17話 盗賊のアジトを壊滅させたようです
ブックマークが徐々に増えていくことに快感を覚えていく今日この頃です。皆さんには感謝してもし足りません。
【気配遮断】と【立体起動】を使い広間に飛び込む。天井を足場にして奥の方にいる女達の下に降り立った。
「ヒッ! なんですかあなたは!」
「安心しろ、何もしない。こいつらを殺すついでに助けてやる。だから大人しくしていろ。【石の壁】!」
石壁がせり上がり、女達の姿を隠していく。それを合図に入口から無数の石の弾丸と矢が中の男達目がけて殺到した。
「ぎゃっ!」
「なんだ! 敵しゅ――うが!」
飲んで食っての大騒ぎの広間はあっという間に阿鼻叫喚の地獄絵図に早変わりした。
辺りから悲鳴と土煙が上がる中、俺も負けじと地面から大量の棘を生やして男達を串刺しにしていく。
暫く魔法を打ち続けていると悲鳴が聞こえなくなったことに気が付き、俺はソーラとアイナに駆け寄った。
経験値を220獲得しました。
スキル【調教Lv.1】を取得しました。
スキル【剣術Lv.1】を習得しました。【剣術Lv.1】は【剣鬼Lv.1】に統合されました。
スキル【気配遮断Lv.1】を習得しました。【気配遮断Lv.1】は【気配遮断Lv.2】に統合されました。レベルアップしました。
意外とスキルの習得が少ないな。スキル持ってるやつが少ないのか、止めを刺せなかったかのどちらかだろうな。
「お疲れ様。もう終わったかな?」
「多分大丈夫じゃないかな? もう声も聞こえないし」
ソーラと終わったかの確認をしていると、奥をじっと見つめているアイナに気が付いた。
「どうしたんだアイナ。何か気になる事でもあるのか?」
「はい~。まだ奥に1人生きてるみたいです~。あの一番奥の死体と瓦礫の山に魔法を撃ち込んでもらえますか~」
アイナに言われた所に向けて【石の槍】を撃ち込んだ。すると、山から大きい戦斧と太い腕が飛び出し、石の槍を撃ち落とした。
3人が驚愕のあまり目を見開いていると、山から太ったの男が姿を現した。服装は、頭に獣の頭骨をかぶり、上半身は肩当とそこから鳩尾あたりで交差し腰まで伸びる革のベルト、獣の皮を腰に巻き、ボロボロのズボンを穿いている姿は盗賊というよりも山賊といった方があっている気がした。
「てめぇらよくも俺の一味を滅茶苦茶にしてくれやがったな! この落とし前はきっちりつけて――あ? 冒険者かと思ったらよく見たら魔物かよ。随分と人間様に近い姿になってるじゃねぇか、ゴブリンもモノアイもかなりの上玉だなぁおい。そこのゴブリンのオス! 選ばせてやる! 女置いてさっさと逃げるか、俺にボコられて目の前で女犯されてから死ぬか選べ!」
ソーラとアイナを見た盗賊の頭は舐めるように全身を見た後、自分の方が強いと思っているらしく俺に理不尽な選択肢を突き付けてきた。
「おいおっさん、選択肢が1つ足りねェぞ?」
「ああ! これ以外に選択肢があるのかよ! なんだ、俺の部下にでもなりたいってか? ガハハハ――」
「お前がここで無残に殺されるって選択肢が足りねぇっつってんだよ!」
一直線に飛び込み袈裟懸けに斬りかかる。
「しゃらくせぇ!」
「なっ!」
手に持った戦斧で俺の長剣を下から弾きあげるとそのまま返す勢いで振り下ろしてくる。
完全に体が無防備な状況を晒して動くに動けない俺は咄嗟に【物理魔法】で自分の体を吹き飛ばして無理矢理相手から距離を取った。
「なんだ、殺ったかと思ったが魔法まで使えたのか。変なゴブリンだな、どうだ? 本当に俺の部下に――」
「ならねぇっつってんだろ! とっとと死ね」
戦斧を肩に乗せ部下にならないかと誘ってくる頭のセリフにかぶせるように拒否をしながら武器を構えて睨みつける。
それにしても予想外だったな、まさか攻撃が弾かれるとか思わなかったな、完全にナメてた。あのデカイ戦斧を軽々振り回すなんて、ただのデブなおっさんじゃなかったのか。ステータスを確認しておくか。
名前 バルド ♂
種族 人族:ヒューム 職業:盗賊
状態 健康
Lv 35
HP 230/230 (+100)
MP 10/ 10
攻撃力 323 (+200)
防御力 189 (+30)
魔力 5
魔抵抗 3
速度 50
運 12
スキル
【斧術Lv.8】【最大HP大上昇Lv.2】【剛力Lv.4】【防壁Lv.6】
強っ! 何だよこの典型的なレベルを上げて物理で殴れみたいなキャラは! こんなとこで盗賊なんかやってないでまじめに仕事してればいいのに。
