21話 世紀末のようです その2
徐々にブックマークしてくださる方が増えてとても感謝の嵐です。
いちよう前回に引き続き今回もネタ回のつもりです。
目の前にいる森林王狼に乗ったジャ○……もといジャルス。どう料理してくれようか……。とりあえずジャルスは殺すけど、森林王狼は何とかテイムしてしまいたいなー。そろそろペット的な生き物も欲しかったところだし。
「テメェらいい加減にしやがれ! さっきから散々人のこと笑いやがって! 覚悟しやがれ! そこの上玉2人以外皆殺しにしてやるぁ!」
巨大な狼に跨り、その巨体からは想像もできないほどに素早く接近してくるジャルス。その動きは直線ではなく、ジグザグに動いたり、時折フェイントを混ぜてくるといった巧妙さを持っていた。
「死ねやぁ!」
飛び掛ってくる狼の勢いを利用して手斧が振り下ろされる。その斧の一撃をなんとか防いだものの、次々と繰り出される斧に防戦一方になっていた。
「がっ!」
不意に腹部に熱を感じ、一旦距離をとって確認すると右の横腹に爪で抉られたような傷ができていた。即座に【回帰魔法】で傷を修復し相手を見ると森林王狼の左前足には俺の血らしきものがべったりと付着していた。
イテテ……、あの狼も一緒に攻撃してくるのかよ……。俺が斧を防ぐので手一杯になってる間に合図でも出したか、狼の意思で攻撃してきたのか、どちらかは分からないが警戒するべき攻撃の種類が増えたのはやっかいだな。
「ガハハハハ! どうだ、俺とこいつのコンビネーションは! テメーみたいな雑魚は手も足も出ねぇだろ!」
そう言って再度接近し先ほどと同じようにジグザグと動いたり、フェイントを入れたりと素早く、かつトリッキーに動いている。
狼の速さが追加された斧の一撃を今度は長剣を斜めに構えて受け流した。
受け流されると思っていなかったのか、ジャルスの体が前方に泳ぐ。その隙を突いて長剣で切り上げるが、寸でのところで狼のバックステップにより回避された。
「ちっ、外したか。今のは決まったと思ったんだけどなー。狼に救われたな」
「あぶねぇ、流石にヒヤッとしたぜ。だったら次はこれでどうだ!」
一直線に突撃してきたジャルスが勢いに任せた攻撃を仕掛けてきた。それを受け流すとジャルス達はそのまま通り過ぎていき、即座に反転して再度突撃をくり返すヒット&アウェイに戦法を切り替えてきた。
素早い狼の四方八方からの突撃に再び防戦一方になり、何とか致命傷は防げいるものの体中に小さな傷が目立つようになってきた。
「フハハハハ! どうした、手も足も出ないか!」
「くっ! あーもうこうなったら! 【グラビトン】!!」
「ぐぁっ! なんだ!? 体が急に重く……!」
自分を含む周囲に【物理魔法】を使い強力な重力場を形成する。突撃してきたジャルスと森林王狼は強力な重力に捕われ、一気にその動きを遅くした。
てか、それでも動けるのかよ。こっちは一歩も動けないってのに……あの狼ほんとに強いんだな……。なんであんな盗賊なんかに捕まったんだか……。とにかく、これなら俺の攻撃も十分に当たるだろ。
狼のすぐ下から【痺撃】を付与した【土魔法】の棘を作り出し腹部にかすり傷程度の傷を作る。すぐに狼は体が痺れて動けなくなり、重力に負けて崩れ落ちる。
狼を【蜘蛛糸】で動けない様に雁字搦めにし、動けなくなったのを確認すると重力を解除した。
「イテテ……、なんだったんだ。いきなり体が重くなるとか……ってあのクソ狼なに捕まってんだ!」
悪態をつきながら狼の方を向くと動けなくなった狼を蹴り始める。
「何してるんだ! ぶっ飛べ!」
ジャルスに向かって斥力を発生させ、狼から引き剥がす。「ぶへっ!」と変な声を出して近くにあった岩に激突した。
ジャルスは若干ふらつきながらも立ち上がり、近づいてくるこちらを見ると自分が勝てないことを悟ったのか悲鳴を上げながら逃げ出した。
「逃がすかよ」
ナイフを一振り作り出し、【痺撃】を付与してジャルスの足を掠めるように投擲した。
右足を浅く傷つけられた事に引きつりながらも、刺さらなかったことに自分の幸運を感じながら更に速度を上げようとした。
しかし、すぐに麻痺毒が体中を駆け回り体の自由が利かなくなって地面に仰向けに倒れこんだ。
「な……なんで体が痺れて……。ま、まさかさっきのナイフ……」
