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生きるために強くなる ~だってゴブリンに転生しちゃったし~  作者: ミジンコ
第1章 ゴブリンと異世界と火竜退治
12/137

11話 初めて人間を殺したようです

 総合評価がついに100P到達しました! ブックマークや評価して下さった皆さんには感謝してもしきれません。これからもおつきあい宜しくお願いします。

 今回はちょっと重めでグロ描写ありだと思います自分の中では。なのでその手のお話が苦手な方はご注意下さい。

3/21【魔力操作Lv.1】を【魔力感知Lv.1】に変更しました。

 ソーラと共に森の中を歩くこと約1時間、途中何度もソーラに帰り道を指摘されていたがようやく森の出口が見えてきた。運の良いことに他の魔物の襲撃が無かったのがとても助かった。

 そしてようやく森を抜け、いつも通りの村が見えてくるはずだった。そう、はずだったのだ村が燃えてさえいなければ。


「ナ……ナンダヨコレ! イッタイドウナッテルンダヨ!」


「ム……村ガ……村ガ燃エテル……」


 村のいたる所で火の手が上がり非戦闘員と思われるゴブリン達が逃げ惑う中、村の一角から剣戟の音と共にゴブリンの叫び声が上がっているのに気が付いた。


「アッチデ誰カガ戦カッテル! 行ッテミヨウ!」


 ソーラを伴い音する方に駆け出していく、途中後ろから斬られ、その後手足を斬り落されて死んでいるゴブリンや、焼け落ちた小屋の中で子供のゴブリンを庇いながら焼け死んでいるゴブリンが見えた。そんな悲惨な現場を見ながら駆け抜けていくと、すぐに音の発生源にたどり着いた。

 そこには凄惨な現場が広がっていた。

 大勢のゴブリンの死体があちこちに転がっていた。首を刎ねられたもの、頭を矢が貫いているもの、魔法で全身黒焦げにされているもの等、剣と弓と魔法で殺されていることがすぐにわかった。

 立っているのはおそらく冒険者だと思われる男が3人。装備から見て剣士、弓兵、魔法使いだろう。

 一方ゴブリンで立っているのは俺たちの世話をしてくれていた大人ゴブリンだけであった。

 男たちの装備は返り血等で汚れてはいるものの、特に目立った傷は無いように見える。反対に大人ゴブリンは既に満身創痍で立っているのがやっとのレベルだった。


「ヒ……酷イ……」


 涙目になりながら手で口元を押さえているソーラを背に隠すように移動する。すると冒険者達はこちらに気が付いたのか嫌な笑みを浮かべてこちらを見ていた。


「おい見ろよ、まだ獲物が残ってるぜ。しかもただのゴブリンじゃなくてゴブリンソードマンだ。メスっぽいゴブリンもいるな。ソードマンの方は普通のゴブリンより報酬がいいから助かるぜ」


「ああ、こんな小さい村に1匹でもいるなんてついてるな」


「だな、さっさと殺して討伐部位切り取って帰ろうぜ」


 冒険者たちの声に反応して大人ゴブリンが振り返る。立ってるのもきつい中で俺たちに向かって叫んだ。


「早ク逃ゲロ! 俺ガ時間ヲ稼イデルアイ――」


「うるせぇよ、ゴブリン風情が」


 剣士がゴミを見るような目で大人ゴブリンの声を遮るように剣を横に薙ぎ払う。すると、大人ゴブリンの頭はまるでおもちゃのように空に舞い、首から下は力なく倒れた。


「イヤァァァァアァァアァアァアアァァッ!!」


 その様子を俺の体の隙間から見てしまったソーラは叫び声をあげるとその場に座り込んでしまった。

 俺は骨の小剣+16を構え迎撃の姿勢になると怒り狂うのを何とか我慢しながら即座に【看破】を発動した。


名前 ソルド ♂

種族 人族:ヒューム 職業(ジョブ) 剣士(ソードマン)

状態 健康

Lv  7

HP 30/30

MP  5/ 5


攻撃力 36(+8)

防御力 29(+10)

魔力   7

魔抵抗  5

速度  26

運    9


スキル

【剣術Lv.2】


装備

鉄の剣 攻撃力+8 皮の鎧 防御力+2 鉄の盾 防御力+8


名前 シャーガ ♂

種族 人族:ヒューム 職業(ジョブ)  弓兵(アーチャー)

