逮捕
警察官「署長、今朝起きた現金輸送車襲撃事件の容疑者1名を包囲しました。単独犯のようで、今のところ、武器の所持は確認できていません。」
警察署長「よし、では最新鋭のアンドロイド第26小隊を投入して容疑者を確保する」
警察官「え、またアンドロイド小隊ですか?」
警察署長「まあ、そう言うな。前回の強盗事件で、アンドロイド小隊が犯人を確保した際、犯人に肘を3針縫う怪我をさせた件があっただろう。その件で人権擁護団体がピリピリしているから、汚名返上のために、次の出動時には広報がリアルタイム取材をさせろと言ってきてるんだ。幸い、今回は単独犯のようだし、ちょうど良い案件だろう。」
警察官「ああ、例の件ですね。あれがきっかけで、改正アンドロイド法が施行されたばかりですものね。では、早速広報に連絡をします。」
警察署長「うむ、よろしく頼む。その間、私は26小隊の指揮にあたる。」
警察官「署長、広報は録画用カメラを持って間もなく現場に到着するそうです。」
警察署長「うむ、ちょうど今、容疑者がアンドロイド小隊に囲まれ、走って逃走を始めた。」
警察官「では、我々もアンドロイド小隊に続いて、車で容疑者を追跡しましょう。」
警察署長「うむ、今回は失敗は許されんぞ。」
警察官「署長、and014号とand015号が追跡から離脱しました。」
警察署長「何故だ!」
警察官「道端で子供が転んで膝を擦りむいているのを発見したようです。改正アンドロイド法で、いつ何時も人命を最優先すべきという条項が追加されたからと思われます。」
警察署長「うむ、やむを得んな。」
警察官「署長!今度はand021号が追跡から離脱しました。」
警察署長「何故だ!」
警察官「街路樹の所で、犬の糞を発見し、その掃除をしているようです。改正アンドロイド法で、社会の秩序と公衆衛生を守らねばならないという条項が追加されたからだと思われます。」
警察署長「うーむ、やむ無しか。」
・・・30分経過・・・
警察署長「しかしあれだな。アンドロイド小隊は容疑者と団子状態で走っているだけで、一向に確保しようとしないな。まるでマラソンの先頭集団のようだぞ。」
警察官「それは、改正アンドロイド法で、アンドロイドは確保や拘束行為を禁じられたせいではないかと思われます。」
警察署長「なに!確保も拘束も出来ないのか!」
警察官「署長、and011号が追跡から離れ、バッテリーステーションに向かっています。自己充電機能が発動したと思われます。」
警察署長「そうか、バッテリーはあまり長持ちしないのだな。」
警察官「署長!and006号とand007号とand008号も、追跡を離れバッテリーステーション、あー!署長!and009号もand010号も、、、」
警察署長「もういい、見てみろ、容疑者一人だけが走ってる、しかもバテバテだ。我々で確保しよう。」
警察官「了解しました!署長!確保、確保しました。」
警察署長「よし、よくやった。ところでアンドロイド小隊、何しに来たんだ?」