「おう、正解だ。どうだ自分がやられる立場になるってのは。今までお前達に襲われる側だった人間の気分を味わうのはどんな感じだ?」
「ヒッ!」
【異次元収納】から取り出した槍を手に持ち、地面を削りながら近づいていき、目の前まで行くと槍を振り下ろすために構えた。
「ちょぉっと待ってくれ! そんなもんで刺されたら死んじまうよう。たすっ、助けてくれ!」
自由の利かない体で必死に懇願してくるジャルスに俺の手が止まる。それを見て生き残る可能性が見えたのか更にまくし立てる。
「頼む! 見逃してくれ! なんなら今まで集めた金目のもんや食料も渡すから!」
その見苦しいまでの命乞いを聞きながら冷めた目つきでとある魔法を作り出す。
そして途中で止めていた槍をジャルスの太ももに突き刺した。
「ぎやぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあ! なんで……助けてくれるんじゃなかったのか!」
地面に縫い付けられた太ももを手で押さえようにも手を動かすことができず、絶叫をあげるだけだった。
「うるせぇよ」
「いでぇぇぇぇえぇぇ! いでぇよぉぉぉ! んぐっ!」
叫び続けるジャルスの口に先ほど手の中に作り出した魔法を放り込んだ。
「で、でめ゛! 俺に何を飲ませやがった……」
「ああなに気にするな。俺の使える【火魔法】の爆炎を【土魔法】で覆っただけのものだよ。そのうち体内で爆発するだけだ」
そう、俺が使える【火魔法】の爆炎を炸裂前に【土魔法】で覆って作った爆弾だ。試しに作ってみたが案外うまくいったな。
「頼む! 助けてくれ! 死にたくない、死にたくないんだ!」
「お前、今まで他の村とかでも略奪してきたんだろ? 今のお前とおんなじセリフ言ったやつもきっといたはずだろ。お前はどうせその懇願に耳も貸さず殺して奪って犯してきたんだろ? だったら自業自得だ。あの世でお前が殺してきた人達に謝るんだな。さっさとこの世から消えうせろ」
「やめろ! 助けてくれ! だずげぇ!」
バァーーン!!
盛大な爆音を上げてジャルスの体が木っ端微塵に弾けとんだ。辺り一面に奴の肉片が飛び散り、周辺を汚していく。咄嗟に【土魔法】で壁を作り出して肉片を防いだ。
「あぶねぇ、危うく汚れるとこだったな」
経験値を60手に入れました。
スキル【調教v.5】を習得しました。【調教v.5】は【調教v.8】に統合されました。レベルアップしました。
スキル【騎乗Lv.5】を習得しました。【騎乗Lv.5】は【騎乗Lv.7】に統合されました。レベルアップしました。
スキル【人獣一体Lv.3】を習得しました。
現在のステータス
名前 シーツァ ♂
種族 小鬼族:ゴブリンナイト
状態 健康
Lv 30
HP 232/232 (+100)
MP 136/136 (+35)
攻撃力 359 (+250)
防御力 114 (+40)
魔力 82 (+15)
魔抵抗 80 (+15)
速度 170 (+100)(+5)
運 145 (+100)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.2】【特殊武具作成Lv.1】【幸運Lv.5】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.6】【最大MP上昇Lv.7】【ジャンプLv.10】【剣鬼Lv.1】【迅速Lv.2】【剛力Lv.5】【立体起動Lv.9】【HP自動回復Lv.4】【MP自動回復Lv.8】【蜘蛛糸Lv.10】【猛毒撃Lv.1】【投擲Lv.10】【痺撃Lv.6】【土魔法Lv.8】【盾術Lv.4】【回帰魔法Lv.1】【物理魔法Lv.8】【複製転写Lv.1】【弓術Lv.2】【精密射撃Lv.8】【火魔法Lv.4】【魔力感知Lv.5】【防壁Lv.8】【魔仙Lv.3】【槍術Lv.5】【気配察知Lv.2】【気配遮断Lv.3】【絶対防御Lv.1】【水魔法Lv.1】【斧術Lv.8】【最大HP大上昇Lv.2】【調教Lv.9】【突進Lv.8】【眠撃Lv.3】【騎乗Lv.8】【人獣一体Lv.3】
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次回シーツァ進化する予定です。