噂の人
「あー…」
「うー…」
「んー…」
今年のゴールデンウィークも恒例の勉強会を4人で集まって私の家で開催していた
年々出される量も増えて行き内容も難しくなっていた
私は勉強は苦に感じないので特に問題無かった
静風と大地は難航しているようで先程から唸り声を出しながら頑張っていた
星夜も成績は2人と然程変わらない筈だがそつなくこなしていた
やはりテストではわざと手を抜いている疑惑が私の中で浮上していた
「はい、お疲れ様でした」
静風と大地にはお揃いのグラスにピンク色のジュースを星夜にはコーヒーにミルクを入れた物を出していた
以前このジュースを出した時に静風が美味しかったと言っていたので、家に集まる時にお母さんに頼んで用意して貰っていた
「わあ!今年もコレだあ!」
「うん、シズカが美味しいって言ってたから頼んで用意して貰ったよ」
「これ何味何だろう?いろんな味がするんだよね。コンビニやスーパーとかで探してみてるんだけど同じの見つからない…」
「何か知り合いから貰ったらしいよ?調べたらあんまり売って無いみたい。成城岩井とかで売ってるんだってさ」
「わあ…それはコンビニでは見つからないわ…やっぱテルヒの家はお付き合いしてる相手もセレブだなあ…」
「そうかな?まあお母さんも物欲やお金には興味無いから高級品とは縁遠いと思うけど…」
「でも…やっぱり大学とかも有名私立とか行くんだろうなあ…成績もトップだしね」
「どうだろう?両親は私が行きたい所に行けば良いって言ってくれてるけど」
「テルヒはお母さんみたいに医学部に行ったりしないの?」
「お母さんは医学部は余りお薦めしないって言ってるなあ…医者を目指すと30歳位まで勉強に追われるからって」
そう、私が八神家の使命の為に子供を出産するとなると医者を目指すと妊娠適齢期を逃すか休学する事になるので反対までは行かずともお薦めはされなかった
「皆は大学とかどうするの?」
静風が大地と星夜に聞いていた
「俺は…まだ具体的には決めて無いなあ…正直まだ先の話だし…多分俺のレベルで行ける所にってなりそうだなあ」
「ダイチと同じく。まあ医学部と音大以外で」
星夜がやる気の無い返事を簡潔にしていた
「シズカは決めてるの?」
「うーん…まあ何となく…」
「へえ!そうなんだ!」
「多分…お父さんみたいな…看護師や医療関係の資格が取れる所…かなあ」
「そっか」
「お父さんやお母さんの事見てると…やっぱり尊敬出来るし」
「あっ!そう言えばシズカの叔父さんも医療関係だったね!」
「そうだね…まあシンジは医療って言って良いのか疑問だけど…一応医学部で大学院まで行ったね」
「シズカの叔父さんはインくんと同じ職場なんだよ!セイヤ知ってる?」
「ん?俺?何が?」
星夜は興味無かったのか多分聞いてなかった様だ
「インくんと同僚で友達って言ってたよ?確か…都築眞司…さん?」
「シンジ…シンジ…あー…」
「会ったことある?」
「会ったことはないが…まあアレだな。仲良いな…色々…」
「そうなんだ!色々?」
「まあ良すぎるとも言うか…家の家計の足しになってマユの趣向を満たすと言うか…」
「意味がわかんない…」
「へえ、世間は狭いな。テルヒはそのシズカの叔父さんに会ったの?」
大地が興味深そうに聞いて来た
「うん、前にね、シズカの家に行った時に。私の顔見てインが女の格好してるって驚いてた」
「まあなあ…あのインがあっちにもこっちにも居たらホラーだろ…」
「でも本当テルヒとシズカは仲良いんだな。よく遊んでるの?」
「この日は…シズカに渡すものがあったからね」
「セイヤのサインね。何か不気味だったけど」
「サイン?不気味?」
「私がね、結月のサインが欲しいってテルヒに頼んでたんだけどね…」
「書いてやっただろ。立派な奴を」
「まあ…立派って言うか…」
「どんなサインだったんだ?」
「半紙に八神星夜ってデカデカとね…力強い筆使いの達筆で」
「あはは、結月じゃないんだ」
「しかも名前の間に☆が入ってて…何かの呪いとかなの?」
「それはテルヒに言われて書いたに過ぎん。てか結月って指定されなかったぞ」
