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明宵  作者: 水嶋
薄暮

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26/52

カラスの正体

星夜が櫂の事を嫌っていた事は意外だった


星夜は笑ったり口では怒ってる風な事を言う事も有るが、表情は余り変わらないと言うか大体無表情と言うか…


本心は然程何とも思って無いんだろうなあと思っていた


何か星夜っていつも冷静でどこか別の場所から見てる様な、自分の事でも他人事の様な…


感情の起伏が余り無いと言うか、自分にも他人にも興味を持たない人だと思っていたが、一応そう言う感情は有るんだと新たな発見だった


余り星夜に櫂の話題はしない方が良いのだろうか?


櫂の話をしている時、珍しく顔が少し歪んでいた


でも…

星夜の嫌がる事は良くないなと思いつつそんな人間らしい表情をする星夜をもっと見てみたいと言う相反する歪んだ欲求も湧き起こっていた


あと、まだ星夜に聞きたい事も有ったので話を続ける事にした



「後ね…星夜は植咫って人知ってる?」


「ウエアタ?誰それ?てかそれ人の名前?妖怪とかじゃ無くて?」


「うん、人の名前。カイが以前は田所って名前だったって言ってた」


「その人が何?」


やっぱり櫂の名前が出ると少し顔が歪んでいた

分かりやすくて面白い…

じゃなくて、本題…


「前にね、お母さんの病院の見学に行った帰りに会ったの」


「何、お前もうカイの子妊娠でもした訳?」


「違うよ。カイとも誰ともまだセックスして無いし!」


「あっそ。んでなんで産婦人科なんて行ってんの」


「だから見学だって。セイヤが職業体験するって言ってたから私も体験は無理でもお母さんの仕事の見学しようって思って行ったの」


「相変わらず俺のやる事すぐ真似るなあ…」


「だって置いてけぼりにされたくないもん!」


「お前はショッピングモールにでも連れてこられた子供か?」


星夜は呆れた顔をしていた


「むう!」


「だからそれはやめてくれって…」


嫌だと言いつつ表情は余り変わっていなかった

今まで気にして無かったけど、星夜の表情観察面白いかも…

今度夏休みの観察日記の題材にしようかな…

そんなくだらない事を考えていた


「で、そのウエアタだか田所だかが何?」


「あっ、そうそう、その人ね、上から下まで真っ黒だったの」


「なんだ、やっぱり妖怪じゃねえか…」


「うーん、妖怪ってよりカラスみたい…かな?その人がね、お母さんに用事だって」


「じゃあ単にアンさんの知り合いじゃねえか。つまんな…」


「でもね…私は初めて会ったんだけどね…私の事名前で呼んだの」


「そりゃお前アンさんにそっくりだし、アンさんの知り合いなら子供の名前位聞いてるだろ」


「それだけじゃなくてね…カイの事も知ってて…八神家の使命の事も知ってたの…」


「えっ?」


「私にね、カイともうセックスしたかって聞いて来た」


「何だそれ…」


「まだだって言ったらね、大変だねって…何か有ったら相談に乗るよって言われて…」


そう言って私は貰った名刺を見せた


「何者なんだ…?」


星夜はそう言いながら名刺をスマホで撮影していた


「カイに聞いたらね、田所だって。今は整形して顔を変えて戸籍と名前変えてるらしいよ」


「どうせ後ろめたい事がある奴なんだろな」


「多分ね」


「あっ!そうだ、その田所はお父さんとお母さんが結婚する為に協力したって言ってた!」


「協力?」


「うん、後は…マコトさんと昔同僚で友達だって。後は…私の事も協力?よく分からなかったけど…」


「ふむ…」


「後は…インくんには恨まれてるとか…」


「まあインの事はどうでも良いや」


「でね、その話をカイにした時にね…カイに言われたの」


「何を?」


「何故私が八神家の使命を全うする様に言われてるか…」


「あー…成る程ね」


「私…お父さんとお母さんの子じゃ無いんだね…」


「まあ…じゃなきゃお前も俺と同じ扱いだったろうな」


