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明宵  作者: 水嶋
薄暮

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25/51

アフタートーク

「じゃあ今日は有難うな」


「それじゃあまた学校でねー!」


「うん!またね!」


「またな」


ゴールデンウィーク中に約束通りまた4人で照陽の家に行って勉強会をした


今日は照陽が俺とこの後親戚の集まりが有るからと言う事にして俺は居残り、大地と静風をまた2人で帰した


「よりによって親戚かよ…俺の家は八神から認められてないんだがな…」


「安心して。親戚の集まりなんてした事ないから」


「まあ、我関せず精神は其々引き継いでるからな。無駄に集まったりして時間を粗末にはしない合理主義の連中ばかりだからな」


「まあね。皆お金や物には執着は無いけどね。それが新たなステージに進化した人間の姿なのかなあ?」


「どうなんだろな?」


「それに当て嵌めたらセイヤも該当するんじゃない?」


「まあ俺にはマユが加わってるからな。やはり該当はしないだろ?俺の場合は家庭環境の影響だな。インもマユも金や物に興味は皆無だからな。その点だけは似た者夫婦だな」


「成る程ね…」


「で、話って何?」


今回4人で集まる段取りを話している時に照陽に話が有るから終わった後残って欲しいと言われていた


まあ俺が一緒に帰ると大地と静風のお邪魔になるだろうからその方がありがたかったが


照陽も同じ考えだろうけど、何だか神妙な顔つきだったので少し気になっていた


例のキステロ事件の事だろうか?

何やら女子にモテてるらしいからその辺りの相談なら自業自得の四文字で片付けようと思っていた




「あのね、この間ダイチにカイの事喋っちゃった…」


「えっ!?何で」


「何か…流れで…つい」


「ついって…お前なあ…」


「八神家の使命の事とかは言ってないよ?ただ…セイヤと練習してる理由で…」


「まあなあ、その件に関しては俺もダイチについ喋っちまったからなあ…」


「セイヤだってついっちゃってんじゃん!」


「twitterみたいに言うなよ…まあダイチは話を引き出すのが上手い。恐ろしい奴だ」


「確かにそれは言えるね。何かよく分からない安心感と言うか…まあ自分の部屋だったから余計油断しちゃってたのかもだけど…」


「えっ!?ここにダイチを呼んだ訳!?」


「うん、そうだよ?だって外でダイチと2人で話してると目立つし…」


「あのなあ…あんまりホイホイ男を部屋にあげない方が良いと思うぞ?」


「だってセイヤだって来てんじゃん」


「まあ俺は男の内には入って無いだろうが…それで無くても周りは段々色気づいて来てやれ誰々が好きだの付き合ってるだのそんな話ばっかりしてるのに…変な噂が立つぞ?」


「変な噂?」


「そうだよ。お前それで無くてもダイチの件で注目されて来てるのに、その上男を取っ替え引っ替えなんてビッチ疑惑が浮上してみろ」


「ビッチ…」


「この先高校まで友達も居なくなって高校卒業まで独りぼっちになるかも知れないぞ?」


「それ、ダイチに同じ事言われた」


「そうなったら血縁の俺にまで飛び火しかねんからな。俺は目立たず無事に平穏に高校まで過ごしたいからな」


「それもダイチが言ってた…セイヤにもとばっちり食うぞって」


大地…

いつの間に照陽とそんな仲良くなったんだろう

何となくモヤモヤした気持ちになっていた


「まあ、話を戻すが…カイの事は口にしない事だな。またうっかり何か喋りそうだ」


「そうだよね…」


「そこから八神家の事が露呈したら俺やお前だけじゃ無くてアンやインや他の八神家の人間達やそれに関わってるトモハルやマユやその家族まで巻き添え食うぞ?」


「そっか…そうだよね…」


「犯罪までにはならないかもだが…世間にバレたら良い娯楽のネタに連日誹謗中傷の集中砲火だぞ?」


「うん、分かった」




「テルヒは…カイの事はどう言う存在?」


話が一段落して、何故か思わず大地に問われた様な質問を照陽に尋ねていた


「うーん…ダイチにも同じ様な事聞かれたんだけど…まあ好きだけど…イマイチピンと来ない。多分ダイチやシズカが思う様な…そう言う好きじゃないのかも」


「成る程なあ…まあ歳も離れてるしなあ」


「うん、そうなんだよね。優しいんだけど…何か…」


「?」


「多分…カイは他に本当に好きな人が居るの」


「そうなの?誰?」


「お母さん…」


「えっ!?てかお母さんって…アンさん!?」


「うん。前にお母さんが私位の時に…マコトさんとお母さんがキスや弄りあってる時の映像流しながら全くおんなじ様に練習したり…私がお母さんに似てるってすっごい嬉しそうだったし…卒業したらお母さんとの子供作るのが楽しみだって言ってた」


「何か…色々病んでんなアイツ…何かある奴だとは思ってたが…」


「そうなの?」


「昔から胡散臭い奴だって思ってたぞ?何か自分は選ばれた人間ですからって感じで俺の事蔑んだ目で見て来やがってたし…」


「それ被害妄想じゃない?カイはセイヤと仲良くしたいって言ってたよ?」


「願い下げだね。おとといきやがれ」


「成る程なあ…セイヤの事はぐれ金属スライムだって言ってた」


「何だそりゃ」


「すぐ居なくなるしレアキャラだよねって。見かけたら経験値沢山貰えて良い事ありそうらしいよ」


「あの野郎、舐め腐りやがって…」


「まあセイヤがカイの事気に食わないって事は分かったよ」


「はい、そうですか。そりゃどーも」


昔から俺は櫂の事が苦手と言うか嫌いだった

人当たりも良く誰にでも優しくて社交的でそう言う所も鼻につくと言うか胡散臭く思っていた


なんだか作り物みたいな…現実味がないと言うか、理想の人間を演じてるように見えていた

しかし目は…

杏と同じく俺を見る目付き迄は演じきれていない

俺はそう感じていた

これも野生の勘…だろうか?



八神家からこの先の未来の期待を一身に受けて何不自由無く皆から愛されて照陽と言う存在もいるにも関わらず…


実際は既に伴侶の居る杏に横恋慕しており、叶わぬ恋の為にその代用品に照陽を使っている

照陽もそんな櫂に気付いてか気持ちに距離を置いている


結局櫂は誰にも本当に愛されては居ない


天上人の如く扱われていた櫂も結局地べたに這う俺と同じじゃないか


そう思うと何だか胸がすくようなドス黒い感情で愉快な気持ちになっていた


まあ俺も大概だな…


人の事とやかく言えない相当歪んだ人間だなあと悟っていた


同時に何故櫂に嫌悪感が有ったのかも悟った

櫂に恐らく嫉妬していたのだろう


八神家に望まれて大切にされている櫂や照陽

八神家から弾かれて要らない子とされていた韻と部外者の麻由から生まれた俺


気にしていない、しない様に蓋をしているつもりだったのだが…




俺は結局は劣等感の塊なんだなと


星夜は何かに気づき始めます


やっぱりこの2人には甘酸っぱい展開は期待出来なさそうですね…

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