人のふり見て
「あはは!」
「楽しんで頂けてる様で何よりです」
「拗ねるなセイヤ…あはは」
学校終わりに大地の家に呼ばれて行き、大地と母の青葉に囲まれて笑われていた
「ゴメンゴメン!いやあでも似てるわータイシに!」
「似てないでしょ。ダイチは少しエルに似てるけど…」
「いやいや、学生の頃のね。高校の時正にそんな見た目だったから!」
「へえ…」
「父さん極度に目が悪いんだよ。家だとメガネだぞ?」
「そうなんだ。まあどうせオシャレメガネだろうけど」
「いやいや、正にセイヤが掛けてるのと同じ感じだぞ?しかも掛けると目が小さくなる」
「へえ、そっか。このメガネ度が入ってないからなあ」
そう言って掛けていたメガネを外してレンズを眺めた
俺は映画に出た事も有り、まだ公開は先だが今のうちからバレない様に伊達メガネを付ける事にした
この提案は大地だった
エルは普段メガネで髪型を変えると外に出てもバレないと言っていた
「本当かなあ…所詮は隠しきれない芸能人オーラが漏れ出てるでしょ」
「なんか有害な電磁波みたいな言われようだな…」
「じゃあ見せてあげるよ!」
そう言って青葉は席を外して卒アルを持って来た
「ほらこれ!」
「うわっ!誰これ!?」
「エルこと山崎太士だよ」
そこには俺が掛けてるのと同じ様なメガネと前髪を長めに伸ばして顔を隠す様な髪型のエルが写っていた
「まあ黒歴史だな」
「いやいや、私この見た目好きだったよ?」
「変わった趣味ですね…」
「この頃夜は皆に隠してバンド活動してたらしいから夜は今の姿に近かったみたいよ」
「そうそう、ワンナイトで女の子取っ替え引っ替えで凄かったんだから」
「へえ…」
以前女遊びが激しかったと話には聞いていたが昼間のこの姿のエルこと山崎太士には無理だろうなあと思った
「でもねえ、私エッチする時はこのメガネしてもらう様にしてるんだあ」
「母さん!もうっ!」
「だってエルの姿は偽りなんだもん。本当のタイシの事が好きになったんだから」
「はいはい!じゃあセイヤ、俺の部屋行こ!」
「うん」
そう言って大地に部屋へ連れて行かれた
「ゴメンなあ、母さん気を抜くとすぐ下ネタなるから…」
「まあインよりはマシだから気にするな」
流石に青葉は遊び場の提案にラブホを勧めたりはしないだろう
「まあ、エルは相当遊び慣れてるみたいだからあの母さんと上手くやれてるんじゃないか?」
「まあなあ…でも昔は母さんギャルだったけど高校卒業するまで男と付き合った事無かったらしいぞ?」
「へえ!有る意味エルの過去より衝撃事実だなそれ」
「父さんもな、中学で初めて付き合った女の子とヤったらしいんだがな、最初はヤり方よく分からなくて大失敗して振られたってさ」
「へえ…初めてはやっぱり失敗が付き物なのかもな」
それを恐れて照陽は俺と練習してる訳だしな
あながち間違いでは無いのかも知れないな
「だからか特に母さんは俺に同じ失敗させない様にあれこれ干渉と言うか頼んでも無い情報を次々見せられてんだよ…」
「まあ…うちも似たような感じかなあ。ウチの家系は子供の内から代々そう言う勉強をさせるからなあ…」
「成る程なあ。それでか…」
「?」
「いやな、この間な…」
そこで先日照陽がクラスの女子連中に呼び出されてブチかました話を聞かされた
「何やってんだよアイツ…」
俺は思わず頭を抱えた
「まあ…驚いたけど…セイヤの話聞いて納得した…」
「まあ、そう言う事なんで…この事は他の人には…」
「勿論言わないよ」
目撃されたのが大地で不幸中の幸いだったか
大地は物分かりの良い、面白半分にネタで言いふらしたりしない大人な性格で良かった
「でも…なんでそんな場面を目撃したんだ?」
呼び出されたのは体育館裏だったらしいから、そんな場に大地は用事は無いだろうに
「いやな、クラスの女子からテルヒが呼び出されてる所が聞こえて来てな…以前シズカの事もあったから心配でこっそり後をつけたんだ…」
「そうだったんだ…」
「もしテルヒが俺と喋ったりしてるのが理由で虐められたりしたらちゃんと誤解だって説明しようかと思って…」
「うーん、まあ…それはしない方が良いかもだぞ?」
「そうなのか?」
「大概そう言う場面で渦中の男が登場したら話が拗れるのが世の常だな」
「そうなのか…」
「まああのテルヒだしなあ。ほっといても大丈夫じゃないか?自力で何とかするだろ」
「成る程なあ…セイヤはテルヒの事よく分かってるんだなあ…」
