違う人生
小学生編最後となります
最後は大地目線で締めくくりです
「何か…セイヤって凄いなあ…」
「そうだなあ…」
4人で映画を観た後もうすぐ夕方になるので解散して途中まで同じ方向に帰る静風と並んで歩いていた
「でも…映画すっごい良かった!またお母さんと観に来ようかなあ」
「あはは、シズカすっかりハマってるね」
「元々ドラマの方でね!お母さんもすっごいハマっててさ、今日観に行くって言ったら今度観に行くまで絶対ネタバレしないでよってさ!」
「あはは、そうなんだ」
「でもあの星川と共演なんて…凄いなあ」
「そうだな…キララさんは今や大女優の仲間入りだもんなあ…確か昔子役やってて…」
「そうなんだよね…でも…」
「?」
「あの物語の一員として中に入れるなんて…いいなあって思っちゃった。役者さんって凄いね。違う人生を色々経験出来て」
「そうだなあ…違う人生…」
「ダイチは役者さんとかにはなりたいとかは?」
「うーん…今の所は…」
「そっか、何か…向いてそうだけどなあ」
「そう?」
「うん。親の事とか隠して普通に生活してるし…面の皮が厚いし…しれっとした顔して平気で嘘つけるもんね」
「あはは、それ悪口だから」
「だってさー、セイヤが映画に出るって知ってたんだよね?友達なら教えてくれても良いのにさー」
「ゴメンゴメン、セイヤが誰にも教えたく無かったみたいだから…テルヒにも内緒にしてたんだから許してよ」
「まあ…それなら仕方ないかなー。でもさ、何で映画に出る事になったの?やっぱりダイチ繋がり?」
「まあそうだな…」
そう聞かれて大体の説明をした
星夜がピアノが上手いことも今回でバレたので大丈夫だろう
「セイヤは目立ちたく無いって言ってるから…今回の事とかピアノの事とかは内緒な」
「うん、絶対言わないよ!テルヒももう知ってるし、他に言う人居ないし」
「お母さんとかにもだぞ?どこで漏れるか分からないからな」
「あっ、そうか、うん!分かった」
「一応セイヤの事はトップシークレットだからな。まだ公開して間もないし…あの子は誰だ?っての売りにしてるみたいだからな」
「へえ…何か良いように使われてる?」
「まあ…セイヤも身バレしたく無いしお互いの利害が一致してるんじゃないか?」
「成る程ねー、大人の世界だね」
「まあ…そうだなあ…」
確かにそう言う打算も込みだろうと思う
まあお互いそれでwin-winなら良いんだろう
「でもさー、役者さんってやっぱ大変かも?」
「ん?まあそうだろうけど」
「だってさー、アレ多分セイヤのファーストキスだよね?いくら相手が大女優とは言え…撮影されて沢山の大人に見られながらとかさー。私なら耐えられない!」
「まあ、そうだよな…シズカはファーストキスは好きな人としたいもんな?」
「そうだよ!あんな形では嫌だなあ」
星夜はとっくに照陽としてるが…
まあそれも好きな相手と言う訳でも無さそうだし同じ様な事かも知れない
セイヤは然程気にもして無さそうだが…
「俺もっ!やっぱり初めてキスする相手は…好きな人が良いな!」
「やっぱそうだよね!流石ダイチ、分かってるー!」
「うん、昔からの付き合いだもんな!」
「そうだよ、小さい頃からの付き合いだもんね!」
静風は誰と…キスしたい?
