プロローグ
初めまして、素人の妄想駄々漏れ全開な作品だと思います。表現が分かりにくいとかくどいとかいろいろあると思いますが、よろしくお願いします。暇で暇でどうしようもない時にでも読んでいただければ幸いです。
11/9 本文を少し修正しました。
どうもジャッキーです! ……すいません、武藤暁(むとうあかつき)といいます。今異世界でゴブリンやってたりします。
なんでこんなことになったんだろう……。
前世は平々凡々な学生時代を過ごし、社会に出て挫折からの自宅警備員を経てリアル警備員にジョブチェンジしたダメ人間だ。容姿はどこにでもいる様な中肉中背のパッとしない印象を相手に与えると自分でも思う。
趣味はアニメやゲーム、マンガにラノベと2次元に熱中しすぎて仕事中も妄想したり職場の同僚の前でも異世界に行きたいと堂々言ってしまうほどに。
そんな趣味全開で普通の日常を送っていたある日の通勤途中、俺はトラックに跳ね飛ばされた。
朦朧とする意識の中最後に考えていたのは『あれ? これって異世界に行ける展開じゃ……?』最後までオタク根性まるだしな俺の人生は幕を閉じた……はずだった。
目を覚ました俺が最初に見たのは見渡す限りの白い空間。本当に何もない空間だった。
目の前でこちらを覗き込んでいる女の子以外は。
「おっ、目が覚めたみたいだね。初めまして、武藤暁くん。私は女神、名前はイリステラスだよ」
黒い瞳に腰まで伸ばした純白の髪、透き通るように白く、それでいて不健康さを感じさせないきれいな肌。
整った顔立ちはきれいよりも可愛らしいと表現するのが的確だろう。
神秘的な感じが漂う純白のノースリーブのドレス。これ継ぎ目とかあるのか?
「今回はごめんねー。私の手違いで死なせちゃって」
「え? 手違い? 俺が死んだの手違いだったの?」
「そーなんだよねー。書類整理してたら盛大にくしゃみしちゃってね、ばら撒いちゃったんだよ。なんとかかき集めて作業再開したんだけど事故死の山に暁くんのが混ざり込んじゃったんだよね」
「手違いなら修正してもらえれば生き返れたりするの? まだ今週のアニメとかクリアしてないゲームとか大量にあるんだけど……」
望み薄なのは判っていたがとりあえず聞くだけと思い聞いてみた。
「出来なくはないんだけどね、魂を肉体に戻せばいいだけだし。けどおススメはできないかなー、肉体は見るも無残にグチャグチャでモザイク必至だから魂戻してもすぐまたここに戻ってくるよ?」
思った通りの展開にもかかわらず、期待していなかった為たいして落胆はしていなかったがほんの少し残念に感じてしまったのは無理もないだろう。
「お詫びと言っては何だけどさ、生前異世界に行きたいって言ってたよね? 行く? 異世界」
ん? この女神様は今なんて言った? 異世界に行く?
「私のミスで死なせちゃったからねー。」
「異世界転生キターーーーーーーーーーーーー! これで俺も晴れて異世界でチートで強くなって、女の子とキャッキャウフフな日々を送れるんだ! ヒャッフーーーーーーーーーーーーー!」
妄想が現実――既にこの状況を現実といっていいのか疑問がのこるが――になると知って狂喜乱舞する享年29歳の姿に若干引いている女神様をよそに俺のテンションは生前には考えられないほどに上がっていた。
そりゃあもう夢が叶うんだからテンションも上がろうと言うものだろう。
「……話進めてもいい?」
享年29歳が狂喜乱舞することしばらく、女神様が呆れた感じで話しかけてきた。
「ごめんごめん、夢だった異世界転生が叶うと知ってついね」
頭を掻きながら頭を下げる。謝るのは大事だと思うんだ。
「それじゃあ、転生するときに私が付与するスキルが4つあるんだよね。【異世界言語】、【看破】、【スキル習熟速度倍加】、【異次元収納】。【異世界言語】はその名の通り異世界の言葉が理解できるようになるスキルだね。【看破】は鑑定Lv.10から進化したスキルで、鑑定もできるし相手の【隠蔽】や【偽装】、【擬態】が見破れるようになるよ。まあ、相手を認識できないと意味無いけどね。【スキル習熟速度倍加】はスキルのレベルが上がりやすくなるよ。【異次元収納】は容量無限の持ち歩く必要の無い収納箱だと思ってもらえれば良いよ。【異次元収納】に物の出し入れを意識すれば簡単に使えるよ」
説明を聞いていた俺はこのチート感あふれるスキルの状況に心を躍らせながら妄想の世界に若干トリップしかかっていた。
いやだってねぇ、チートなしで異世界に放り込まれるタイプの小説もあったからもしかしたら自分もって思うじゃん? まあ、杞憂に終わって何よりだよね。
「それじゃあ、私たちが付与するスキルの他に本当は1つなんだけど、私のミスで死なせちゃったしね、2つスキルをあげるよ。リスト渡すから好きなの選んで」
「今まででも十分チートなのにさらにスキルをくれるのか。そちらの不手際とはいえ本来1つの所を2つもくれるとは気前がいいな」
俺はにやけそうになるのを全力で堪えながら言った。イリスの表情を見るに堪えきれずに盛大ににやけているんだろうけど気にしない。
不手際? 人が死んだってのに不手際で済ませおってまったくもーありがとうございます!