「物心ついた頃から知ってる長い付き合いだからなあ…お前とシズカもそうだろ?」
「そっか…そうだな…」
「シズカの事好きなんだろ?」
ここは流れに沿って核心に触れてみる事にした
「まあ…好きだよ。前にも言ったけど…」
「それはキスしたいとかそう言う好き?」
「セイヤはテルヒの事はどう言う存在?」
質問を質問で返して来やがった
「まあテルヒはズリネ…」
気を抜いてズリネタ…と言いそうになって慌ててストップした
「ずりね?」
「ずりーよね!って感じ?ははは…」
「ずりー?」
「そうそう!親ガチャSSRだしな!本当はトンチンカンなのに学校じゃネコ被って優等生だしな!お年玉もたんまり貰ってるしな!昔から俺の真似ばっかりしてるのに俺は可愛げが無いって言われてアイツは可愛い可愛いって言われてるしな!」
「お前の親も医者とピアニストって立派だろ…むしろお前の方がネコ被って陰キャ装ってるし…それにお前もテルヒも物欲皆無で金が有っても欲しい物とか無いだろ…第一お前可愛いとか言われたい様には見えないぞ」
「中々鋭い奴だなお前…」
「まあ去年から一緒に居たからな。大体見てればわかるぞ」
「成る程…」
「あのな…セイヤ…」
「何だ?」
「俺…変なのかも知れない…」
「何が?」
「そのな…シズカと…キスしたり想像すると…アレが…勃って…」
「あー…成る程な…」
去年の大地出歯亀疑惑はそう言う事か…
覗き見された訳じゃ無かったらしい
「まあ何だ。それは普通だ」
「そうなのか?」
「そうそう。エロい事を想像すると勃起する。健康な若い男子の正常な現象だ」
「そうか…」
まあ俺も照陽のエロい姿に興奮してるからやはり大地と俺は昔からよく知る幼馴染の痴態に欲情する似た者同士なんだろう
「だから何の心配も無いぞ?」
「そっか、良かった。流石医者の息子だな!説得力が半端ない」
「まあインは患者相手じゃなくて死体を掻っ捌いてる監察医だがな」
「だから…テルヒがキスしてる場面見て…何かリアルに想像しちゃって…」
「そうかそうか」
何だ可愛やつだな大地よ
「練習って言ってたけど…アレかなり練習してるよな…」
「まあ…そうだろうな…」
思い返せば既に半年以上か…
お互いそれなりに数はこなした…かな?
「練習相手って…お前か?」
「えっ…」
何かバレてる?
「やっぱりそうか…」
「何も答えてないけど…」
「顔にハイそうですって書いてある」
「えっ!?」
思わず顔を撫でてしまった
「ははは、やっぱりそうか」
「騙したな…」
「騙した訳じゃないが…案外セイヤは分かりやすいな」
「ちっ…上手いこと口車に乗せられたか…」
「それで…お前はテルヒの事どう思ってるの?」
「まあ…特にこれと言って。この事も練習だって付き合わされてるだけだし」
「そうなんだ…」
「まあアイツも俺の事その程度に思ってるんじゃ無い?ファーストキスがどうのこうの騒いでたし」
「あー、ミオ達にも言ってたなあ…」
「何かシズカの受け売りみたいよ?シズカはファーストキスが大切なんだとよ」
「そっか…」
「話によると?なんでも告白して?お互い思いが通じ合って?ハグされて?頭撫で撫でされて?キスするのが夢らしいよ?」
聞いた時は心の底からアホくさって思って呆れたが…
「そっか…そうなんだ…」
「まあそう言うのがお好きみたいだから、お前がその夢叶えてやれよ」
「それは…お互い好きって確認出来たらだろ?…」
何を今更ウジウジと…
大地も大概だなあと呆れていた
「シズカの気持ちなんて俺には分からんが。テルヒとの事はくれぐれも…」
「分かってるよ。誰にも言わないから」
「まあ俺は所詮陰キャだし最悪皆にバレても構わんがテルヒはお前の次は俺かって噂になったら大変だろ。この先まだ長い学校生活があるからな」
「あはは、それはお前も同じだろ。まあやっぱりお前はテルヒの事気遣って優しい奴だな。素直じゃ無いけど」
「素直だろ。別に気遣っても無いし結局この事で騒がれたら俺の平穏人生を送る目標が壊されるからな」
「はいはい、そう言う事にしといてやるよ」
「人の心配してる余裕が有ったら自分の心配しとけよ…」
「あはは、そうだな」
俺はまるで自分に言い聞かせる様に大地にそう言い放った
星夜のメガネの真相が明らかに?
まあ目が急に悪くなった訳でも大した理由でも無かった様です
例の事件は早速大地に報告されてましたね




