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三日三晩、私は泣き続けた。
泣いて、疲れて、事切れて、眠って、目覚めて、また泣いて。
ずっと家族との思い出が走馬灯のようにくるくる巡っていた。リビングで過ごした団欒の日々はもう戻ってこない。
眠っていても、殺された家族が、夢に出てきて私の足もとに縋る。次の場面では醜い姿の化け物が大きな口を開いて家族を屠ったかと思うと、私もその醜い姿に変化して母さんの手足を千切っていた。
いつもそこで飛び起きる。
柔らかいベット、暖かい毛布。いつもすぐ側には椅子に腰掛けた彼がいた。
ここは彼の寝室だった。
連れてこられて最初に泣き崩れたあと、ここに置いてくれたのだ。
3日も泣き続けると涙は枯れていた。
「……のど、かわいた。」
最後に病院で血を飲んでから、何も口にしていない。それに、涙と寝汗で私は今にも干からびそうだった。
「待ってろ。」
彼は寝室を出て、すぐお盆にミネラルウォーターのペットボトルとガラスのコップを乗せて戻ってきた。ジャケットは脱ぎ、シャツを腕まくりしてラフな格好。無造作に髭も生えていた。
「飲め。」
水の入ったコップを口元に近づける。力が入らなくて起き上がれない私を見て、ストローも指してあった。
なんというお気遣い。
彼がコップを握って、私は寝転んだまま、水を吸うだけ。
なんたるぶざま。
必死に水を飲む私を真剣に見つめる目とちらちら会う。
すごく、恥ずかしい。




