表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明宵  作者: 水嶋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/27

先輩のアドバイス

星夜の冬休みはいよいよ…

「セイヤくん5年生なんだってね!」


「はい、誕生日は3月なんでまだ10歳ですが」


「へえ、そうなんだ!随分落ち着いてるね!私がその歳の頃は初めてドラマの撮影現場に行った時なんて緊張しちゃって隅っこで縮こまっちゃってたけどなあ…」


冬休みになり、出演する羽目になった映画のリハーサルでスタジオに来ていた


俺は用意してくれた椅子に座りコーヒーを飲んでいた


「なんか…既に大物感有るよね…」


「そうですか?一応これでも多少は緊張してますよ?」


ふんぞり帰って足を組む…

なんて事はせず、一応偉そうに深く腰掛けたりだらしなく身体を崩して座らないように気をつけて普通に座ってるだけのつもりなんだが…


まあ緊張と言うより早くちゃっちゃと終わらせて帰りたかったので失敗しない様に気を張っていた…が正しいのだが


「あはは、多少ね。やっぱり大物だ」


「石田さんは子役からで芸歴も長いでしょうからもう緊張とかはされないんでしょうね」


リハーサルでもど素人の俺に嫌な顔もせず色々気遣って、この場面ではこうした方が良い等アドバイスしてくれていた


「あはは、キララって呼んでよ。何か大人と喋ってるみたいで堅苦しい」


「そうですか…じゃあキララさん、色々ご迷惑をおかけしてますが…流石の器の大きさですよね」


「まあセイヤくん位の年には子役やモデルやってたしなあ…赤ちゃんの時にオムツのパッケージモデルもやってたから…そうなると今35だから…芸歴33〜4年位?」


「じゃあもう大ベテランですね」


「まあ途中休業したり色々あったから純粋にこの年数じゃないんだけどね」


「そうですか…」


一応出演が決まって主演の石田綺羅々の事も調べていた

韻や麻由の1つ下の歳だが随分大人で落ち着いて見えた

これが世間一般のこの年頃のあるべき姿なんだろうか?


まあ芸能界でやってきているので一般人に比べて大人になるのも早かったのかも知れない

無理矢理大人にされてしまったのだろう

心も身体も…


石田綺羅々の映画監督による強姦事件は過去にセンセーショナルに報道された様だ


休業は恐らくこの事が原因だろう

しかしその後劇団員となって下積みから再スタートして見事に復帰した


そんな経験もしているのでやはり色々達観しているのだろう


「セイヤくんは今回初めてお芝居するんだよね?どう?この先も続けるの?」


「はあ…まあ多分次は無いかと…」


「そうなの?」


「今回は周りに流されてと言うかあれよあれよと言う間にこんな状態で…」


「お芝居するの楽しくなかった?」


「楽しいどうこうと言うより…自発的にやろうとしてた訳じゃないし、頑張ってその道を目指してる人達に対して申し訳ない気持ちですね」


「成る程ねえ…やっぱりセイヤくんって大人びてるなあ」


「まあ子供らしい無邪気さや可愛げのない奴だって自覚はしてますよ」


「まあ私も偉そうな事言える立場でも無いんだけどね?」


「いやいや、アカデミー賞女優さんが何を仰いますか」


「あはは、ノミネートだから。大賞は取ってないからね」


「でもノミネートされるだけでも凄いと思いますよ?やはり子役の時から演技への思いも強かったんでしょうね」


「うーん…実を言うとね、私もセイヤくんと一緒かな?」


「どういう事ですか?」


「私の母が有名な女優でね、自分の意思ってより周りに流されて…母に期待されて気が付いたらこの世界に入ってたって感じかな」


「そうなんですね…」


キララの親の事も粗方調べて知ってはいたが黙っていた

因みに母親は芸名を使っていたので苗字は異なっていた

キララも大地と同じ2世なんだな…と思っていた

ただ大地はキララみたいに強要や過度な期待は背負わされて無く幸せなんだろうな


「でね、長い間休業してた時にある人に…大切な友達に出会って…その人の期待に答えたい、また演技がしたい、勉強したいって今度は自分の意思で劇団に入ったんだ」


「そうなんですね…」


流石にその内容はWikipediaには載って居なかったから知らなかった


「門を叩いた劇団は有名な所では有ったんだけど…公演してる内容は大衆向けじゃなくて…少しアングラ寄りな演目が多くてね。お客さんも目が肥えてるからかなり厳しくしごかれたなあ…あはは」


「アングラ寄り…?」


「寺川修司作品とか…まあ知らないか。その辺りのリメイク作品とかで」


「あー、『書を拾え町へ入ろう』とか『身毒角』とかですかね?」


「よく知ってるね!?」


「まあ寺川作品は多少読んだ事がありますから…電子書籍ですが」


「へえ…やっぱり凄い子だなあ…何かこのままやめちゃうの勿体無い気もするけど…ピアノも凄く上手いし」


「いえいえ、まあ所詮は全て素人の手慰みですよ」


「やっぱりセイヤくんに子供らしさが見当たらないなあ…まあ子役も大人びた子は多いけどね…」


「そうですか、何かこんなですみません」


「でもね、子供だからとか大人だからとか関係無くね」


「?」


「時には馬鹿になるって必要かも知れないよ?色々考えずにね」


「馬鹿になる?」


「そう、演技する時も特に思うんだけどね。人物像や背景や監督の求める物や…色々考え過ぎると結局上手く行かないの」


「へえ…」


「結果も何も後先考えずに…ただ身を任せてね」


「そうなんですか?」


「昔から言うじゃ無い?踊る阿呆に見る阿呆」


「どうせ阿呆なら…?」


「踊らにゃ損損ってね」


「踊る阿呆…ですか」


「そうだよ。時には羽目を外して結果も周りの目も忘れてその時を踊って楽しむ…ね」


「ふむ…」


「まあ…とりあえずは年明けの撮影がんばりましょ!」


「はい…そうですね」






キララから何だか演技論なんだか人生論なんだか分からない不思議なアドバイスを貰った


キララの事件については「タブレット・ジュン」を参照下さい


頭デッカチな星夜にこのアドバイスはどう影響するのでしょうか?


何も刺さって無い説も捨てきれませんが…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