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明宵  作者: 水嶋
逢魔時

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85/90

踊る新学期

漸く中学3年生となります


ここまで長かった…


しかしまだまだ続きます


「で、その後シイナはどうなった?」


「一命は取り留めたみたい。意識も戻らなくて今は仲良くマナと病院で寝てるみたいだよ?」


4月の新学期が始まる直前の春休み、最初の週の金曜日にいつもの約束の為に照陽の元を訪れて椎那の経緯を聞いていた


「成る程な…まあ芸能界に片足突っ込んでただけはあって運だけはあるのかもな」


「まあ…運が良いのか悪いのか…分からないね。もしかしたらあのまま現実世界から消えてしまっていた方が幸せだったかも知れないね」


「まあ…そうかも知れんな」


確かに例え目が覚めたとしてもエグい現実世界が待ち構えているだろう


「でも…2人の夢が叶って良かった!」


「えっ…どの辺が?」


寧ろ夢を握り潰し再起不能になるまで叩き落としトドメにボキボキにへし折った様にしか思えないんだが…


「だって…あれだけの人に…世界中の人に顔も名前も知れ渡って!可愛い姿を見てもらえて話題になって騒がれてニュースにもなって…芸能人に興味の無い人にも認知されて…凄いよね!本当に手の届かない有名人になっちゃったね!」


「まあ…なあ…」


確かに十分過ぎるほど有名人にはなった

結局名前や通っていた学校やモザイクをかけられていた顔も過去の卒アルやらモデルとして出てた雑誌やら晒されてて暴露されていた


しかし動画等は照陽と分かる音声や映り込んでいるであろう部分はちゃんと編集してカットしてそれぞれに送ってあった様なので、やはり照陽は抜け目ないなと感心していた


その動画や画像は照陽が掲示板等にアップしたので無く、あの2人に自分からそれぞれアップする様に仕向けた

その手腕だけでも恐ろしい…


「マナにね、裏掲示板で騒ぎになった時にね」


「あー…車に飛び込んだって奴の前?」


「うん。最後にね、マナからラインが来てね、もう消えて無くなりたいって」


「まあ…有る意味ダイイングメッセージか遺書みたいなもんか…」


「だったらね、全部消しちゃおうねってアドバイスしてあげたの」


「全部…消す?」


「そう。携帯の中身をね。嫌な事が詰まってるでしょ?色々」


「それって…」


「だからね、残されたスマホには何のデータも無かったんだって!まああれだけの事があったから思い詰めて自殺の衝動に走ったってなったみたいだよ?やっぱりマナはちゃんと言う事を聞く良い子だね!」


「同じ事…シイナにもさせたんだよな?」


「うん!やっぱり嫌な事は綺麗に消して真っ白にしないとね!だから私もシイナやマナとのやり取りや画像やアドレスは全部消したよ!」


「成る程…」


ちゃんと照陽と過去にやり取りしていた証拠隠滅はきちんとしていた様だ

さすが抜け目ない…


警察も自殺する動機は十分過ぎるほど揃っているので、まさか裏で糸を引く人間がいたとも思わず初期化したスマホのデータを復元させる事まではしないだろう


まず初期化させてしまうと復元させるのも相当困難だ

そこまでするにはそれ相応の疑いなり証拠なり理由もなければやらないだろう


「でも…その橋の上で…誰かに見られたりとか街頭カメラ的な物とか無かった訳?」


その辺りから照陽の存在が暴かれたりしないのだろうか?


突き落としたりした訳では無いだろうが、椎那が飛び降りる場にいたなら警察が事情聴取などしそうだが…


「うん!ちゃんとカメラとか無いのは椎那達の家に行ってた時に事前に確認してたし!周りに誰も居なかったね。まああの辺は郊外でまだ自然も沢山残ってるような所だから…人も少ないんだろうね!」


