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明宵  作者: 水嶋
逢魔時

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春のカラス

「へえ…テルヒちゃんは2人の夢とサラって子の事も救ってあげられたんだね」


「まあ…サラに関しては自分の力で切り拓いて行ってると思うけど…」


「でもやっぱり立ち直るキッカケにテルヒちゃんは貢献してると思うよ?その歌のレッスンを始めるのもテルヒちゃんに促されて事務所に謝罪に行ったから紹介してくれる人に出会えた訳だろう?」


「まあ…たまたま…でもやっぱりただ出会うだけじゃ無くて…手を差し伸べて貰えたのはやっぱりサラが自分でチャンスを引き寄せて掴んだんだと思います」


「後は…自分から勉強を始めようと思うキッカケになる人を引き合わせてあげたり?」


「あー…それもたまたま…シズカの叔父さんが…都合が良かったってだけで…」


「まあその子もテルヒちゃんに出会わなければ全く違う人生…一生部屋に引きこもってたのかも知れないね」


「まあ…そうなってた可能性は有りますね…自暴自棄になってたからもしかしたらもっとひどい事をしてたかも知れません…」


「やっぱりテルヒちゃんは八神の浄化された遺伝子の…八神の子…その中でも特に…人を惹きつけて導く力が強い子なんだろうね」


「はあ…そうですか…」



最近周りで起こっていた事を田所に報告していた


もうすぐ初夏だと言うのに相変わらず全身真っ黒で更に日差しの強かった今日はサングラスまでかけていた


田所とはあれからたまにこうして会って話をしていた

八神家に興味がある様なので色々聞きたいらしい


何をどうこうする等と介入してくる訳でもなく、ただ読者の様に話を聞きたい様だった


星夜や静風に椎那の事を話した時は若干引いてる様な反応だったが、田所はただ楽しそうに聞いていた

やはり色々人を嵌めたり手にかけたりしてるだけあってこの手の話には動じない様だ


だからか此方も相手の反応を気にしたりと言った事などを気にせず気楽に話せると言う感じも有った


代わりに田所からも色々過去の話を少しずつ聞かせて貰っていた


田所の子供の頃の家庭環境やマコトとの経緯や、マコトを嵌めた元患者だった麻里奈と言う女についてや、その麻里奈の過去の家庭環境など…

確かにマコトが言っていた様に麻里奈はサラであり椎那である様に思えた


そしてお母さんがどうやってマコトと子供…私を作ったのかも予想を含め教えてもらった


「じゃあ…今回は楽しませて貰ったからちゃんとお礼はしないとね」


「有難うございます」


「はい、頼まれてたモノだよ」


そう言って鞄から紙袋を取り出し渡された


中を開いてみると1本の病院等で見る様な小さなアンプルが入っていた


「まあこの量だと1回分かな?オススメはお茶や水なんかの味の違いがバレる様なものでなくて、味が分かりにくくなる苦味とか風味とか強い…コーヒーとかかな?アンちゃんもそうしたみたいだよ?」


「そうですか…分かりました」


「まあ…誰に…何の為に使うかは…自由にしてくれて良いよ?出来れば効果を教えてくれると嬉しいけどね」


「まあ…今回はどんな風になるか実験…と言うか確かめてみるのが目的なんで…あまり楽しい話は期待出来ないと思いますが」


「実験ね…まあ大体それで誰に使うかは想像出来るけどね…」


「そうですか」



「所で…星夜くんは元気にしてる?」


「まあ…相変わらず…ですかね」


まるで予想したかの様に星夜の話題を出してきた


「そう。芸能活動も?」


「まあ…嫌々みたいですが。それも中学までと約束してるみたいなんで終わりが見えたからか最近やっと少し頑張って…と言うか前ほどゴネずに大人しく言う事聞いてるみたいですよ?」


「ははは、そうなんだね。なんだかテルヒちゃんが親みたいな言い方だね」


「まあ…セイヤは頭も口も回る癖に子供じみた所もあるしあんなんだから…マユさんも手を焼いてるみたいですよ?」


「へえ…まあテルヒちゃんには櫂くん同様気を許して甘えてるのかも知れないね?」


「そうかも知れませんね。でもセイヤは基本面倒がって他人と極力関わらない様にしてるしカイと違って他の人に良い子に見せる様な事はしないですが」


「成る程ね」


「だから…余計に…私にだけは取り繕わないで…素直になって欲しいなって思ってますよ?」


「へえ?」


「セイヤは…八神家から認められて無い事に…どうにもならない事と諦めてるんだろうから…気にしてない様に見せてるんだろうけど根底では…多分私やカイに対して思う所はあるだろうから」


