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ついに見つけた

俺は王宮の入り口の上にある部屋から続々と着飾った令嬢が馬車から降りてくるのを見ていた。


「殿下は舞踏会に乗り気ではなかったと思ったのですが、孤児院の令嬢をお探しなのですか?」


俺はレイと別れたあと、ニルスに命じてあの女性の事を調べさせたが誰も彼女の事を知らなかった。孤児院でも本名は伝えてなかったそうだ。


「時間的にあれが最後の馬車でしょうかね?」とニルスが言う。


馬車から3人の女性が出てきたが3人とも焦茶色の髪をしている。


まさか、舞踏会には来ないのか?未婚の適齢期の年齢の令嬢には全て招待状を送ったはずだが。


王太子との結婚に興味がないのか?


なんだか、思ったよりガッカリしている自分に驚く。俺は自惚れていたのか?


「すまないニルス、またせたな。広間へ向かおうか」


「え?令嬢が馬で??はは、なんで布巾なんか被っているんですかね」まだ窓から外を見ていたニルスが大笑いしている。


俺が慌てて窓から下を見ると、青いドレスに布巾を被った女性が、慌てて馬から降りて、先ほどの3人に囲まれている。そして慌てて布巾を頭から取ってポケットに布巾を詰め込んでいる姿が見えた。


美しい金髪の女性。


4人は受付で仮面を受け取っている。


青いドレス、金髪。。よし覚えた。


まさか馬に乗って登場するとは思わなかった。つい顔がニヤけてしまう。


「さあ、ニルス。俺の未来の花嫁に会いに行くか」


俺は舞踏会が行われる広間の裏にある王族の控え室に行く。


父上は俺を見て、困惑した顔をしている。


「その服で参加するのか?まるで一般貴族の子息のようだ。それに何故髪の毛の色を隠している。この国の王太子とわからないではないか?ニルスの方がよっぽど王太子に見える」


「だからこそですよ。父上の言う真実の愛を見つける為に、王太子としての私ではなく、私という個人を見てほしいのです」と言うと。


父上は偉く感動している。


「そうか、それは良い考えだな。ただし、花火が始まる時には戻ってきて挨拶をしてもらうぞ」


その頃には、レイが見つかっている頃だから大丈夫だろう。


「分かりました。それまではニルスが私の代わりを務めます」


ニルスは私の母方従兄弟なので、髪の毛の色と目の色が俺と同じで、体格も似ている。マスクをつけたら、一見ではわからないだろう」


「殿下。。本当に私に殿下の代わりが務まりますか?」と心配そうだ。


「大丈夫だ、さあ楽しい仮面舞踏会の始まりだ」


俺はニルスを父上と一緒に残し、ダンスフロアへ向かう。


父上は反対したが、この国の独身子息も多く招待した。男性は俺1人だったら、全ての女性が俺に集中すると言う恐ろしい事になる。1人で何十人の女性とダンスしたらそれだけで、夜が終わってしまう。


すでに広間ではダンスをしている男女が多くいるが、多くの令嬢は父上といるニルスを猛禽類が獲物を狙う目で見つめている。


ニルス。。すまんな頑張れ。


俺は青いドレスで金髪の女性を探した、しかし何処にもいない。


もう帰ってしまったのか?と慌てて入口の馬車寄せを見ようとバルコニーに出ると、そこに青白く光る靴を履いた青いドレスの金髪の女性が月を見ていた。


雲ひとつない空には満月が美しく光っている。


「素敵な靴ですね、まるで月の光を切り取ったようだ」と言うと、彼女がゆっくり振り向いた。


彼女の緑の目が俺をじっと見る。


「やっぱり、貴族の子息だったのね、エディ」


「そのドレスを着ていると、君もちゃんとした貴族令嬢に見えるな」と言うと、レイがニヤッと笑った。


「まあ、さっきは間に合わないかと思って馬で来ちゃったけどね。馬車止めの従者の顔を見せたかったわ」とクスクス笑っている。


「君はこういう、舞踏会には興味ないかと思ったから会えないと思っていた」とレイに近づき、仮面を外そうとするとその手を掴まれた。


「ダメよ、今日は偵察につもりで来たんだし、仮面舞踏会でマスクを外すのはルール違反よ、他の人に見られたらどうするの」と真剣な顔で言われる。


俺がここに入った時点で、護衛が入り口をガードしているので誰も入ってこれないはずだけどな。


「偵察って、レイはスパイなのか?」


「違うわよ、将来の結婚相手をちょっとね。釣書で見るより実際に見る方がよくわかるから」


は?結婚相手?誰と結婚する気だ!


「レイは結婚したいのか?王太子とか?」つい焦って、大きな声が出てしまった。


「わ、びっくりした。王太子殿下?私は王太子妃には興味はないわ。結婚はどうでも良いんだけど、まあ裕福でで私がやりたい事を支援してくれる人を探しているのよ。まあいわゆる、政略結婚ってのね」となんでもない顔で言う。


レイは俺が王太子とは知らないからしょうがないが、なんだかフラれた気分だ。


「やりたい事か。。」


「そう、今やっている事業がやっと波に乗り始めて、やれる所までやりたいの。でも私が結婚しないと、家族が色々言われいのが嫌なの」


「そうか、レイは家族思いだな。俺も家族に早く結婚して、子供を作れと言われているんだが。俺は子供を作る為に生まれてきたわけじゃないとつい反発してしまってね。親を心配させたい訳じゃないんだが、家柄とか容姿だけではなく、どうせなら家の為に何かを一緒にできる人を選びたいんだ」


「そうよね、残りの人生を一緒に過ごすんですものね。政略結婚でも価値観は同じであって欲しいし、これで容姿が良ければボーナスよね。まあ私はかなり歳上で妻としての役目を求めない人を探しているんだけど」とレイが笑いながら言う。


「エディ、あなたはカッコいいし、とても実直な性格だし、子供達にもすごく懐かれてたわ。きっと、そんなあなたを好きになってくれる素敵な人が見つかるわよ」


その言葉を聞いて、胸はズキンとした。

その素敵な人はレイではないのか?枯れたオヤジの方が俺より良いのか?


「俺は。。それならレイがいいな。俺の家はそれなりに裕福だし、レイがやりたい事は支援できるよ。たまに一緒に馬に乗ってレースが出来たら最高だ」


レイはキョトンとしていたが、冗談だと思ったのか笑い始めた。


「はは、馬でレースね、最高ねそれ」とまだ笑っている。


俺はレイの手を取って、手の甲に口づけをした。

「俺は真剣だよ。レイ。。。君の家名を教えてくれないか?明日にでも結婚の伺いに家に行くよ」


「え?ちょっとエディ」と慌てるレイが可愛い。


その時、花火が打ち上げられた。


もうそんな時間か?バルコニーの入り口には焦った顔のニルスがいる。


ちくしょう、今良いところなのに。


「レイ、すまない。王太子殿下のスピーチがあるので、広間に行かなくてはいけないようだ。終わったらまたここに戻って来てくれないか?まだ俺の話は終わっていないから。帰りはきちんと送って行くし」と早口で言う。


「え?ええ。私も家族を探さないといけないから一旦広間に戻るわ」とレイは去っていった。


控え室に戻り、俺はカツラを脱ぎ、服を着替える。


「殿下。。もう殿下の身代わりはごめんです。女性不審になりそうでした」とニルスが心底怯えた顔をしている。


「悪かったな。俺は彼女を見つけた。絶対に口説き落として、王太子妃になってもらう」


もう何回かフラれているのですが、それぐらいで諦めるエディではありません。

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