「成る程…」


やっぱりその辺りまでキチンと抜け目ない…

ちゃんと事前に下調べしてたんだな…


そして何も悪びれもせず屈託の無い笑顔でそう言った照陽にある種狂気じみたものを感じて慄いていた


と同時に背筋がゾクゾクするような興奮も覚えていた


この結末に導いたシナリオライターは照陽だ


緻密に時に大胆に時に本人もキーマンとして共演者となり出演者達を操りキャストの思考すらもあたかも自発的に行動していると錯覚させる様に思うままに誘導し動かした


サラのされて来た事をそのままなぞり、同じ様に事を運び、同じ日に同じ結末…いやそれ以上の…完璧に完膚なきまで絶望に叩きのめした終わりだっただろう


それはサラの復讐代行や反省を促せて改心させるなどと言う様な薄っぺらい正義感とかでなく単に同じ事を相手にやってみるとどうなるかと言う実験じみた興味本位のみだ


それを悪意も善意も無く無自覚にやってのけていた

しかもあたかも夢を叶えてあげたと魔法使いか神様にでもなったかの様に

はたまた死神か悪魔か…


いや、果たして無自覚なのか計算づくなのかすらも俺にはもう分からなくなっていた


俺はただの一読者…観劇者として結末までの物語を…舞台を見終わった余韻に浸っていた

照陽脚本監督の台本・演出にまんまと翻弄され踊らされ魅了された様に


これじゃ俺はまるで田所みたいだな…



「今2人は病院のベッドでどんな夢を見てるのかなあ?」


「さあな。綺麗な最新のハイブランドに身を包まれて撮影されて…男女問わずキャーキャー騒がれて…羨望の眼差しでチヤホヤされてるんじゃねえか?夢の中で」


「そっか!正に2人の理想の世界だね!」


「えっ?…」


「セイヤの理想の世界は…どんなだろうね?」


「どこで…」


その言葉を聞いた?誰から知った?




その疑問を問う前に照陽に舌を入れられて口を塞がれていた





○○○○○○○○○○





そして新学期が始まり始業式も終えた


「セイヤ!宜しくね!」


「まあ適当に程よく宜しく…」


今年度は静風と同じクラスになり、始業式の帰りに体育館を出て歩いていると声をかけられた


「あはは!それ小6の時のまんまの返し!」


「ふむ…そうだったか?」


静風は俺や大地と同じ程度の学年順位だが意外に記憶力は良いらしい


俺もそれ程悪い方では無いが興味の無い事は比較的すぐに忘れる



遠くに別のクラスになった大地が歩いていて、後ろから照陽に話しかけられているのが見えた


大地と照陽は同じクラスになった様だ


この組み合わせは小6の時以来か…

確かに静風の言う通りだなと思いながら教室に向かった


HRも終わりまだ授業も始まって無いので昼前には下校となった


「シズカと同じクラスで嬉しい?」


教室を出て廊下を歩いていると後ろから声をかけられた


「お前もダイチと同じクラスで良かったな」


「セイヤはシズカ以外の女子とはマトモに話してる所見ないからなんか貴重だったね」


「お前は誰とでも話すからな。見境ないな」


「まあね。私はセイヤみたいに陰キャじゃないしね」


「そりゃどーも。他はともかくダイチとあんまり仲良くしてるとまた女子から嫉妬されるぞ?」


「ご忠告どーも。そうなったらまたその子と仲良くなるから大丈夫」


「まあ…しかしシズカはどう思うんだろうな?お前とダイチが仲良くしてる所見て」


「やっぱりシズカは特別?」


「さあ?まあ頼まれたら練習位は付き合ってやるかもな?」


「へえ…じゃあ予習しとく?」


「そうだな…お前には数には負けてるからな」


そう言ってまたあの階段下に連れ込まれ舌を絡めていた




あれから何かしら付け入る理由を見つけると…


お互い因縁をふっかけるゲームの様な事をしていた


多分キッカケは何でも良いんだろう



「もうシズカにキスを教えてあげた?」


「お前はダイチに筆下ろしさせてやったか?」


「試してみる?」


「そうだな…俺は挿れたら分かるからな…」



ただ学校というタブーな場所でヤるスリルを味わうだけの…


ただお互い発情期に持て余してる性欲を満たすだけの…


ただ自分のモノだと誇示し確かめるだけの…


月に一度だけでは治らない衝動に突き動かされてるだけの…


俺はまた照陽に踊らされ翻弄されているのかも知れない


そして照陽も敢えて俺に踊らされ翻弄され、その事を楽しんでいる様な…そんな風に感じていた





そんな馬鹿げた下らない理由で行為を重ねていた


今回は前話の補足的な話かもです

改めて照陽のヤバさが分かる内容となってしまいましたが、星夜は心酔して来てる様ですね…


やっぱ星夜は田所に似てるんですかね?


そしてそう考えてる所に田所を匂わせる照陽も中々です


そして今年度のクラスは小6の時の組み合わせですが、その頃とはそれぞれ事情が異なって来てる様ですね


果たして4人の関係性はどうなる事やら…


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