爪を保護できるしな」


「ガゥ、この【体積変化】ってなんなんだ?」


「これはそのガントレットの大きさを変えられるんだよ。敵の上空にジャンプして巨大化した手で殴り潰すんだ」


 なるほど、と頷いているシリル。


 ほんとに分かってるのかな……。とりあえず脚の装備も作るか。こっちは【脚力強化】と【重量軽減】にするか。


 さらに脚甲を作成しシリルに渡してやる。早速装備して履き心地を確かめているがだいぶお気に召したようだ。重さがほとんど無いのがよかったらしい。


 そして狼バージョンの時の装備が思いつかなかったので、皮製の首輪に【身体能力強化】と【魔法攻撃軽減】を付与して渡す。


「ガゥ、これを首に付ければいいのか? この大きさじゃ元に戻ったときに千切れるぞ?」


「ああ、元の姿に戻ったときはそれに合わせて大きさが変わるから安心してくれ」


 さて、みんなの主装備を作り終わったな……後は武器を常に装備しているわけには行かないから……。


 俺はソーラとアイナに新しく【変装】と【偽装】が付与された指輪と【収納】と【身体能力強化】を付与した指輪を1つづつ渡し、シリルには4つの腕輪を渡し、全てに【収納】を付与し、残りは【偽装】と【動体視力強化】、【反応速度強化】、【物理攻撃軽減】を付与した。


 俺の装備? いやだなー、最初に【貫通能力強化】した鋼の槍20本も作ったじゃないか。

そろそろ大きな戦闘を入れたいなと最近思っています。

最終回にはまだまだなりませんが、アニメの最終回にある戦闘での主題歌挿入みたいな胸アツな展開にできるように頑張りたいと思っています。

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