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明宵  作者: 水嶋


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9/24

星夜の夏の約束

それから程なくして夏休みとなった


「じゃあ、○○時に□□駅の改札前で待ち合わせで…」


「うん、終わった後…」


「うん、大丈夫。ライブ中は父さんホテルに泊まるから家には母さんしか居ないし」


「そっか、悪いな」


8月の初めに大地が俺の家に遊びに来ていた


今週末にエルのライブツアーの公演が有り、俺は招待されていたので一緒に行く大地と打ち合わせをしていた


「どんな格好して行けば良いのかしら…」


一応保護者として麻由もついて行く事になった


勿論それを黙ってない人物がいた訳で…




『僕も行きたい!!』


『インが一緒に行って万が一騒動起こしたら出禁どころじゃ済まないから!折角出来た数少ないセイヤの友達との友情までぶっ壊れるでしょ!』


『そうだそうだ。この先友達作れず1人孤独に高校まで過ごす事になりかねん』


まあ正直それでも良かったんだけど…


とは言わずに韻が来ると多分勝手にチョロチョロして立ち入り禁止の所とか平気で行きそうで目が離せなくなるからとりあえず麻由に加勢した


『むう!』


『ちゃんとお土産買ってくるから…』


『お土産はいらないもん!』


『じゃあ次の日は一日中好きにしていいから…』


『わあ!やったあ!』


『やれやれ…この性欲お化けは幾つになったら落ち着くのかしら…』


『じゃあ俺その日はダイチの所泊まらせて貰うように頼むから。ライブ終わったらそのままダイチの所行く』


『えー!3人で遊ぼうよ!』


『やだ!』


『やだ!』



と駄々をこねた韻を麻由が長年培ったスキルであっさり打ち負かした



「皆おしゃれしてくるのかしら…」


「動きやすい格好で良いと思いますよ」


「間違っても公演の時着てる様なドレスとか着ないでよ!」


「えー、私の勝負服なのに…」


「まず曲のイメージに合ってないから」


「そうかなあ?何か切ない曲とかはベートーヴェンのピアノソナタ 第8番「悲愴」やショパンの夜想曲第20番 嬰ハ短調「遺作」に通ずる物が…」


「まあ行き着く先はクラッシック曲になるんだろうけどね。カノン進行は今だにヒット曲の法則だしね」


「それ父さんの相方の八性さんも言ってたなあ」


「まあ、普通に買い物とか行く時みたいなちょっと小綺麗な格好で良いんじゃない?多分」


「そうなんだ…分かったわ」


「でも、マユさんもAラッシュ聞いてくれてるんですね!」


「正直流行りの曲は殆ど知らないんだけど…観劇に行くと決まってからは寝る間を惜しんで聞きまくって詰め込み勉強したわよ!試験を思い出して夢でうなされたわ…」


「多分劇は行われないと思うよ。オペラやミュージカルじゃ無いんだから…てかうなされるって…息子を前にしてそれは失言だろ…」


「あはは、じゃあマユさんはセイヤみたいに耳コピで弾けるんですか!?」


「うーん、多分弾けると思うわ。まだ弾いたこと無いけど…」


「うわあ!凄い!聞いてみたいです!」


「まあ試してみるわ。タダで観劇させて貰うしね…」


「だから歌って踊るボリウッド劇は無いと思うって…」



麻由はピアノの前に座り深呼吸をした


「じゃあ、Aラッシュfeat.マユ!開幕!」


「何勝手にコラボ設定してんの…」


そう言って演奏を始めた





「うわぁ!スゲエ!メドレーだった!しかもアルバム順の!」


「ふう…満足して頂けたかしら」


「なんかライブ終わりのミュージシャンみたいな達成感に浸ってるな…」


麻由は弾き終わった後、天を仰いで目を瞑っていた


「流石セイヤの母親だなあ!アレンジの仕方も似てる!」


「セイヤはまだまだよ。コンクールにも出ないって意地張ってるしイマイチやる気に欠けてるわ。勝負の世界はそんな甘くは無いのよ」


「俺ピアニストにはならないから」


「そうなの?あんなに上手いのに勿体無い…」


「この子反抗期なのよ。生まれた時から」


「あはは!やっぱりそうなんだ!」


「んな訳有るか」



そんなやり取りをして、ライブ当日となった





○○○○○○○○○




「待たせたか?ゴメンな」


「ううん。少し前に来ただけだから。マユが張り切ってて」


「ダイチくん、今日は宜しくね!」


「マユさん、何か今日は雰囲気違うね!」


「ちょっとイメチェンよ」


「何か朝から気合い入れてた…」


麻由は普段しない巻き髪をしてメイクもバッチリしていた


それでなくても派手な顔が二割増位になっていた


「何かセイヤのお母さんってよりお姉さんみたい!」


