表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生きるために強くなる ~だってゴブリンに転生しちゃったし~  作者: ミジンコ
第1章 ゴブリンと異世界と火竜退治
16/137

15話 新たな出会いのようです

仕事の都合上家にいないので更新は基本的に水金日月にさせていただきます。投稿し始めたばかりで更新が遅くなるのはいけないとは思うのですが、申し訳ありません。

3/26 サンダル作成のあたりを修正しました。

3/27 あとがきがおかしいのを修正しました。

3/24 【罠感知Lv.1】の習得を削除しました。

「旅に出ようと思います」


「いきなりどうしたの?」


 俺の唐突な発言に若干戸惑いを見せるソーラ。その様子を特に気にすることなくラービの肉を齧りながら続ける。


「いやね、この辺りの魔物も相手にならなくなってきたし、そろそろ新しい場所を見てみたくなったわけなんだよ。死ぬまでこの村にいるのもつまらないしね、せっかく異世界に転生したんだからもっと世界を楽しみたいわけですよ」


「たしかにそうだね。女神様のおかげで、ゴブリンとはいえ異世界転生なんてラノベの中でしか見たこと無いような体験してるんだもんね。もっと楽しみたいよね」


 ラービの肉を飲み込むと笑顔で賛成の意思を表してくるソーラ。やはり彼女も今の状況が少し退屈だったのかもしれない。


「よし、そうと決まればご飯食べたら早速支度して旅に出ようか。流石にこの姿だと人間の街には入れないけど、魔法なんかがある世界だし、姿を変えられる魔法具(マジックアイテム)があるかもしれないしな。それを探しながらのんびりと気ままに旅でもするか」


 そして2人して食事を早々に済ませ、装備や荷物の確認をする。


「とりあえず、装備はこのままでいいかな? 食料は【異次元収納(アイテムボックス)】にラービや森林狼(フォレストウルフ)の肉が大量にあるし、飲み水は【水魔法】だせばいいか。ソーラは何か必要な物ある?」


「そうね、食料と飲み水はそれでいいけど、長旅になるだろうし靴かサンダルが欲しいな。今までずっと履いてなかったから今更感はあるけど、やっぱりあった方がいいかなって」


「そうだな。今までずっと裸足だから気にしなかったけど、これからはずっと知らない土地を歩くんだから履物は必須か。森林狼(フォレストウルフ)の皮で作ってみるか」


 【武具作成】のメニューを開くと防具のリストにある皮の武具を見るとサンダルがリストにあったので早速作ってみることにした。


“皮のサンダル作成! 素材追加!”


 見慣れた仄かな光が両手に集まると靴の形を作っていく。すぐに手の中にグレーの皮の帯が絡み合うようになっているレザーサンダルができた。しかもサンダルの底には幾つか金属製の小さい鋲が付いており、スパイクになっていた。


 んーなんで皮のサンダル作ったのに、スパイクが付いてるんだろう。


 そう疑問を抱いてステータスを見てみると、今回の作成では消費MP5のはずが、8消費していることが分かった。


 無意識に滑り止め代わりにスパイク付けちゃったのか、それとも【武具作成】のオプションなのか分からないけど、助かったからそれでいいか。


「できたよ。試しに履いてみて」


 そうして出来上がったサンダルをソーラに手渡す。すぐにサンダルを履き、履き心地を確かめるように歩いたり、ジャンプしたりしていた。


「うん、すごく履き心地がいいよ。動きの邪魔にもならないし、スパイクが地面を噛むから滑らないし。サンダルの底もちゃんと厚みがあるからスパイクも気にならないしね」


 嬉しそうに履き心地を話すソーラを見て自分分も早速作り履く。


 確かにサンダルらしく通気性も良いし、スパイクのおかげで滑らないな。この感じなら走ってる最中や戦闘中に脱げる事も無いだろう。


「よし、サンダルはこれでいいな。後は何か必要な物はあるか?」


「今のところはこれで大丈夫だと思うよ。必要になったら考えればいいと思う」


「そうだな。よし! 出発するか!」


 そして俺とソーラは生まれ育った村を旅立つために歩きだした。途中大人ゴブリン達の墓の近くを通るとソーラが一礼していたので俺もそれに倣って頭を下げる。2人が頭を上げて別れを告げ歩き出そうとすると視界の隅に大人ゴブリンがいるように見えた。すぐにそちらを見るがそこには地面に突き刺さった木の大剣の墓標しかなかった。


