表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明宵  作者: 水嶋
黄昏時

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/90

分岐

中学生になって最初のゴールデンウィークを迎えたが、環境は余り小学生の頃から変わらない感じだった


変わった事と言えば麻由が言っていた様に宿題の量が格段に増えた事とそれぞれ皆少し身長も伸びていた


特に大地と静風は6年生の初め頃から比べてこの1年で10㎝近く伸びたのでは無いだろうか?

以前は静風は同じ位の身長だったが、今は私を抜かし星夜より少し低いくらい…だろうか


星夜はまだだが大地は変声期を迎えた様で声が少し変な感じだった


そして見た目以外の他には変わらない私達4人の関係はそのままにまた今は恒例になりつつある家での勉強会を開いていた


クラスも静風と大地は離れてしまったので其々お互いの近況を話したりしていた


「また6月になったら…中学生からは体育祭?だね!今年もシズカは活躍しそうだね!」


「もうシズカの運動神経の良さは知れ渡ってるからなあ。陸上部にバレーにバスケにテニスに…運動部の勧誘が凄かったぞ?」


「そうだよね…走るのも早いけど球技も上手いんだよなあ昔から」


「まあ私成績で唯一体育は5だからなあ…後は3」


「まあ俺も体育含めてオール3だから同じだな」


「へえ?何か意外…セイヤって頭良いと思ってたけど…」


「平々凡々、俺は何処にでもいる至って普通の雑魚モブだ。陰キャ結構結構」


「もう自分で陰キャって言ってるし…でもあの知識量は凄まじいけど…勉強と雑学は使ってる脳が違うのかな?」


静風も大地も意外な顔をして驚いていた

私の予想では目立たない為に敢えて手を抜いているのではと疑っていた


「見た目ガリ勉そうなのにね…」


「そうだよな、真実は2つ!とか言って難事件とか解決させそうなのにな」


「見掛け倒しだな。期待させて悪いがな」


「でも…今度AラッシュのMV出るんだろ?」


「ああ…いよいよ今週撮影だ。ご丁寧に学生の俺に合わせてゴールデンウィークにな…」


「へえ!そうなの!?セイヤ凄い!」


「映画の劇中歌だからな…石田キララも出るぞ?」


「わあ!星川も!?凄い!早く見たい!」


「その内公式ページか所属事務所からyoutubeでアップされるだろ。知らんけど」


「まあ今やお前もその事務所所属だからな」


「そうなの!?凄い!本当に芸能人になっちゃって!」


「まあ事務所に関しては映画に出た時にな。色々仕事を引き受ける際の誓約書やら手続きとかマユも分からないから誘われた北野に紹介されて登録された。マユの一存で。俺の知らない内にな」


「まあその辺は未成年だしな。個人事務所って訳にも行かないだろ」


「何処の事務所?」


「サニーミュージックエンターテイメントだな。Aラッシュも所属してるな」


「あ、そうなんだ…じゃあ凄いね!大手じゃん!ミュージシャンだけじゃなくて俳優やお笑い芸人もいるよね?」


「まあ今回の映画主題歌もそう言う繋がりだろ?Aラッシュとズブズブのバーター関係だな」


「セイヤ言い方…」


大地が苦笑いをしていた


大体その辺りの内容は私は麻由から聞いていたので知っていた


そして今回のMV出演は麻由は大歓喜していたが、星夜は出たくないらしく当日隕石でも落ちて来て地球が滅亡して中止にならないかと言っていた


そこまで嫌だと思いつつも相変わらず頼まれたら断れない人だなあと思っていた


星夜は…

穏やかで平穏な生活を望んで目指している


それは昔から知っていたが、他には…

何か無いのだろうか?

自発的に何か行動する所を見た事がないかも知れない

ピアノにしろ芸能活動にしろ私との練習にしろ…人から言われて、お願いされてやっているに過ぎない


田所は諦めていると言っていた


八神家におけるどうにもならない自分の置かれた状況を変えたいとかそう言う望みは無い様だ

物欲は勿論だが食に拘りも無いし地位や名声にも興味無さそうだし性欲も無さそうだ


知識欲は有るのかも知れないが、それを何かに生かす為とかそう言う理由も無さそうだ


勉強も多分嫌いでは無いのだろうが良い成績を取るよりも目立たない為に程々にしているのでそこまでやりたい事では無いのだろう


穏やかで平穏な生活を大切にしてるのは分かっているが…


望みは本当にそれだけなんだろうか?