状態 健康

Lv  6

HP 22/22

MP  6/ 6


攻撃力 22(+3)

防御力 15(+2)

魔力   6

魔抵抗  5

速度  28

運   12


スキル

【弓術Lv.2】【精密射撃Lv.1】【鑑定Lv.2】


装備

短弓(ショートボウ) 攻撃力+3 皮の胸当て 防御力+2


名前 マーダ ♂

種族 人族:ヒューム 職業(ジョブ)  魔法使い(マジシャン)

状態 健康

Lv  6

HP 20/20

MP 31/31


攻撃力 12

防御力  9(+1)

魔力  33(+4)

魔抵抗 25(+1)

速度  10

運    4


スキル

【火魔法Lv.2】【魔力感知Lv.1】


装備

骨の杖 魔力+4 布のローブ 防御力+1 魔抵抗+1


 落ち着け、相手の戦闘能力は森鬼蜘蛛(フォレストスパイダー)と比べれば格段に弱い。ただ、相手は3人の上ソーラは腰抜かしてるから動けない、流石に守りながら戦うのはきついな。そういえばさっき倒したミラクルマタンゴから奪ったスキルに物理魔法があったな。駄目神が出したリストに説明があったはず、確か重力とか斥力とかを操れるんだったか。


「シーツァ、何ヲ……」


「危ナイカラ下ガッテイロ、チョット痛イカモシレナイガ悪イガ我慢シテクレ」


 即座にソーラへ向けて物理魔法を使う。身体が浮かび上がり戸惑いを露わにするソーラに謝ってから重力を遮断し、斥力でソーラを背後の燃え尽きた小屋まで吹き飛ばした。

 背後でソーラが小屋の残骸にぶつかる音を聞きながら冒険者たちを睨みつける。


「終わったか? ゴブリンソードマンの癖に【物理魔法】を使うなんて変な奴だ、希少種か?」


「どうでもいいだろそんなこと、さっさと始末して帰ろうぜ」


「そう言うなって、こんな人間臭いゴブリンなんて珍しいだろ。ギリギリまで痛めつけて動けなくなってからこいつが守ろうとしたメスゴブリンを目の前で殺してやろうや。きっと楽しいぞ?」


 非道な行為を笑いながら提案する剣士の台詞を聴いた瞬間俺の頭の中で何かが切れるような音がした気がした。


 ソーラを殺す? ふざけるな! お前らに殺させるために助けたんじゃない! それに他のゴブリンはともかく、大人ゴブリンまで殺しやがって! あいつには世話になってた! 最後の最後まで俺たちを気にかけてくれたんだ、それをゴミみたいに!


「殺スッ! 絶対ニ殺シテヤル!」


 怒りが我慢の限界を超えた為、一直線に冒険者たちに接近する。近くに足場に出来るような壁がない為【立体起動】は使えなかったが、その分速度が上がっていた。


「っ! 早っ! こいつホントにゴブリンソードマンか!? おいシャーガ! どうなんだ!」


 俺の攻撃をぎりぎりで逸らした剣士が焦ったように弓兵に問いかける。


「ああ! 間違いなくそいつはゴブリンソードマンだ! ただレベルが12と高い! おそらくは生まれた時からのソードマンじゃなく、ゴブリンから進化した個体だ!」


「12だと!? 俺たちより高いのか! だが、相手は1匹だ! 連携で倒すぞ!」


 剣士が盾を構え態勢を低くして防御の構えをとる。そして剣士に向かって跳び上がる俺に向かって弓兵が矢を放ってきた。


 やばっ思ってたのより矢の速度が速い!


