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生きるために強くなる ~だってゴブリンに転生しちゃったし~  作者: ミジンコ
第1章 ゴブリンと異世界と火竜退治
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1話 ゴブリンになったようです

なんだか自分で書いてて下手だなーと思う日々。悶々と何度も読み直してますが、どうやったら改善できるのか悩んでます。書いていくうちにうまくなったらいいな。

生暖かい目で見守ってあげてください。

4/19 【蒐集】のスキル詳細を修正しました。

11/9 本文を少し修正しました。

 意識が深い水底から浮き上がってくる様な感覚を覚えながら俺は目を開ける。ちょうど仰向け状態の俺が見た天井は見慣れた自分の部屋のそれではなく、大量の木の枝と葉っぱのそれだった。

 なんか木の枝と葉っぱだけで作ったテントを連想する。

 辺りを見てみるとゴブリンが6人いる。そのうち4体は転生した俺と同じく生まれたてみたいな小さいゴブリン、残り2体は小さくはないので大人なんだろう。

 容姿はよくファンタジー系のゲームに出てきそうな汚れた緑色の小柄な体に攻撃的な目つきに人間より大きい鷲鼻、醜い顔。パッと見で既にゴブリン以外の何物でもない、そんな感じだった。


「此処ハ……」


 生まれ変わったのだから声が違うのは予想できていたが、こんなにしわがれた声になるとは……。


「珍シイナ。生マレタテデモウ喋レルノカ」


 目の前の大人らしきゴブリンが話しかけてくる。

 俺の声を少し低くしたようなそれでいて同じようにしわがれた声だった。


「此処ハ何処ダ……?」


「此処ハ俺達ゴブリンノ村ダ。ソレニシテモ本当ニ喋ッテイルナ、コレナラ成長ガ期待デキソウダ」


 そう言ってゴブリンは外に出ていく。もう一人のゴブリンも一緒になって出て行った。

 あれ? 親子の会話とか無いの? てかやっぱり生まれたてじゃ喋れないのが普通なのか。

 一人考えながら周囲を見ると他の兄弟達――性別はわからんが――も目を開け始めた。


「「「「おぎゃーーー!! おぎゃーーー!! おぎゃーーー!!」」」」


 一斉に泣きわめき始めた。余りの声の大きさに耳を塞ぎながら顔をしかめる。

 まあ、生まれたてならしょうが無い事なんだろうけど、既に俺は前世の記憶も意識もそのまま引き継いでこの体になっているわけで……、要約すると非常にうるさい。

 日本だったら即座にご近所から苦情が殺到するレベルである。


スキル【防音Lv.1】を習得しました。


 は? なんか今声が聞こえた? 男とも女ともつかない抑揚のない声でスキルを習得しましたと聞こえた気がしたが……。確認してみるか。

 てかどうやって確認するんだろ……。異世界転生物の小説だとたしか……。


「メニュー」


 ……何も起きない。なんか自分で言ってて恥ずかしくなってきた。

メニューでないとすればっと。


「ステータスオープン」


 目の前にステータスの書かれた半透明の表示枠の様なものが出てきた。


名前 無し ♂

種族 小鬼族:ゴブリン

状態 健康

Lv  1

HP 10/10

MP  5/ 5


攻撃力 8

防御力 5

魔力  3

魔抵抗 1

速度  6

運  22 (+20)


スキル

【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.1】【武具作成Lv.1】【幸運Lv.1】【防音Lv.1】


 ステータス低っ! やっぱりゴブリンって弱いんだなー、スキルのおかげで運は高くなってるみたいだけど、HP以外軒並み一桁か……。

 

 とりあえず【看破】でスキルの詳細を見てみるか。


【蒐集】 レベルが上がるごとに倒した相手のスキル・素材・ステータスの一部を手に入れる

【武具作成】 レベルが上がるごとに作れる武具・装飾品の種類が増える。MPを追加で消費する事で性能が上がる。

【幸運】 レベル1毎に20づつ運の数値が上がる。

【防音】 行動を阻害するような音を緩和する


 なるほど、チートだ。何が酷いって? 【蒐集】に【武具作成】のスキルでしょ。

 敵さえ倒せればスキルは増えるし、MPさえあれば武器防具は作り放題だから武器の破損も怖くない。

 このスキルを使ってなんとしてでも強くならなければ……。

 ゴブリンなんてきっと駆け出しの冒険者なんかの恰好の餌食にされるに決まってるし、もう二度と痛い思いして死ぬのはごめんだ。

 俺はこの世界で何が何でも生き抜いて人生……じゃなくてゴブリン生をまっとうしてやる!


 俺が決意を固めていると誰かが入ってくる気配がした。そちらを見てみると先ほど出て行ったゴブリンと同じ――だと思われる――ゴブリンがウサギみたいな生き物を5羽ほど持ってきていた。


「ラービ持ッテキタカラ食ベロ」


 5羽のウサギ――ラービって名前らしい――を俺たちの前に置いた。

 他の4人の兄弟は一斉にラービを食べ始めた……生のまま。


 え? あれ食べるの? 生のまま? 現代っ子の俺には流石にちょっときついんですけど……。


「ドウシタ? 食ベナイノカ? 生マレタバカリナンダカラサッサト食ベテ(ちから)ヲツケロ」


 俺にそう促してくるゴブリン。


 えーい、男は度胸! どうせ今はゴブリンなんだ、ウサギをそのまま食べるのだっておかしくはない!味覚だって変わってるかも知れないしな!

 それでも頭からは忌避感があったのでやわらかそうな腹部に噛み付く。獣臭さと生臭さと血の匂いが渾然一体となって鼻から入ってくる。

 はっきり言おう。吐きそうだ。

 それでも食べないと生きていけないと思い何とか食べ続けてようやくラービが頭と骨を残し平らげることができた。


「マズイ……」


 ついボソっと本音が口から出てくる。

 仕方ないよね? 現代日本での食生活に慣れている元人間としては、リバースせずに食べたことを賞賛してもらいたいくらいだ。


「贅沢ナ奴ダ、本当ニゴブリンカ? 文句言ッテナイデサッサト食え」


 怒られた。


 何とかラービを食べ終えた俺や兄弟を見て大人ゴブリンは残ったラービだったものを手に外に出て行った。


 とりあえず腹は満たされた感があるな。食った物は別として。

 食ったらなんか眠くなってきたな……、他の兄弟も寝てるみたいだし、俺も寝るか。

 他の兄弟に混じりながら横になったらすぐに睡魔がやってきて俺は眠りに落ちた。


 こうして俺の異世界生活は幕を開けたのだった。


 


ゴブリンの会話が全部カタカナなのはしわがれた声を表現するのに使っています。読みにくいとは思いますがご了承ください。

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