「どうかしたの?」


「いや、今墓の所に大人ゴブリンが立っている気がしてな。気のせいだったみたいだ」


「きっと見送ってくれたんだよ」


「そうだな……。あいつは面倒見がよかったから、死んだ後もきっとみんなの面倒をみてるんだろうな」


 墓の方を見ながら呟くと、俺達はその場を後にした。





 3時間程森の中を歩き続けていると森の中にある道を発見した。地面を見てみると、車輪の跡みたいなものがあるのを確認することができた。


「どうやら人間達が使ってる道に出たみたいだな。右と左どっちに行こうか」


 俺の質問に少し考える素振りを見せるとソーラは近くに落ちていた木の枝を地面に立てるとすぐに手を離した。すると木の枝はバランスを失い、右の方に倒れ込んだ。


「右に行ってみようよ。こういうのは考えて決めるよりも、その場のノリで決めた方がきっと面白いよ」


 楽しそうに行先を示すソーラに「そうだな」と返すとまた2人で歩き出した。


 半時程更に歩いてくると、前方から複数人の男のものらしき声が聞えてきた気がした。


「誰か来る。隠れてやり過ごそう」


 頷くソーラと共に道の両側にある草むらの片方に2人して隠れて息を潜める。すると次第に品の無い笑い声の混じった雑談らしきものが聞えてきた。


「ギャハハハハハ! 今日はいいもんが手に入ったな! 単眼族(モノアイ)の女だぜ! ボスに渡せば俺達結構褒美がでるんじゃねぇか!?」


「ああ! その金で町繰り出して酒や女でも買って豪遊できるな!」


「でもよう、ちょっとくらい味見してみてーよな! こんなに上玉なんだぜ!」


「バカ! ボスに渡す品に手ぇ出してみろ! ブチ殺されるぞ!」


 4人の男達の会話を聞きながらこっそりと覗いていると、男達と一緒に1台の馬車があることに気がついた。馬車の荷台には金属製の檻があり、中には膝を抱えるようにして座っている1人の女の子が居ることがわかった。

 肩の位置より長くなった髪を首の左辺りで紐を使って結い(ゆい)胸の方に垂らしている。男達が言っていたように顔の中心辺りに普通の人間では考えられない大きな瞳が今は閉じられていた。