 想定外の矢の速度に熱くなり過ぎていた頭が急激に冷える。怒りは消えていなかったが少しは冷静に判断できるようになった俺は即座に【異次元収納(アイテムボックス)】から骨の盾+14を取り出し矢を弾く。


「なんだあの骨の盾! なんであんなに硬いんだ! てかあいつは一体どこから盾を出したんだ!」


 矢を弾かれて驚愕に目を見開いていた弓兵に骨の小剣+16を力一杯投げつける。すると小剣は弓兵の右足に突き刺さり、地面に縫い付けた。


「ギャァァアアアァァァァ! 剣が足に刺さった! 抜けねぇ!」


 すぐさまアイテムボックスから木の棍棒+1を取り出し、上から下で盾を構えている剣士に投げつける。剣士はそれを盾を上に構えて防いだ。剣士の盾を足場にし、【武具作成】で新たに骨の長剣+16を作り出しながら弓兵に向けて一直線にジャンプした。


「ぎゃぁぁぁぁ! 来るな! こっちに来る――な゛」


 強い痛みにパニックに陥っていた弓兵の頭を一思いに跳ね飛ばす。涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにした醜い頭は先程剣士が大人ゴブリンにしたように、おもちゃのように空に舞った。そのすぐ後体は右足を地面に縫い付けられているため変な姿勢で地面に倒れた。


経験値を24手に入れました。

スキル【弓術Lv.2】習得しました。

スキル【精密射撃Lv.1】を習得しました。

スキル【鑑定Lv.2】を拾得しました。【鑑定Lv.2】は【看破】に統合されました。


「こいつ! よくもシャーガを! 炎よ! 我が前の敵を焼き尽くせ! 【火玉(ファイアーボール)】!」


 俺に怒りの眼差しを向けた魔法使いが魔法を放ってきた。すぐさま地面に着地した俺は再び跳躍し、魔法使いの上3m付近まで飛び上がった。


「馬鹿が! 何もない上空なら逃げることは出来まい! 炎よ!我が前の敵を焼き尽く――」


「詠唱ナンテサセル訳ナイダロウ!」


 魔法使いが詠唱を始めた瞬間、盾をアイテムボックスにしまうと両手に木の槍を1本づつ作り出し、魔法使いめがけて投擲する。2本の槍はそのまま魔法使いの左右の太ももを上から斜めに貫通し弓兵と同じように地面に縫い付けた。


「ぎゃぁぁぁぁぁああぁあぁ! 足がぁぁぁぁああぁぁ!」


「オ前ハ魔法使イダッタナ。ダッタラ魔法デ殺シテヤル、【土の弾丸掃射(アースバレットバースト)!】


 着地した瞬間放たれた土で出来た大量の弾丸が魔法使いに襲い掛かる。上半身のいたる所に直径2cm程の穴を穿たれた魔法使いは太ももを貫通した槍が地面に刺さっているため、倒れることが出来ず、のけぞるような態勢で息絶えた。その顔面は穴が多く開いていた為人物の特定が出来ないほどに原型を留めていなかった。


経験値を24手に入れました。

スキル【火魔法Lv.2】を習得しました。

スキル【魔力感知Lv.1】を拾得しました。


 魔法使いを殺した俺が振り替えると、剣士は腰を抜かしているのか震えながらへたり込んでいた。


「た……たすけてくれっ! 頼む! 殺さないでくれっ! 俺はまだ死にたくない!」


 顔面を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにし、小便を漏らしながら剣士が命乞いをしてきた。


「俺ハ此処ニ来ルマデ多クノゴブリンガ死ンデイルノヲ見タ。後ロカラ斬リ殺サレテイル奴、子供ヲ庇イナガラ一緒にニ魔法デ焼キ殺サレタ奴。ソイツ等モ1人グライハ命乞イシテタロ? 特ニ子供ヲ庇ッテイタ奴トカ。ソンナ奴等ニオ前等ハ何ヲシタ? ドウセ笑イナガラ斬リ殺シタリ、魔法デ焼キ殺シテタリシタンダロ? 殺ラレルノガ自分ニナッタ途端命乞イシタ所デ聞イテモラエル訳ナイダロウ?」


「だからなんだ! おっ俺たち人間様が魔物共を殺して何が悪い! だいたいお前らゴブリンだって人間を襲ったり女を攫って犯しては孕ませて来たんだろうが! そんな有害な奴らを駆除して何が悪い!」


 俺の反論に逆ギレしたかのように剣士が返してきた。


「ソウダナ、確カニゴブリンハ人間ヲ襲ウ。ダガナゴブリンダッテ命懸ケデヤッテイルコトダ。人間ヲ襲エバ何体カハ死ヌ、ダガゴブリンハソレヲ覚悟ノ上デ襲ウンダ。殺シニキテ殺サレル覚悟ガ無イ奴ト一緒ニスルナ!」