「あら!今から年増の女にそんな口の上手いお世辞を言ってる様じゃこの先ヒモかホストにでもならないか心配だわ」


「なるか!ダイチは真面目なんだぞ」


「あはは、お世辞のつもりじゃ無かったんだけど…じゃあ行こっか」


「うん」


「よっ…宜しくお願いします」


「マユ、手と足が同時になってる」


「べっ!別に緊張なんてしてないんだからねっ!これでも舞台の場数は踏んでるんだからっ!」


「まあテレビとかで見る芸能人を初めて生で見るからなあ。緊張するわな」


「人の多さにちょっと慄いてるだけよっ!」


「はいはい」


「じゃあ、コッチからね」



そう言って大地について行って別の入場口から会場に入った



「こんな前の席なんだ…」


関係者席は前方の端にあった


YouTubeなんかでライブ映像を見たが実物は肉眼で見るのは難しくスクリーンで写されてる映像を見る物だと思っていたがこれはハッキリ見えるな…と思った


関係者席には主にスーツを着た多分偉いおじさんとかが多かった


後は多分芸能人…だと思うが俺も麻由も詳しくないので誰が誰なのか良く分からなかった


そして辺りが暗くなり、音楽や映像が流れ始めてライブがスタートした




「何か!凄かった!」


終わった後麻由が興奮していた


「うん、そうだね。エルって音源とライブであんまり変わらないんだね」


「そうだなあ」


「やっぱり歌上手いんだなあって改めて思った」


「そっか!ありがとう。多分それ聞いたら父さん喜ぶぞ」


「こんな子供の一意見に一喜一憂はしないだろ」


「いやいや、子供の意見は忖度ない正直な意見だからな」


そんなやり取りをしていたらおじさんが声をかけて来た


「ダイチくん、お久しぶり」


「あっ!お久しぶりです」


「こちらは?」


「俺の友達で八神星夜って言います」


「どうも、八神星夜です」


「此方はお姉さん?」


「いえ、母の麻由です」


「へー!お若くて綺麗な人だね!」


「そっそんなっ…」


麻由が何を血迷ったか恥ずかしそうにもじもじしていた


騙されるな。それは大人の社交辞令だ


「申し遅れました、私はプロデューサーをしている北野多聞と言います」


そう言って北野は麻由に名刺を渡した


「あっ、私も…」


そう言って麻由も作ってあった名刺を渡していた


「セイヤくんは…ダイチくんと同い年?」


「はい、今は同じ小学校に通っていてクラスメイトです」


「そうなんだね…やっぱりあの学校に通ってるだけあってしっかりしてるね」


「恐れ入ります」


「セイヤは凄いんですよ!ピアノだって上手いし…」


こら、それを言うな…とも思ったが、まあ学校には関係ないし多分ライブ終わりで興奮してダイチも舞い上がってるんだろうと大目に見てあげた


「へえ!そうなんだね!またゆっくりお話ししたいな」


「そうですか…まあ機会が有りましたら是非」


俺も見習って大人の社交辞令で返した


「ははは、それじゃあ失礼するね」


そう言って北野は立ち去った


「あの人、父さんがドラマ出た時のプロデューサーさん」


「そうなんだ」


「俺が撮影の見学に行った時に声かけられて…」


「へえ」


「良かったら少し出てみないかって。俺目立ちたくなかったし学校にバレたく無かったから断ったんだ」


「まあそうだよな。親子共演とかで大ニュースになるだろうし」


「そうなんだよな」


「まあ芸能界の食い物にされずに賢明な判断だったな」


「まあな」


「ダイチは芸能人になりたいとか有るの?」


「それはまだ良く分からないなあ…2世だからって成功する様な甘い世界じゃ無いだろ」


「まあそうだよなあ」


「とりあえず、そろそろ帰るか。この後家に来るんだろう?」


「そうだな。悪いな」


「いやいや、別に構わないよセイヤなら」


「ゴメンね、ダイチくん!私ちょっとお土産!」


そう言って麻由はグッズ売り場に走って行った


「多分今回1番楽しんだのはマユだな…お土産って自分用だろ。インはいらないって言ってたし」


「あはは、そうなんだ、良かった!セイヤは?」


「俺はお土産までは良いや。ちゃんと聞いたし楽しんだから」


「そっか、まあ疲れただろ?この後俺の家でゆっくりしてけよ」


「うん、そうさせて貰う」


暫く麻由を待って大地と話していた


「ゴメンゴメン!お待たせ!凄い混んでて…」


麻由はパンフレットやTシャツやタオルなど色々ツアーグッズを沢山買っていた


エルの無料招待はちゃんと元は回収出来た様で安心した




その後麻由と別れて一緒に大地の家に向かった


ライブには麻由も同伴しましたが、麻由の方が楽しんだ様ですね


そして新たな出会いが有りましたがこの後どうなる事やら…


とりあえずは大地の家でお泊まり会ですかね


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