 服装は貫頭衣にだぼっとした膝下まである布のズボンを履いていた。所々汚れていたり、破れて右肩が露出していたりしているのは抵抗した時にできたものだろう。


「酷い……助けなきゃ!」


「あっ! ちょっとソーラ! ああ! もう!」


 静止する暇も無く道に飛び出したソーラを1人で行かせる訳にもいかず、俺も一緒に飛び出した。


「そこの馬車! 止まりなさい! そして女の子も解放しなさい!」


「ああ!? なんだテメェは! ってよく見たらゴブリンか。女の方は随分と上玉だな。これならボスからたんまりと褒美が貰えそうだ!」


 錫杖を突きつけて声をあげるソーラを見て男達が下卑た笑いを浮かべる。やっぱりゴブリンだと侮っているらしかった。


「おう! お前ら! 雄の方は殺しちまえ! 女の方は殺すなよ? 死んだらボスに差し出せねぇからな!」


「「「おうっ!!」」」


 リーダーらしい男が他の男に指示を出すと、3人の男達は一斉に武器を抜いてこちらに殺到してきた。


「ソーラ下がって!」


 ソーラの前に出ると自分の上に【異次元収納(アイテムボックス)】から無数の骨の槍を取り出し、それを3人の男達に向けて一斉に撃ちだした。


「なっ……なんだよあびゃ――」


「ひっ……やめろ!やめえ゛ぇ――」


「あ……ひぃぃぃげぇ――」


 次々に撃ちだされる骨の槍の雨に次々と撃たれ、雨が止む頃には体中を貫かれた状態で倒れることもできない男達の奇怪なオブジェが出来上がっていた。


経験値を60手に入れました。


「な……なんだよお前らは! ただのゴブリンじゃないのか!」


 自分の想像してた展開とまったく違う蹂躙に……もとい、蹂躙にすらなっていない状況にパニックに陥る男に向かい剣を片手に歩き寄っていく。


「ひぃぃぃぃっ! 来るな! 頼む! 見逃してくれぇぇぇ!」


「さっさとその子を解放しろ!」


「わ……わかった! すぐに解放する!」


 大慌てで檻の鍵を解放する男。


「これでいいだろ? 頼む! 見逃してくれ!」


 必死に懇願する男に更に詰め寄り要求を加えていく。


「そうだなぁ。そうだ、お前達のアジトの場所でも教えてもらおうか」


「なんでそんなこ……ひぃぃ! わかった教える! 教えるから! 俺達のアジトはこの道をまっすぐいったところにある洞窟だよ! もういいだろ? 頼む見逃してくれ!」


「この道をまっすぐ行ったところの洞窟ね……。まあいいや、お前から聞くべき情報は聞き出せたし。お前はもう用済みだ。さっさと死ね」


 見逃してもらえると思っていた男は俺のセリフを聞くと驚愕に目を見開き一瞬固まる。


「なんでだ! 全部話したろ! 頼む! 死にたくない!」


「お前はそのセリフを檻の中の子からもきっと言われたよな? けどお前は見逃さなかった。だったら俺がお前を見逃してやる義理もないよな? 自業自得だ」


「ヒッ! ヒィィィィィィィィィ――グベェ!」


 そのまま惨めな悲鳴を上げるとそのまま走り出した。少しすると蛙が潰されたような声をあげて地面に突っ伏した。


「あの男なんで起きないの? もがこうとしてるけどそれもできてないみたい」


 一向に起き上がらない男に不思議に思ったのかソーラが問いかけてくる。


「ああ、【物理魔法】使ってあいつに重力を強めに掛けてるんだよ。徐々に強くしながらね」


 開け放たれた檻に向かっていくと女の子は未だ膝を抱えて座り、俯いている。


「大丈夫か? もう檻から出られるぞ。 ……? おーい。大丈夫かー?」


 目の前で手を振ってみるが反応はない。息しているのか心配になって顔を近づけてみるが、地面と愛し合ってる男のうめき声がうるさくてよく聞えなかった。


「うるさい! 聞えないだろうが!」


「じに゛だぐな゛い゛……じに゛だぐな゛イ゛ベェ!」


 重力を一気に強くしてやると、水風船が破裂したような音をたてて男は地面に真っ赤な花を咲かせて死んだ。


「ふぅ、これでいいだろ。……ん? 寝てる?」


 俯いた顔から聞えてくるのは泣き声でもそれを我慢する声でもなく、ただ、スヤスヤと聞える寝息だった。

現在のステータス

種族 小鬼族:ゴブリンナイト

状態 健康

Lv  28

HP 122/122

MP 130/130 (+35)


攻撃力 265 (+100)(+64)

防御力 147 (+20) (+119)

魔力   76 (+15)

魔抵抗  74 (+15)

速度  164 (+100)(+5)

運   139 (+100)


スキル

【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納(アイテムボックス)】【蒐集Lv.2】


【武具作成Lv.9】【幸運Lv.5】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.6】【最大MP上昇Lv.7】【ジャンプLv.10】【剣鬼Lv.1】【迅速Lv.2】【剛力Lv.2】【立体起動Lv.9】【HP自動回復Lv.4】【MP自動回復Lv.8】【蜘蛛糸Lv.10】【猛毒撃Lv.1】【投擲Lv.10】【痺撃Lv.6】【土魔法Lv.7】【盾術Lv.4】【回復魔法Lv.5】【物理魔法Lv.8】【複製転写(コピー・アンド・ペースト)Lv.1】【弓術Lv.2】【精密射撃Lv.8】【火魔法Lv.4】【魔力感知Lv.5】【防壁Lv.4】【魔仙Lv.3】【槍術Lv.5】【気配察知Lv.2】【気配遮断Lv.2】【絶対防御(フルガード)Lv.1】【水魔法Lv.1】


装備

黒鋼の長剣+50  攻撃力+64(+50)

黒鋼の丸盾バックラー+50  防御力+64(+50)

森林狼(フォレストウルフ)の皮鎧+50  防御力+55(+50) 速度+5

森林狼(フォレストウルフ)の皮のサンダル


名前 ソーラ ♀

種族 小鬼族:ゴブリンセージ

状態 健康

Lv 23

HP  66/ 66

MP 129/129 (+30)


攻撃力 116 (+50)(+24)

防御力 106 (+20)(+56)

魔力  146 (+45)(+34)

魔抵抗 153 (+45)(+56)

速度   81 (+50)

運    64 (+15)(+10)


スキル

【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納(アイテムボックス)】【道具作成Lv.7】【幸運Lv.3】【消費MP軽減Lv.5】【最大MP上昇Lv.6】【迅速Lv.1】【剛力Lv.1】【HP自動回復Lv.1】【MP自動回復Lv.7】【土魔法Lv.8】【回復魔法Lv.7】【物理魔法Lv.5】【精密射撃Lv.8】【火魔法Lv.6】【魔力感知Lv.5】【防壁Lv.4】【魔仙Lv.9】【気配察知Lv.1】【気配遮断Lv.1】【水魔法Lv.2】


装備

骨の杖+20  攻撃力+24(+20) 魔力+34(+30) 運+10

蜘蛛糸のローブ+50  防御力+56(+50) 魔抵抗+56(+50)

森林狼(フォレストウルフ)の皮のサンダル


 サンダルは防具ではなく、単に足を保護しているだけなので防御力はなしにしました。脚甲とか装備したら防御力は付けます。

 二人目のヒロインです。つかまっているのにのんびりしているのかぐっすり寝ているような女の子です。

 評価や感想などいただけるととても励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