「多分…私はマコトさんとお母さんとの間の子なんだね…お母さんはマコトさんが大好きだし…カイが私は本当のきょうだいだって言ってたから…」


「まあ、そうなるよな。多分お前が生まれた頃はカイは家を出てたし子供だったし…云足さんってよりマコトさんだろうな」


「そうだよね…カイは…セックスしなくても子供を産ませる事は出来るからって」


「まあ、そうだよな。地下施設にそうやって産ませた子も何人か居るぞ?確かカイもドライに産ませたんじゃなかったか?」


「うん…でもそうなると…何で田所は私の協力なんて言ったんだろう?受精卵を作るなら云足さんが協力した…なんじゃ無いかな?」


「うーん…そこまではよく分からないな…」


「てか…セイヤはこの事知ってたの?」


「この事?」


「私がお父さんの子じゃ無いって」


「そりゃ…まあ…八神家の使命を言われてる段階でお前は八神の人間だろうって予想はつくだろ」


「そっか…そうだよね…」


「なんだなんだ?今更自分の生い立ちや八神家のやり方に感傷的にでもなってんのか?」


「うーん…自分の事や八神家の事じゃなくて…お父さんはお母さんの事本当に好きだから…可哀想だなっては思う…」


「お前はつくづくお人好しってかなんて言うか…まあ今更どうこうならんだろ。諦めろ」


「むう!」


「またそれ言ってるし…」


そう言いながら星夜はスマホで何か検索していた


「あった、これだな」


「何?」


そう言って見せられた星夜のスマホを覗き込んだ



○○病院で勤務していた八神眞事(33)容疑者は患者の母親に口論の末暴行を働き逃走中に自殺を図り死亡


被疑者死亡のまま書類送検されました


その他にも未成年の患者にも暴行を繰り返していた疑いが有り余罪を調べています



「これが噂のマコト濡れ衣事件か」


「そうなの?私は何も聞かされてなかったけど」


「インは今だにこの事言ってるぞ?」


「そうなんだ…」


「まあ、アンさんやトモハルさんが頑張って殺人の容疑は晴らしたらしいぞ?暴行も同意だったらしいから殺された母親の娘以外からは訴えられ無かったとよ」


「へえ…」


「なんでもその娘が母親を共謀して殺したんじゃ無いかってインが言っててな…」


「共謀?」


「その共謀した相手…田所って何か聞き覚えある名前だと思ってたが…コイツだな」



田所正直容疑者(41)は増田三治容疑者(32)を取り調べ中に病院内で殺害し、現在逃走中

この他にも数々の殺人と違法薬物の所持と使用の容疑で現在指名手配中


「何これ…」


「どうやらコイツが入れ知恵したらしいが…今はこの母親殺しの容疑も田所はかかってるみたいだな。実際は娘がやったんだろうが」


「そうなんだ…」


「14年前の記事か…て事は田所はマコトさんと同い年…今年55か?」


「何かもっと若く見えたけど…30代後半か40代位だと思ってた…」


「まあマコトさんも整形してるから歳より随分若く見えるしな」


「あの人はお肌のお手入れとか凄いしてるから…おばあちゃんとインくんから煩く言われてるらしいよ」


「何のこだわりだよ…相変わらずインはアホだな…」


「まあ田所の謎についてはこれで少しハッキリした」


「まあな…」


「でも…何でそんな指名手配されてる様な危ない人と今だにお母さんは会ってるんだろう…」


「さあな。まあやっぱりアンさんは暗殺者確定だな。俺の野生は冴えていた」


「そんな訳無いから!何か弱みを握られてる…とか…」


「それを言ったらアンさんが握ってそうだがな。あの人が大人しく弱み握られてるとは想像出来ないな」


「一体セイヤの中でお母さんはどう見えてんのよ…優しいお母さんなんだから」


「まあ結論は田所は指名手配中の殺人鬼で危ない男だって事だろ?無闇に近付くのは賢明じゃないな」


「それ同じ様な事カイも言ってた…」




そう言うと星夜は思いっきり顔を歪めていた


照陽は色々新たな発見や事実を知りましたが果たして忠告は聞くのでしょうか?


マコトの事件については「純水」「深海」を、田所の事件については「地石」を参照して下さい

「晏陰」にも杏と韻の目線から当時の事件について触れています

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