「まあ今はお札としてシズカの部屋をお祓いして邪気から守ってるから!」
「あはは、お札!」
「まあ飾られてるなら無駄にはならなかった様だな」
「なんか…女の子の部屋に飾るにはちょっと変な感じもするなあ…」
「うん!アイドルのポスターを上から貼って見えない様にしてるから大丈夫だよ!」
「…」
「あはは!」
「テルヒ!それは言っちゃダメ!」
「もう絶対二度とサインなんて書かん」
大地は笑い転げ静風は慌てふためいて星夜は臍を曲げてしまった
また恒例の偽の親戚集会を理由に2人を先に帰して星夜は時間をずらして帰るために居残っていた
「セイヤは今年のゴールデンウィークはどうなの?」
「まあ俺はまた下らない撮影が入ってるな」
「へえ!凄いね!」
「凄くも何とも無い。お陰で宿題を早く片付けないとならないし良い事など何も無い」
「そう言えばこの間マユさんに動画見せて貰ったよ!ファッションショー!凄いね!まるで別人だった」
「あー…アレな。あれも半ば騙し討ちに遭って駆り出されたな」
「隣に歩いてた女の子…何か凄い細かったね?大丈夫かなあ?病気とかなのかな?」
「まあ…引くほど無駄に元気だったがアレも一種の病気だろうな。踏み台昇降桜漬け大根症候群…」
「何それ?早口言葉?」
「まあ何かを画策して何かに失敗したんだろ」
「でもあれだけ見た目変わってたら学校で変装とかしなくても大丈夫なんじゃ無い?声も出してないし」
「変装って言ってもメガネ掛けてるだけだからな、別に手間でも苦でも無いな。寧ろ陰キャになって誰からも相手にされないから楽だな」
「ホント面倒くさがりだよねえ…」
「ダイチやお前みたいに学校で目立つ方が面倒だろ」
「私?」
「学年一位だしな、お前の場合は男より女受けが良さそうだが」
「そうかな?」
「ダイチから聞いたが今だに水面化でお前のファンクラブが有るみたいだぞ?この前のバレンタインも凄かっただろ…」
「そうなんだ…」
「ダイチ曰く情報筋からのタレコミだと何か密かに話題になってるらしいぞ?お願いしたらキスの練習してくれるって」
「うん、好きな人と失敗せずに上手く出来る様になりたいってお願いされた子に教えてあげてるよ?男の子は断ってるし問題無いんじゃないかな?」
「お前なあ…俺もダイチも忠告した筈だが…」
「だから皆バレンタインにお礼してくれてるんじゃ無いのかな?」
「多分お礼と言うより本気になってそうだな…」
「そうなんだ…練習するなら本気で…気持ちよくなって貰おうと思ってたんだけど…何か間違ってたのかなあ?」
「その能天気ぶりはやっぱりアンよりインの方が似てるかもな」
「あっ!インくんで思い出した!インくんとシンジさんが仲良いって?」
「あー…まあ…アレだな」
「アレ?」
「所謂セフレって奴だな」
「セフレ?」
「セックスするフレンドって奴だな」
「へえ…そうなんだ…シンジさんってやっぱりゲイなの?」
「そこまでは知らん。まあインがいつもの手口で手篭めにしてんだろ。アイツ女とはセックスしないってマユに誓ってるからな」
「そうなんだ…ゲイでなくても男同士でセックスするんだ…」
「まあインは病気だからな。セックス依存症だなありゃ」
「へえ…そっか。シズカの家族がね、シンジさんはゲイなのかもって心配してるみたいで…シズカも…」
「ふうん」
「まあ私はどっちにしろそんな問題じゃ無いとは思うけど、好きな人同士なら」
「まあそれはその通りだが…インの場合はなあ…それには該当しないからなあ…アレに関わって人生踏み外した奴も居るからなあ…」
「踏み外す?」
「まあ…その内知る事になるかもな」
「そうなんだ…」
何だろう…
ハッキリ言わない星夜に何か理由があるのかなと少し疑問に思った
「じゃあ…不特定多数を相手にしてる練習の成果を見せてみろ…」
しかしその疑問について考える前に星夜に舌で口を塞がれていた
照陽は相変わらず面倒見が良いと言うか女子にモテてる様です
星夜が濁してる事はまあ多分アレですよね…マユが原作にもした…
同じ中学なんでその内明らかに…?




