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第一話 艦砲射撃ヲ阻止セヨ


坊ノ岬海戦、

日本最後の水上作戦は、

東シナ海で暴風雨の中の一輪の花の如く、

儚く散った、


艦隊の防空を任されていた軽空母鞍馬も艦上機を吐き出し続けた、

それでも、たった41機の戦闘機は米空母の攻撃隊を止められなかった、

いや、止めれるはずがなかった、




時間は流れ、

三ヶ月ほどたつ、

7月14日、北海道で大空襲が行われた、

13隻の空母からのべ3,000機以上ものか艦上機を発進させ、

留萌市以南の北海道主要都市に無差別爆撃及び機銃掃射を行った、


函館沖を航行していた一隻の空母はその遠さ故に命拾いした、

これに対処すべくい一隻の僚艦をつれて大規模な港がある室蘭を目指した、


途中で第65号海防艦と第74号海防艦と合流、

空襲をギリギリ逃れた様で所々機銃掃射の後があった、

一応応急処置出来る範囲であったのが不幸中の幸いである、


「お、お二方大丈夫ですか?」

「大丈夫大丈夫、かすり傷程度だからさ、」

「うん、応急処置出来るからさ?大丈夫だよ、」

「ほら、大丈夫って言ってるんだから安心しなさいよ」

「うぅ、でも………」

「大丈夫だって、私達には伊吹ちゃんが居るからさ?」


そう、

先程からのこの会話は、

艦魂同士による会話であった、

上の会話から順に

「伊吹」「第65号海防艦」「第74号海防艦」、

そして、伊吹唯一の僚艦の「第46号哨戒艇」である、

第46号は石室崎沖にて米潜水艦より魚雷攻撃をうけて、

なんとかその魚雷を回避したのである、

回避と言うより、25ミリ機銃を海面に向けて掃射し、爆破させたのである、

これ以降、本来の輸送任務とかけ離れたこの北方の辺鄙な地で北海道と本州の青森を資材載せて行ったり来たりの輸送任務を遂行していた、

その際に伊吹も護衛で配備され僚艦の無かった二隻は即座に編成された、

最初はギクシャクしてたが、今ではなんの隔たりもなく仲が良くなっている、


「そーれーよーりーぃ、」

第65号が伊吹をチラリと見る


「艦上機はどの機種!?」

うわ、その顔めっちゃまぶしい………


「「「「作者は黙ってろ!!!」」」」

うん、


「か、艦上機は………」

伊吹が困った顔で第46号をみる、


「自分で話そうね~」

見事な笑顔返し、

若干引きつっていたのでこちらも困っていたのであろう、


「………期待しないで下さいよ?」

「「しないしない!」」


………めっちゃ期待してるやん、


「「五月蝿い黙れ!!!」」

はいはい、了解しました、


「九六艦爆20と九六艦攻21です………」

「「………」」

「そ、そんな目で見ないでください!」

「「いや、可哀想だなと………」」

「うぅ………」

「はい、そこまでにしましょう」

タイミング見計らってた第46号が止めに入る、


と、そこに、

『敵艦隊見ユ、戦艦三隻、巡洋艦二隻、駆逐艦八隻ヲ認』

「こんな北方に大艦隊!?」

「何しに来たの?北方にはなんにもねーよ?」

「あるとしたら製鉄所とかだよね」

「「「「………」」」」

「それだね!!!」

「どれ!?」

「製鉄所だよきっと!!!」

「あー、はいはい、なるほど」


こうしてる間にも伊吹の格納庫は次第に騒がしくなっていく、

攻撃隊の準備が始まったのだ、


「じゃ、私行くね?いつもどおり大丈夫だよね?」

「大丈夫だよ、今回は頼もしいお二方も居るしさ?」

「よかった、」

「いってらっしゃい」

「行ってきまぁ~す」


気楽な返事を残し伊吹が転移する、

残された名前が番号組は手馴れた第46号の支持に従う、


「さぁ、戦闘だよ?自艦に戻った戻った」

「了解しました~」

「アメ公め!やられたら、やり返す。倍返しだ!」

「残念ですね~、その倍返しは伊吹ちゃんだけがやります」

「「ゑ?」」

「だって、私達の速度では伊吹ちゃんに追いつけないんだもん、ここでじっとするしかないよ」


間もなく、

伊吹は増速を始めた、

29ノットの速度は臨時編成されたこの艦隊内では最高速である、


7月15日、

この日、北方の戦いは始まったのだ、


飛行甲板から複葉機が多数空に舞い上がっていく、

露天艦橋からその光景を伊吹は眺めた、


「鞍馬………複葉機で、どこまで行けるのかな?」


新型の戦闘機を搭載した鞍馬ですら撃沈されたのだ、

正直どこまで行けるのかな分からなかった、


たった41機の攻撃隊が、

空の彼方に霞んでいく、


「………帰ってきて」


その顔は先ほどに増して、

暗かった、









幸いにも

艦隊には空母は居らず、

攻撃隊は迎撃されずに済んだ、

しかし厄介なのが対空砲火である、

熾烈な対空火器の火線があっちこっちに飛び回る、

今にも当たりそうな勢いだ、

しかし、

どれもこれも一発も当たらない、

なぜなら、攻撃隊の機体が旧式過ぎて逆に最新の対空火器が当たらないのだ、


それでも多少の損害を出して攻撃隊は艦隊に突入した、

戦艦三隻を中破させ、軽巡二隻を大破、駆逐艦は一隻を撃沈し残りを大破させる戦果をたたき出した、

これが後の、


『タイプ96の奇跡』である、


帰ってきた攻撃隊の損傷は陸揚げして直せる程度のものだった為、

室蘭の飛行場に事前に連絡を入れて、

艦隊と合流、

海防艦の速度に合わせ14ノットで室蘭に向けて航行を再開したのだった、

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