表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明宵  作者: 水嶋
黄昏時

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/90

二度有る事は

ゴールデンウィークに突入はしたが今年は大型連休とはならず飛び石連休で、間に学校が有った


その日に授業参観日が組み込まれていた


連休後半には気の重い撮影も有るしこれ以上気を揉む事案は増やしたく無い

大量の宿題は先に片付けて気がかりな事の一つは片付けて無くなった


参観日に韻と麻由どちらが来るにせよまたあの姿を見られたらやっと皆忘れかけているあの入学式の光景が思い出されて話題になってしまう


とにかくあの日は…

特に韻が酷かった


「ねえねえ、あの人八神くんのお父さん?私声かけられちゃった!」


「いや、あの人は他人だ」


「えっ?だって僕八神韻!仲良くしてねって自己紹介してたよ?」


「あー…」


あの野郎…

フルネームで自己紹介してやがったか

因みに八神は俺以外居ない

他人と言い張るのは難しいなら親戚位にしておくか…


「何か面白い人だね!お母さんも!」


「あー…」


暫く色んな女子から同じ報告をされ続けていた

どんだけ女に声かけまくったんだよ…


そのせいで俺は今までの人生で1番次から次へと数多の女子と会話していた

まあ大地なら慣れてそうだが俺にはキツい


普段は照陽か静風位としかマトモに話していなかったから女子特有のノリに気疲れしていた

まあ照陽や静風はその手の女子枠…からは少し外れる感じもするが…


あの『私大人の男の人に声かけられちゃって〜困っちゃう〜!』的な私可愛いから〜を匂わせて優越感に浸ってる何ともいけすかない感じが…


残念だが韻は顔よりおっぱい重視型だ

話しかけられた女子も発育が宜しい人ばかりだった



そう、あの悪夢の日々を再来させたりはしない

韻と麻由の討ち入りを阻止するべく2人にはこの参観日のお知らせは知らせていなかった


情報漏洩するとすれば照陽位しか居ないがまあ今は照陽もピアノを習いには来ていないし何か麻由と話す事が有るとしても何の脈略も無く授業参観日の話題にはなるまい


とにかくこの日を何とかやり過ごせば後は後日露呈したとしても伝え忘れていたと何とでも言い訳は出来よう


その為にお知らせのプリントは処分せずに普段の持ち物に忍ばせて持ち歩いていた


そして授業参観がいよいよ次の授業…となり親達がゾロゾロ教室の後ろの入り口から入って来ていた


なんだか周りも親が来ているからかザワザワとしていた


「あっ!お母さん!」


照陽が小声で杏に声をかけて手を振っていた


チラッと振り返って確認したが、よしよし来てないな


そう安心して前を向いていると何だか更にザワザワし出していた


「あの人…凄い…」


「綺麗…女優さんとかかな?」


まあ、そこそこ有名私立なんでそう言う芸能人や有名人の親も居るだろう。大地の親のエルの様な


「でもあの人…どっかで見たことあるなあ?」


そりゃテレビとか出てれば見た事位は有るんだろ?まあ俺は詳しくないから知らんが


「多分…入学式の?」


「あっ!そうだあの人だ!多分」


入学式?

そんな目立った人居たか?

あのエルですら変装してたぞ?


