義理と不安
「上手上手!セイヤ初めてと思えない!」
「はあ…はあ…そりゃどうも…」
予想通りお盆休みに韻に地下施設に連れられてフィアと練習させられていた
「あんっ…あんっ!…気持ちいいっ!…」
どうなんだろうなあ…
フィアはもう櫂やマコトとセックスしてるので果たして俺のサイズで満足してるんだろうか?
この大袈裟な反応も本当か演技なのかよく分からない
もしかしたら気を遣われているのか韻に言われてそうしているのか…
多分俺が初めての練習だからとは聞かされているだろう
そんな事を考えていると段々気持ちが冷めて来ていた
照陽みたいにキツく締め付けられる事も無くあの時みたいな興奮も目を盗んで悪い事をしてる様な背徳感も無かった
そのおかげか否か、初めてテルヒに挿れた時みたいに直ぐにはイかなかった
さっさと終わらせて帰りたかったのになあ…
「じゃあ今度はバックでね!そうそう!本当に上手!バックだと女の子の良い所に良く当たるから気持ちいいんだよ!乳首も弄ってあげてね!」
「はいはい…」
「あんっ!あんっ…!またイっちゃうっ!」
韻がなんだか大袈裟に誉めて来ていた
その熱血指導をもっと違う所で使え
「後は挿れながらクリを弄ってあげたり!お腹を押してあげたりすると喜ぶからね!」
「はい、そうですか…」
そう答えてフィニッシュに向けて加速して行った
「あー…イく…イく…出る…」
そう腰を早めて奥に打ち込んで中に放出させた
「はあ…はあ…あー気持ち良かった…」
「よく出来ました!偉い偉い!」
何故か韻が俺に抱きついてキスをして来ていた
何故お前が…
「どうだった!?セックスは気持ちよくて幸せな気持ちになったでしょ?」
「まあ、気持ちはいい」
「だよね!じゃあこのまま2回目!」
「いや、もういいや。やっぱりまずセックスするまでが面倒。声もアンアン煩いし気が散る…俺はテソガでいいかなあ」
「えー!まだ若いのにそんなおじいちゃんみたいな事言って!」
以前照陽に言われた事と同じような事を言われていた
コイツと照陽は本当は親子なんじゃないか?
そんな疑いすら湧いて来ていた
そして韻が言うような、セックスして幸せな気持ちにはフィアにも照陽にもならなかった
その後も韻にしきりに練習に誘われたが面倒だと断っていた
セックスしたいとも思えていなかった
良かった、俺は韻とは違う
性欲お化けのセックス依存症では無い
不安が解消されて清々しい気持ちになり、そう安心していた
そうして何とか平穏無事に夏休みを終えた
○○○○○○○○○○
「おはよう!夏休みどうだった?」
「まあ、いつも通り」
夏休みが明けて最初の登校日に大地と顔を合わせて挨拶していた
「そっか、まあ俺もそんな感じ、あはは」
何だか最近…あの勉強会が終わった後位から大地の様子が少しおかしい気もする
何か静風とあったんだろうか?
そう思ってじっと大地の顔を見ていた
「なっ…何!?」
「いや、別に…」
「セイヤは…夏休みに…学校の奴と遊んだりはしなかったの?」
「いや、誰とも。大人しく優雅に家で1人インドア生活よ。ほれ」
そう言って日に焼けていない生っ白い腕を見せた
「あはは、そうだなあ、真っ白だな!美白だな!」
「まあそうだな」
「そうだよな!セイヤはそう言う奴だよな!俺とお前は友達だし対等だし上も下も無いよな!俺は馬鹿な奴だよな!あはは」
学校の奴…
もしかして俺と静風の事を疑っているんだろうか?
友達で対等?
馬鹿な奴?
なんだかイマイチ意図が理解出来ていなかったが取り敢えず誤解は解いておかないと…
「まあそう言う訳だから宿題もバッチリだぞ?まだ終わって無いなら写しても良いぞ?」
「いやっ…それは終わってるから大丈夫」
「そうか?やっぱりお前は夏休みの浮かれた雰囲気き惑わされず真面目な奴だな。流石俺と友達になるだけの事はあるな」
大地を誉めつつ自分を褒めて肩をポンと叩いた
「そうだな…そうだよな…お前は真面目だもんな」
「そうだぞ?だからお前が心配する事も不安になる事も一切無いぞ?」
「うん…俺は馬鹿だな…」
「まあ、お前に馬鹿になれとは言ったが…お前は馬鹿じゃないぞ?」
「そっか…」
多分誤解はこれで解消された…筈だろう
そんなやり取りをしていると照陽がまるでお通夜の後の表情をして現れた
「おはよう、ダイチ、セイヤ…」
「おはようさん。てか何か暗いな」
「そうかな?気のせいじゃない?」
「そうか、なら気のせいだな」
そのまま照陽はクラスに入って行った
「何か…テルヒ元気ないなあ?」
「まあ…大人になったんだろ?」
「大人?」
「成長期だからな。まあ俺もよく分からん」
「そっか…」
照陽は夏休みに櫂と優し〜くセックスされて大人になったんだろう
なんたって櫂は俺とは違ってもう成人した大人だしな
櫂とあの場所で…
その先は想像しない様に、考えない様にしていた
八神家の使命など部外者の俺にとっては正直どうでもいい
まあ俺も一応は韻の下らない長年の夢とやらを叶えてやって親孝行した訳だしな
お互い大人になったのだ
そんな事を考えながら始業式も終わりまだ授業も始まらなかったのでお昼前に学校から帰宅になった
「セイヤ!」
帰り道に声をかけられた
振り返ると照陽だった
「何?」
そのまま並んで歩いて帰っていた
「夏休み…どうだった?」
「まあ特には。例の地下施設での練習にはインに連れられて行かされたけど」
「そっか」
「インの長年の夢とやらは叶えてやったぞ?まあ初めてじゃなかったが…インが『初めて』だと思ってればそれで良かろう。バレてないし」
「あはは、そうだね」
「お前はカイと『初めて』をやったんだろ?」
「うん…まあ…初めて…だね」
「そりゃ良かった、バレなくて」
「ねえ、この後家に来て?」
「えっ?」
「話したい事が有るの」
「ここで良いじゃん…わざわざお前の家に行かなくても…」
漸くあの緊張感から解放されたのにまた危険地帯に足を踏み入れたく無かった
「ここじゃ…ちょっと…落ち着いて話せないから!お願い!」
「えー…」
そう押し切られて半ば強制的に照陽の家に行く事になった
俺はやっぱりキララが言っていた様にお願いされると断れない押しに弱い人間なんだろうか…
そして今日は奇しくも最初の金曜日だった
星夜も一応義理は果たしたようですが、此方も2度目は無いようでしたね
大地は星夜を意識して何だか挙動不審になってるみたいです
そして照陽は…あの後どうなったんでしょうか?