「まあ…そうかも知れないね」


「だからセイヤには…選ばれた側の人間…私を支配させてあげるのがセイヤの願いを叶えてあげられる事なのかなって」


「でもそれだと…一方通行だね?」


「いいえ。私もセイヤの事を支配してるんで…DS関係なんですよ?」


「ははは、成る程ね」


そう、星夜とは好きとか愛してるとか付き合うとかそんな綺麗で軽い関係じゃ無い


もっと意地汚くて貪欲な…

お互い自分のモノ…所有物だと主張する様な…

支配し支配される様な…


そんな関係だろう


この先お互い好きな人が出来て誰かと付き合う事になろうともそれは変わらない…


そうなるだろうと予感していた




「櫂くんとは今はどうなってるの?」


「まあ…一応定期的には会ってますが…相変わらずですね」


「そうなんだね」


「でも夏休みや春休みはおばあちゃんの家に長期で行ってるから…その間はお休みですね」


「へえ…そう言えば八神家の事について調べてるんだっけ?」


「はい、でもまあ…まだ家の片付けで終わってるみたいです。大分片付いて来たみたいですが…今年の春休みにも行ってましたし、夏休みも行くみたいです」


「そうなんだね」


「片付けだけじゃなくて…カイも勉強もあるし…今年は医師免許の勉強も有るからって…向こうで勉強もしてるから思う様に片付けも終わらないみたいですね」


「そうなんだね。確か八神家は歴史ある家柄みたいだね?」


「そうみたいですね。家もかなり大きいし部屋数も多いし今はおばあちゃんだけしか居ないし…なんでも江戸時代からの物もあるみたいですよ?」


「へえ…僕は歴史や骨董品等には興味が無いけど…好きな人には堪らない様なお宝が眠ってるんだろうね」


「まあ…価値のある物は資料館や博物館などに寄贈してるみたいで。そう言う選別もあるから余計時間がかかってるみたいですよ」


「成る程ね。やっぱり八神家の人間はそう言う物にも執着や手放す事に惜しい等は思わないみたいだね」


「まあ、そうですね。一応親族には許可を貰う様に話をしたらしいですが、手放す事に誰も反対はしなかったみたいですね。物を捨てられないおばあちゃんに代わり処分してくれるカイの事をタダで働いてくれる便利屋みたいに思ってるみたいですよ?」


「ははは。八神家の人間はやっぱり面白いね」


「そうですかね?」


まあ私もそう思ってる人間の1人なので何が面白いのかは分からなかった


「じゃあまだ八神家の謎については手付かずって感じかな?」


「まあ…そうですね」


「何か分かって来たらまた教えて欲しいな」


「それは構いませんが…」


「ちゃんとテルヒちゃんの頼みもある時には聞いてあげるよ?」


「はい、有難うございます」


ここはしっかり約束させないと

タダで田所を楽しませる気は無い


お母さん同様に田所とは利用し利用される関係にしておきたかった


他にもまだ色々…お母さんの事なども知りたかったのも有る



「テルヒちゃんの理想の世界を叶える為に力が必要な時には微力ながら力を貸すからね」


「宜しくお願いします。それじゃあそろそろ…」


「テルヒちゃんと話せて楽しかったよ。また…ね」


そう言って田所と別れた




理想の世界…


星夜や櫂の理想の世界はなんだろう…


そして私の理想の世界は…


まだハッキリとこうだと言うものは見えずぼんやりと…





まだ霞んでいるこの先のビジョンの様に私の頭の中もまだ霞んでいた


田所再び…


あれから照陽とはたまに会ってた様です


照陽はどうやら星夜の内情を考えて敢えて挑発してたみたいです

やはり星夜より上手かもですね


そして例のブツを入手してますが…

照陽の好奇心も大概ですな


まあ使ってみる相手はやっぱりあの人…ですかね?

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