とは聞けなかった
「でもさー、ダイチが役者になったらさー、セイヤと共演!とかなったら良いなー」
「あはは、セイヤはもうやらないって言ってたぞ?」
「えー!」
「因みにどんな映画が良いの?」
「勿論学園恋愛もの!ダイチが主人公でー、セイヤと女の子を取り合うの!」
「あはは、セイヤは当て馬か」
「でね、ダイチは実はアイドルでー、女の子とは幼馴染でーみたいな?」
「何か…よく有る設定だな…」
「女の子はそう言う王道ラブストーリーにキュンキュンするんだよ?ダイチはもっと女心を勉強した方が良いよ!」
「えー…俺それ系のストーリーとか苦手…第一普通の男はそんな女子がキュンキュンするってやつの甘々なセリフとか言うか?何かナルシストっぽくて多分大人になって振り返ったら黒歴史確定だなあ…」
「ダイチは見た目そんな女子の憧れって感じなのに残酷な現実突きつけてくるよねえ…夢見させてよ」
「まあ俺はそんな勉強しないし、分かる奴だけ分かってくれれば良いからな」
「そっか」
別に誰にも憧れられなくても好意を持たれなくても良い
静風だけに…分かって貰えれば良い
「じゃあ、私こっちだから!またね!」
「うん、またね」
そう言って静風は手を振って笑っていた
役者かあ…
今まで散々色んな人に誘われてはいた
でも…
父さんの御輿に乗る勇気が無かった
恐らく…いや必ず一生父さんと比べられるだろう
Aラッシュのエルの息子…
俺の紹介もそうなるだろう
俺の名前が1番に来ることは無い
そして、一生二世のプレッシャーとエルを超えるために戦って行かなければならないだろう
例え上手く行ったとしても「流石エルの息子」、上手くいかなければ「やっぱり二世は…」となるだろう
どの道俺自身を見て貰えることは無い
名前が有る様で無い人生となるだろう
その事に向き合う勇気もそこまでしてなりたいと言う決意も意思も無く、言い訳してただ誤魔化して逃げている
俺は現実を突きつけられて傷つくのが怖い臆病で卑怯な人間だ
芸能界に対しても…静風に対しても…
でも静風は俺が役者になった姿を見たいと言っていた
静風の言う違う人生…
俺の違う人生…
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今日は特に勉強会と言う訳では無かったが照陽の家に呼ばれて4人で集まっていた
「はい、これ。好きなの選んで良いよ?」
「何だこれ?」
「チョコレートだよ?何か今年いっぱい貰ったからセイヤにお裾分けしてあげる。どうせ誰からも貰って無いでしょ?」
「マジで下らない風習だな、考えた奴誰だよ。極刑に処されろよ。俺甘いの嫌いだし間に合ってるよ」
「もうウァレンティヌスは2月14日にルペルカリア祭に捧げる生贄として処刑されてるよ?」
「いや、チョコレート文化の方な。あれは非モテ男を吊し上げる公開処刑だろう。メリーさんよ」
「知ってんじゃん…」
何だか星夜と照陽がコントの掛け合いみたいなやり取りを繰り広げていた
昨日がバレンタインデーで、今日は土曜日だった
「テルヒ…何か凄いな…」
「今は後輩からもだよ?何かファンクラブが密かに出来てるって」
「そうなの?私知らない」
「一応ルールがあって…抜け駆け出待ち追っかけ追跡家凸禁止だって宣言されてて…」
「へえ…何かちゃんとしてるね。私が知らない筈だわ」
「ちゃんとしてねえだろ…そもそも異常事態宣言だそれは…」
「何個貰ったの?」
「うーん…確か…20個ぐらい?」
「あはは、俺負けたなあ…18個だったから」
「多分本来のダイチへ渡る分がテルヒに流れたな」
「じゃあ…追加で私から!」
そう言って静風は俺と星夜と照陽にそれぞれ包みを渡して来た
「わあ!有難う!」
「お前はもういらんだろ…てか女子が女子にあげるものなのか?」
「友チョコだよ?知らないの?」
「また下らない文化が細分化されてるな…」
「あっ!ホワイトチョコだ!私好きなんだあ!有難う!」
そう言って照陽は静風に抱きついていた
「俺は…ピーナッツ入った奴、俺もこれ好き!有難う」
流石に照陽みたいに抱きつけなかったが心の中でハグした
「まあテルヒもダイチも沢山貰ってるから今更だろうけどね」
「俺は…何だコレ?」
「セイヤは甘いの好きじゃないって聞いてたから醤油煎餅だよ?ちゃんとチョコみたいに茶色くて硬いのにしたから」
「まあ、それは有り難いが…何か俺だけお爺ちゃん味がないか?」
「あはは、セイヤは中身おじいちゃんだからお似合いだよ!」
「うっさい、せめておじさんにしてくれ」
星夜はすっかりオチに使われていた
ドンマイ…
その後照陽は他の子から貰ったチョコを静風に分け与えていた
俺は父さんも母さんも甘いのが好きだから毎年横流しすると喜ばれていた
静風のチョコだけは渡さないが…
そして間もなく春休みとなり、いよいよ中学生となった
漸く小学生が終わりました
長かった…
最後に大地はまた色々思い悩んでますが…
静風に照陽が星夜に言った事と同じ事を言われてましたが案外大地と星夜は似てるんでしょうかね?
次からは中学生となりますが平穏無事…とは行かないかな?