「来ねぇのか? だったらこっちから行くぜ!」
戦斧を構えてこちらに向かってくるバルド、動きは早くないが圧倒的な攻撃力と戦斧の重量の組み合わせは俺では防御の意味すらなさないで死ぬだろう。
「そぉい!」
俺の目の前で振り下ろされる戦斧を右に跳んで回避し、そのまま跳び掛るように斬りつける。
バルドはすぐさま戦斧の柄でこれを受け止め押し返してきた。押される勢いのまま空中に投げ出されると、バルドへ向けて【火の玉】を次々に撃ちだす。
そして魔法を撃ち続けながら天井を足場にし、【物理魔法】で大量の槍を打ち出しながら再度斬りかかった。
流石にバルドも圧倒的な物量には対処しきれず、体中に傷を負いながらも奮戦しているがついに左腕を肩から切り落とされた。
「ガァッ! てめぇ、よくも俺の左腕を! しかも何だその魔法は! ゴブリンがそんなに魔法使えるなんて聞いたことねぇぞ!」
「誰が教えるか。いいからさっさとくたばれよ!」
「死んでたまるか! 食らいやがれぇぇぇぇぇ!」
長剣を構えて駆け出し、対するバルドは残った右腕だけで戦斧を振り上げ一気に振り下ろしてきた。
ゾクッと一瞬嫌な予感がした俺は更に速度を上げ、残った右腕を切断し、反す刀でその首を刎ねた。
「チクショウめ……」
刎ね飛ばされた首が最後の恨み言を呟くとそのまま地面に落ち、その後は何も喋ることはなかった。
経験値を140手に入れました。レベルアップしました。
スキル【斧術Lv.8】を習得しました。
スキル【最大HP大上昇Lv.2】を習得しました。
スキル【剛力Lv.4】を習得しました。【剛力Lv.2】は【剛力Lv.4】に統合されました。レベルアップしました。
スキル【防壁Lv.6】を習得しました。【防壁Lv.4】は【防壁Lv.6】に統合されました。レベルアップしました。
ふぃー、ようやく倒したか。流石にちょっと怖かったな。
直後、ズドォン! っと背後で物凄い音が聞えてきたので恐る恐る振り向くと、切断された右腕と一緒に飛んでいっていた戦斧が地面に刺さりクレーターを作り出していた。
あっぶねー、あんなん食らってたら全身が良くてミンチ悪くて木っ端微塵じゃねぇか……。あー、食らわなくて良かったー。
全身から冷や汗を流し、心の底から一撃も食らわずにすんだ幸運に感謝した。
現在のステータス
名前 シーツァ ♂
種族 小鬼族:ゴブリンナイト
状態 健康
Lv 29
HP 227/227 (+100)
MP 133/133 (+35)
攻撃力 419 (+250)(+64)
防御力 170 (+40) (+119)
魔力 79 (+15)
魔抵抗 77 (+15)
速度 167 (+100)(+5)
運 142 (+100)
スキル
【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.2】【武具作成Lv.9】【幸運Lv.5】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.6】【最大MP上昇Lv.7】【ジャンプLv.10】【剣鬼Lv.1】【迅速Lv.2】【剛力Lv.5】【立体起動Lv.9】【HP自動回復Lv.4】【MP自動回復Lv.8】【蜘蛛糸Lv.10】【猛毒撃Lv.1】【投擲Lv.10】【痺撃Lv.6】【土魔法Lv.7】【盾術Lv.4】【回復魔法Lv.5】【物理魔法Lv.8】【複製転写Lv.1】【弓術Lv.2】【精密射撃Lv.8】【火魔法Lv.4】【魔力感知Lv.5】【防壁Lv.8】【魔仙Lv.3】【槍術Lv.5】【気配察知Lv.2】【気配遮断Lv.3】【絶対防御Lv.1】【水魔法Lv.1】【斧術Lv.8】【最大HP大上昇Lv.2】【調教Lv.1】
装備
黒鋼の長剣+50 攻撃力+64(+50)
黒鋼の丸盾バックラー+50 防御力+64(+50)
森林狼の皮鎧+50 防御力+55(+50) 速度+5
森林狼の皮のサンダル
今回の戦いで一気に強くなれたと思います。盗賊のボスとの戦闘シーンがとても短い気が自分でもしますが、自分の脳みそだとこれ以上どう広げていいか分からなくなってしまっています。もうちょっと頭がよければ白熱した戦闘シーンとか書けたんでしょうか……。
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