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前世の物語

激動の結婚式から1年後、この国には王子が生まれた。


ニコラウス・マーカス・グランヴィル


ミドルネームは亡くなったお父様の名前から取った。エディが提案してくれた時は思わず泣いてしまった。



「ニコ、おじいちゃんだよ」

「おばあちゃんもいるわよ」



「おい、ミレーネ母上がおばあちゃんなのはわかるが、ニルスはおじいちゃんじゃないだろう」


「レイチェル様の母上と結婚したのですから、私はニコラウス様の立派なおじいちゃんです。エドワード様は義息子ですよ」


「そっちの方がもっと嫌だな」


「そして我が息子、レオは1歳になったばかりですが、ニコラウス様の叔父になりました」


「なんか混乱して来たぞ」


エディとニルスさんがなんか騒いでるが、お母様はニコを抱っこして満面の笑みだ。

「自分の息子も可愛いけど、孫は別次元の可愛さね。お世話をしなくていい気楽さかしら?」


「今日はレオはどちらに?」


「ミラの所にいるわ。エスターももう臨月に近いし。あそこは双子っぽいから」


エスターお姉様もあの後すぐにアレクさんと結婚して、子供ができた。アレクさんの両親はアレクさんが結婚する気はないと思っていたので、仕事のできる嫁が来た上に孫までと大喜びらしい。


ミラお姉様とアンドリューは結婚はしたが、伯爵としての仕事が落ち着くまで子供は待つそうだ。2人ともバリバリに働いているので、いるになるかわからないけど。


「レイチェル様、マールのアダムさんからこちらが届きました」とメイドのアンが持って来てくれたのは、貝殻を薄く切って作った赤ちゃんのベットの上に飾るベットメリーだ。


「素敵!!アダムさんはいつもアイデアがいいわね」


マールに逃げたアダムさん一家は向こうで幸せに暮らし、アダムさんはもともと家具職人だったらしく、パール貝を使った家具や日用品のデザインを考える仕事をしている。


さっそくベビーベットの上につけると、ニコはじっと貝殻がシャラシャラ揺れるのを見ていたが、そのまま寝てしまった。


寝ているニコを見て、お母様は少し涙目になりながら、


「あなたのお父様にもニコを抱かせてあげたかったわね」と呟いた。


それを聞いたニルスさんはお母様をぎゅっと抱きしめて。


「あなたがずっと歳をとって、天国に行った時にレイチェル様とニコラウス様のお話をしてあげればいいじゃないですか。でも()()としてですからね。天国でも貴方は私の妻ですから」


お母様にはもう一人元夫がいるけど。。天国でもニルスさんは忙しそうだ。


エディとニルスさんは執務に戻り、お母様はレオを迎えにいくというので、私とアンはニコが寝ている間に頂いた出産祝いのプレゼントを整理する事にした。


「まあ、アレクさんからはパールを装飾したガラガラが」


「国王陛下夫妻からは王冠が宝石が凄くて怖くて触れません」


宝物殿とかに収めないとダメなのよねそれ。


豪華なプレゼントの中にタイトルのない薄目の本があった。


「どなたかが絵本をプレゼントしてくれたのかしら?」


「レイチェル様、そちらは私からです。自作なのですが」


「え?アンが絵本を書いてくれたの?」


「ニコラウス様の為ではないのですが、レイチェル様。信じられないかもしれませんが、私には前世の記憶があり、ある時、気がついてしまったんです。この世界はお話の世界だと」


「え!!アンもそうなの?」


「やはりレイチェル様もでしたか。そうかと思ってはいたんですが、確証がなかったのと、勿論全てが話と同じわけではなかったので、どういう未来になるか分からずにずっと言わずにいたんですが」


「私はお父様が亡くなった頃に気がついたの。そうね全てが一緒ではないけど、話の流れは一緒よね」


結句。王子様と結婚する事になったし、もちろん今は幸せだからいいんだけど。断罪されるはずだった家族も今幸せだし。


「レイチェル様がこの話を知っているとは思いませんでした。勿論それなりに知られているとは思っていたんですが、なんかちょっと嬉しいです」


「え?そうなの?結構有名だと思っていたんだけど。シンデレラの話よね」


「ええ、そうです。こちらに本を書く物が揃っているわけでなくて、ペンだけで描いたのでちょっと原作と違います。あと登場人物の名前は原作と違うので()()()()直しました」


「あらそれは楽しみね、ちょっと見てもいい?」


「え?ちょっと恥ずかしいですね。絵がだいぶ下手になっていたので」


「中身は後でじっくりと読むけど、挿絵だけ見させて」と本を開く


最初の挿絵はエディにそっくりな王子様の絵が描かれてた。


「うわ。アンは絵が上手ね。エディにそっくり」


「ええ、私もエドワード様を見てびっくりしました。それでこの世界がこの話の世界だって気がつきました」


そうなんだ。絵本の方の挿絵は覚えてないけど、主人公も私に似ているのかしら。


本は寝室に持って行ってもらい。後はニコが起きるまで他のプレゼントの整理をした。


そのうちニコが起きて、エディが仕事を終わらせて帰って来て、ニコをまた寝かしつけし終わった時はもうエディは先に支度を済ませて寝室に行っていた。


エディはベットに座って、アンから貰った本を手に取って見ていた。


「おかえりレイ、この俺の絵姿が描いてある本はなんだ?シンデレラって聞いたことがない話だな」


「アンの故郷で有名な話で、挿絵が貴方にそっくりだったので、自分で書き直してプレゼントしてくれたの。話も私達が今までして来た事に似てるのよ」


「そうか初めの数ページを読んでみたが、確かにレイもそっくりだな。アンはすごい画家だな、こんなに絵が描けるなんて」


エディが私に読んでいたページを見せてくれた、そこにはお母様、お父様のお墓の前で私が泣いている絵が描かれていた。


エディはパラパラと本をめくって挿絵を探しているようだ。


「お、これは俺とレイが会った馬のレースの時だな」


え?そんな話も?


あ、わかった。この本はシンデレラを元にした2次創作小説なんだ。だから私が知っていた事にびっくりしていたのね。


エディは挿絵だけ先に見たいみたいで次の絵を探してる。


私が王宮から馬で逃げる所

2人でバルコニーで抱き合う所


あ、この本ってジャンルは何なのかしら?

まさかお色気シーンとかないわよね。


「エディ、ちょっと待って。もしかしたらこの本は子供用じゃないかも」


「うわ!!なんだこれ、え??これがアンの故郷で有名な話なのか」


「あ、これは原作だから現実は違うとは言ってたわよ。名前も違ったから、私達の名前に直したとは言ってたけど」


「だからって。。閨の事など。。。しかも」


え。。何、アンったらR18のヤバいやつとかじゃないでしょうね。不敬罪で捕まるわよ。


エディが凝視している絵は肌色が多めなシーンだった。


。。。あれ?


「レイ、なんでお前はこの本の中で()なんだ?」


え!!!!


私は裏表紙のタイトルをよく見る。


「シンデレラ(男)」


括弧内!!


これもしかして。。。挿絵をめくると、エスターお姉様も、ミラお姉様も、なんならお母様も髪は長いが全て男性だった。


だから私が馬のレースに出たり、ドレスで馬に乗ったりしちゃうわけ?


アンの本って。。。。


「原作がBL本だったなんて聞いてない!!!!」



本のタイトルをどうするかで物凄く悩んだのですが。。ひねりなしです。

今回もお読みくださり、ありがとうございました。

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