すると俺の目の前に一覧が表示された。
パッシブスキル
【痛覚遮断Lv.1】 痛みを感じなくなる
【無詠唱】 魔法名だけで魔法が発動できる
【蒐集Lv.1】 倒した相手のスキル、ステータス、素材を手に入れる
【幸運】 運がよくなる
【隠蔽Lv.1】 自分のステータスを隠すことが出来る
【偽装Lv.1】 自分のステータスを偽ることが出来る
【属性耐性Lv.1】 火水風土雷氷光闇属性の耐性を上げる
アクティブスキル
【調教】 魔物を仲間に出来る
【変身】 自分の体の細胞を変化させて姿を変えることができる 質量の差が大きいものは不可
【属性魔法Lv.1】 火水風土雷氷光闇属性の魔法が使えるようになる
【付加魔法Lv.1】 味方のステータスを上昇させることができる
【空間魔法Lv.1】 空間に干渉する魔法が使えるようになる
【召喚魔法Lv.1】 契約した精霊、魔獣等を召喚できる
【物理魔法Lv.1】 重力、圧力、斥力、引力などの力場を操る魔法が使える
【倍加】 一定時間魔法ステータス以外を2倍にする
【狂化】 理性を失うが全ステータスを10倍にする
【空間機動】 空中を足場に出来る
【武具作成Lv.1】 MPか素材を消費して武器や防具を作成できる
思ってたよりかは少ないけどあんまり多いと目移りするだけだしね。
さて、どれにしよう。
なんか【狂化】なんておっかないスキルもあれば【調教】みたいなロマンあふれるスキルもある。
ここはひとつアドバイスをもらうか。
「この中に俺と相性が良かったり、普通は覚えられないスキルってあるのか?」
「そうねー、相性がいいのは【武具作成】と【狂化】ね。普通……というかある種熟練度的なもので覚えられないのは【蒐集】と【幸運】かな。【幸運】は極稀に生まれた時に持っている子がいるね」
なるほど……てことは【幸運】はここでもらわなくても運がよければこれから転生する俺も手に入る可能性が極稀にとはいえあるのか。それなら【幸運】は選ぶ必要はないな。
俺は0ではない可能性に賭けてみることにした。生前あれだけ運が悪かったんだから転生すればきっと運もよくなっている……はずだ!
「【蒐集Lv.1】と【武具作成Lv.1】にするか」
目の前のメニューを操作して自分の性格と相性の良さそうな2つのスキルを選択した。
「スキルの選択終わったね。じゃあ、最後にお楽しみの転生先を決めようか。回転する的に転生先が書いてあるから、そこにダーツを投げて刺さったところが暁くんの転生先だよ。ちなみに投げるのは私」
女神が楽しそうに説明してくる。いやな予感しかしない……。そんな予感を覚えながら的を見る。
えーと、的は昔やってたフレン○パーク見たいな感じか。
勇者とか王子とか貴族、村人、奴隷とか書いてある、流石に奴隷の面積は一番狭いが……。
的の外にはゴブリンってあるな、刺さらないことを祈ろう……。
「じゃあ、投げるから盛り上げるために行きたい転生先のコールよろしくねー」
的を見つめ無い袖を捲るようなポーズをしながらコールの要求をする女神。
盛り上げる必要あるんだろうか、一人でコールするとかかなり恥ずかしいことこの上ないが仕方ない。
「お・う・じ!お・う・じ!お・う・じ!」
羞恥心に耐えながらコールを始める。
やっぱり勇者って最初は小さい村とかで生活してそうだし(偏見)、きっと王子の方がいいだろ。
「いいねー。それじゃいくよー!」
女神が気合を入れて構える。
「お・う・じ! お・う・じ! お・う・じ! ――」
「せーのぉ――ヒックシュ! あ――」
「あ」
くしゃみをした瞬間変に力の入ったダーツが放たれる――的の下のゴブリンと書かれた床めがけて。
「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!」
絶叫する俺をよそに足元に幾何学的な模様の魔方陣らしきものが展開される。
「あははは……ごめんね?」
頭を掻き乾いた笑いを浮かべながら女神が謝ってくる。
「ごめんで済むかぁ! やり直しを要求する!」
ゴブリンとか冗談じゃない弱い魔物代表格で、序盤に転生者に狩られる役じゃないか。
そんなのに転生したら即行死ぬわ!
「やり直しはできないんだよねー。ほんとにごめんね。【幸運】あげるから許して?」
「ふざけんなこのドジっ娘駄女神がぁーー!」
魔方陣が強く光る中聞える女神の謝罪の声もまともに聞かず絶叫する俺の声が周囲に響く。
白い空間に響いていた声が溶けて消えさった時俺の意識は暗転した。
そして俺のゴブリン生活が幕を開けたのだった。
妄想が溜まり次第投稿しますので、不定期な更新になると思います。