いやまて、居たぞ目立ってた人が…


嫌な予感がしてそっと振り返ると…



プロのメイクさん直伝のメイクを施しあの時以来の気合いの入った巻き髪をした今は名前を口にしたく無いあの人が…


禍々しい光を放ちながら杏の側で不敵な笑みを浮かべ、此方を見つめながら目がバチっと合った俺に向かって麻由が優雅に手を振っていた





○○○○○○○○○○





「私を出し抜こうなんて100年早いから」


「この先100年生きてくつもり?俺は先にあの世に逝かせてもらうけど」


暫く麻由のご機嫌は斜めを通り越して直角になっていた


今日は例のAラッシュのMV撮影でスタジオに来ていたがまだ根に持っていた


「誰から聞いたの…やっぱりテルヒ?」


「他にいないでしょ」


まあそうだよな…

詰めが甘かったか

次は照陽にも釘を刺して置かないと…


「次は無いからね!」


次は無いらしい


「そろそろ機嫌なおしてよ…クラスの連中はマユの事女優さん?綺麗!って言ってたんだから」


「私が本気を出せば当然よ!」


「はいはい」


「はい、は一回!」


あー…グズりが治らん…


「ほら!エルが来るよ!星川も来るよ!」


「えっ!?どこどこ!?」


困った時にはエルの名前を出せば何とかなりそうだな

新たな麻由攻略法を見出していた



「どうもお待たせしました」



適当に言っていたが本当にキララが入って来た

流石アカデミー賞女優は持ってるな

入場のタイミングがバッチリだ


「セ…ユヅキくん、やっぱり私が言った通りまた一緒に仕事する事になったね!ふふふ」


言いかけた名前を訂正してちゃんと名前を言い直していた

流石大女優、細かい気遣いも出来て登場のタイミングと言い出来る女はやはり違うな


「まあ将来と言うには近過ぎる感じですがね…」


「あはは、そうだね。でも身長伸びたね?」


「そうなんですよね。あの時とイメージ変わってるんじゃないですかね?」


「まあその辺りは上手く撮影してくれるでしょ。顔付きはまだそれ程変わって無いから」


「そうですか…」


やっぱり映画の時と姿が変わったから俺を出すのはやめるか…

とならないかと最後の足掻きをしてみたが望みは薄いか…


「それでは監督からご挨拶を!」


紹介されて映画に引き続き今回の撮影をする布袋が紹介されてスタジオに入って来た


「またこのスタッフで集まる事が出来て嬉しく思います。映画も好評ですので、此方も良い物が撮れる様に頑張りますので、また皆様お力をお貸しください」


そう言って布袋はお辞儀をして周りが拍手をしていた


その様子を撮影していたので撮影風景も別に後日公開するのだろう

今回も映画の撮影で一緒に仕事をしたスタッフが招集されていて知った顔が多かった




事前にこんな感じで撮影するからと内容を打ち合わせしていたのでそれに従ってキララと撮影して行った


粗方撮影が終わり一旦休憩となって休んでキララと雑談していた


「あれからどう?」


「まあ大して変わらず…ですかね?」


「今度amamに出るんだってね!見るの楽しみ!」


「はあ…そんな期待して貰う様なものでも無いし何で俺がって感じですがね…出るなら主役のキララさんじゃないですか?」


「あはは、ゴメンね、撮影で海外行ってたから…スケジュール合わなくて断ったの」


「成る程」


イマイチ謎だったオファーの経緯を知った

タイミング悪!実はこの人持って無いんじゃ?…

感心していた事を訂正し始めていた


「馬鹿にはなってみた?」


「まあ一度…そのおかげで進行形で厄介な事になってますよ…」


その言葉に乗っかってしまい今現在も命の心配をしながら生活してますよ


「あはは、そうなんだ!まあこの先の人生にはまだまだ嫌って位困難が立ちはだかってくるから。予行演習だね、頑張って!」


そんな俺の気も知らずに呑気に笑っていた




「それではAラッシュのお2人、入られます!」



そう声がしてエルと八性が拍手で迎えられて入ってきた


2人の演奏パートを見学していた


実際演奏はせずに音楽を流して口パクで少しずつカットしながら撮影していた


へえ…こっちも映画みたいな撮影なんだなあと思いながら眺めていた


「そうだ!セイ…やあ!ユヅキは耳コピで演奏出来るよね!?」


「まあ、そうですね」


おい、今星夜って言いそうになってたぞ!?

キララさんですら『セ』で気付いたぞ?

say yer!て何だよ。お前はラッパーか?


てか不意に俺にエルが声をかけて来て普通に受け答えをしていた


「じゃあさ!この曲弾けるよね!」


「まあ、多分弾けますね」


「じゃあさ、このシーンはユヅキのピアノに合わせて歌う様にしようよ!」


「えっ!?」


そんな急に変更しちゃダメだろ…

監督にもこの作品のイメージとかビジョンとか…

事前に入念に準備して…


「おっ!いいね!そうしよう!」


おい待て、お前にプライドとか拘りとか無いのか?

大人な挨拶で騙されていたが相変わらずお調子者だな布袋よ…


と頭の中で悪態をついている間に急遽キララと先に撮影した時に使ったピアノが運び込まれて、出番は終わったとすっかり油断していた俺は再び引っ張り出されてしまった



「じゃあ取り敢えずリハのつもりで弾いてみて!」


そう言われて仕方なくピアノを演奏した


「わあ!」


周りが大袈裟に騒いで拍手されていた


「ふむ…成る程な…」


八性が腕を組んでそう言っていた

周りの素人は湧き上がっていたが、やはり音楽のプロの目から見たら大した事は無いのだろう

麻由もまだまだだと言っていたしな

当然の反応だろうと深く考えずに流していた


それから本番となり途中大幅に変更して俺が演奏している隣に座らせたりピアノの上にエルが座っている場面やエルがピアノを弾いている俺の後ろから抱きついている場面などを撮影していた


この監督も腐なんだろうか?


しかし同じ事をキララにもさせていたのでその疑惑は払拭された

多分パチパチとエルとキララが入れ替わる演出になるのだろう



そして漸く撮影が終わり何とか解放された


「じゃあ、セイヤくん、今日は楽しかったよ!またね!」


周りに聞こえない位の小声でキララが話しかけて来た

一応俺が身バレを警戒している事は知っているらしい


「今度こそ…または無いと思いますよ?今回は映画のオマケみたいなもんですから…」


「それはどうだろうね?多分将来また一緒に仕事する事になると思うよ?」


「また野生の勘…って奴ですか?」


「二度有る事は三度有るって言うでしょ?じゃあまたね!」


そう言って笑顔で手を振って立ち去って行った




そう言えば…


初めて照陽とセックスした時にも似たような事を言ったなあ…



『まあ…2回も3回も変わらんだろ…』




キララの言葉を聞いて何故か不意にそんな事を思い出していた


麻由の今度勝負の舞台はどうやら参観日の事だった様ですね

地雷メイクにはしなかった様です

そして麻由は暫くオコでした


やはり持ち歩いていたのね…

麻由の推理は正しかった様です


そしてMV撮影も行いキララと再会しました


また次の共演は…有るのかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