「ひぃぃぃ、死にたくない! 死にたくないぃぃぃ!」


 目の前のゴブリンソードマンの形をした化け物から少しでも離れようと必死に後ずさっている剣士に向けて骨の槍を投げつける。それは一直線に飛んでいき、剣士の臍の下付近を貫き魔法使いや弓兵と同じく地面に縫い付けた。


「ぎぃやぁぁぁあぁあぁぁぁぁ! 腹にぃ! 腹に槍がぁ! 抜けねェ! 抜けねェよぉ!」


 突き刺さった槍を必死に抜こうともがく剣士へ右手の骨の長剣+16で地面をガリガリと擦りながらゆっくり歩いて行く。


「ひぃぃぃ! 来るな! こっちに来るなぁ!」


「逃ゲテイタ奴ハキットソウ思ッテイタダロウナ。ソウイエバ手足ヲ斬リ落トサレテ死ンデイタ奴ガイタナ? オ前モ同ジ目ニアワセテヤルヨ」


 半狂乱になっている剣士に向かって無慈悲な宣告を行うと、そのまま左足の膝から下を斬り飛ばした。


「ぎゃぁあぁぁあぁぁぁぁ! 足が! 俺の足がぁぁぁぁ!」


 斬り落された足の激痛に絶叫を上げる剣士、その叫びを聞きながら今度は右足を付け根から斬り落す。


「ぎやぁぁぁぁぁあ! 足ぃぃぃぃ! あ……」


 余りの痛さに叫び声をあげると口から泡を吹きながら力を失って崩れ落ちる。経験値が入ってこない事に気が付いた俺は残り少ないMPを使い、【火魔法】で左右の足の切断面を焼き焦がす。


「あぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ!!」


 剣士が目を覚ましたのを確認すると左右の肩口から腕を斬り飛ばした。


「ぎゃぁぁぁあぁぁあぁぁ! 腕ぇ! 俺の腕ぇ! 嫌だぁ! 死にたくないぃ!」


「ソロソロオ前ノ耳障リナ叫ビ声モ聞き飽きテキタナ。死ネ」


「やめろぉ! 嫌だ! 死にたくない! 死にたぐ――」


 剣士の顔面に長剣を突き刺して止めを刺す。くぐもった声を上げ剣士は息絶えた。


経験値を28手に入れました。

スキル【剣術Lv.2】を拾得しました。【剣術Lv.2】は【剣術Lv.3】に統合されました。レベルがアップしました。


 こうして俺は転生して初めて人を殺した。

現在のステータス

名前 シーツァ ♂

種族 小鬼族:ゴブリンソードマン

状態 健康

Lv  12

HP 50/50

MP  3/40 (+15)


攻撃力 70 (+15)(+20)

防御力 23

魔力  21

魔抵抗 19

速度  39 (+15)

運   79 (+60)


スキル

【異世界言語】【看破】【スキル習熟速度倍加】【異次元収納】【蒐集Lv.2】【武具作成Lv.3】【幸運Lv.3】【防音Lv.1】【消費MP軽減Lv.3】【最大MP上昇Lv.3】【ジャンプLv.4】【剣術Lv.4】【俊敏Lv.3】【強力Lv.3】【立体起動Lv.3】【HP自動回復Lv.2】【MP自動回復Lv.2】【蜘蛛糸Lv.5】【毒撃Lv.2】【投擲Lv.4】【痺撃Lv.4】【土魔法Lv.3】【盾術Lv.2】【回復魔法Lv.1】【物理魔法Lv.1】【複製譲渡Lv.1】【弓術Lv.2】【精密射撃Lv.1】【火魔法Lv.2】【魔力感知Lv.1】


 少々長くなってしまいましたが、途中区切るに区切れずこうなりました。シーツァのレベルを弓兵が知ったのは【鑑定】のスキルを使用したからです。殆ど主人公による蹂躙にも近い形の戦闘になっていると思います。戦闘描写がうまく表現できているか自信が無いので、ご指摘などありましたら遠慮なくお願いします。何時になったら俺の文章力はレベルアップするんでしょうか。

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[一言] ミジンコの文章力がレベルアップした!!
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