諦める…の裏を返せば自分でも自覚してない所で本当に望む事が有ったのかも知れない



星夜の本当の望みは何だろう…



そんな事をぼんやり考えていた





○○○○○○○○○○





宿題も粗方片付き、今年も去年と同様の手口でこの後親戚の集まりがあると言って星夜は居残って大地と静風を2人きりにさせてあげるべく先に帰した


「あの2人…折角同じクラスなのに…余り進展が無さそうだね」


「まあダイチも学校では余りシズカと仲良く話さない様に気遣ってるみたいだぞ?ご苦労なこった」


「まあダイチは気遣いも出来て思いやりがあって優しいから良い旦那さんになりそうだよね」


私のお父さんみたいに…


「しかもあの見た目で尚且つ友達も多いんだから悪い所が見当たらないな。パーフェクトヒューマンが過ぎるだろ」


「まあ…そうだよね…でも」


「?」


「何か…完璧過ぎて…人間味が無いって言うのかな…何かカイみたいで…」


「カイは他の全てを覆す超特大の爆弾抱えてるだろ。サイコパスって言うな」


「あはは、確かにそうだったね」


最初は知った時には怖かったが、田所の話を聞いてからは櫂に対する見方が最近は少し変わって来てはいた


まあ相変わらず櫂の私への扱いは変わらないが


「まあカイに対しては魅力どうこうはアレなんだけどね…ダイチに関しては多少欠点もあった方が魅力的かも知れないかな?」


「ふうん。でもまあ近くで見てる限りではカイみたいなヤバい性癖とかも無さそうだしあのまんまだぞ?まあダイチと寝た訳じゃないから実際は知らんけど」


「あはは、ダイチとセイヤのセックスしてる所って想像出来ない」


「マユじゃないんだからそんな下らない想像はしなくていい」


「マユさん?」


「あー、まあお前の好みはアレだな。恐らくダメ男なんだろうな」


「うーん、どうだろう?よく分かんない。でも多分好きになるならお父さんやダイチみたいな完璧な人じゃなくてインくんみたいなちょっと隙が有るような変わった人なのかも」


「アレはちょっとやそっとのレベルじゃないぞ?変わってると言う様な可愛いもんじゃ無い。もはや異常レベルだぞ?欠点しか見当たらないんだが」


「そうかなあ?」


あの綺麗でしっかり者の麻由さんが惚れる人なんだから魅力有るんだと思うけどなあ


「まあカイにしろインにしろ…お前はダメ男を引き寄せる何かが有りそうだな。せいぜい気をつけな。そしてさっさと彼氏でも作って俺を解放してくれ。アンさんに暗殺される前に」


「お母さんは殺さないし優しいの!うーん、まあ、そうだね…」


別にカイもインくんもそれぞれ好きな人が居るんだし引き寄せてるつもりは無いんだが


「でも…やっぱりセイヤは芸能人になるの?」


「なるか、なってたまるか!映画やドラマみたいに映像や演技はもうやらないって言ってあるからな。今度の撮影で終了だ、次は無い」


「そっか、じゃあこの間みたいな雑誌の仕事…モデル?とかならやるのかな?」


「それは知らん。言葉を発せず一応進学校だから勉強に差し支えのない今の生活を脅かさない仕事なら妥協はするとは伝えてるが、まあそんな都合の良い仕事は無いだろ?その内忘れ去られて契約満期で更新なく終了だな」


「そう言えばセイヤが載ってる雑誌はいつ発売になるの?」


「さあな、なんでもその雑誌社は来月潰れるらしいから発行されずに廃刊だな」


「そんな訳ないでしょ…ったく…まあいいや、マユさんに聞くから。シズカも楽しみにしてるんだからね!」


「なら最初から俺に聞くなよ…その話題は口にしたく無いんだから。てか間違っても学校に持って来たりするなよ!?目にしたく無いんだから」


「一体どんな撮影されたのよ…まさかヌード?」


「んな訳あるか!児ポで捕まるわ。まだ俺12歳だからな。まあしかし…ある意味限りなく近いかも知れん…」


「えっ!?そうなの!?うわあ!すっごい楽しみ!」


「お前なあ…やっぱりお前はインの子かも知れんな」


「マユさんもね!私が自分の子だったら良かったのにって言ってくれたんだよ?」


「まあ俺もあの家よりはこっちで生まれた方がもう少しマシな人間に育ってたかも知れんな」


「やっぱりそう言う自覚はあるんだ…」


「やっぱりって何だよ。俺はインやマユよりはマトモだぞ?」


「はいはい、そうですか」


「はい、は一回で良い」


「やっぱりおじいちゃんだね…」


「はい、そうですか」



星夜は事務所にも入って本人の意思はともかく多分頼まれたら断れないだろうからこの先芸能活動をして行く事になりそうだ


段々子供の頃とは違う…

隣にいた同い年の近い存在は別の道を歩き始めているんだなあ


一生懸命遅れを、距離を離されない様に必死に追いかけていたけど…


流石に私は芸能界を目指すつもりはないしその世界の人間にはなれないだろう



この先は私も星夜とは違う道を見つけて自分の目指す道を進んで行かなければならないんだろうな


こんな風に星夜と子供じみた口論もやり取りも今にしなくなるのだろうか…


少し寂しいような、大人になって行く自覚の様な…





そんな事を考えながら星夜と下らないやり取りをしていた



照陽も段々考え方が大人になって来てる…のかな?


星夜とは進む道は異なると自覚していきます


まあまだ子供のやり取りはしてますが…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