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どうやら私は破滅の悪女らしい  作者: りらこ


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79/97

79話

 出口の扉を抜けると、細い通路になっている。先には明るい光が見える。通路を暫く歩き、光の射すほうへ出ると、地下だというのに、太陽があるかのような、明るい空間だった。地面には草が生え、所々、ヤシに似たような木も生えている。


「何が来てもあんま驚かなくなってきたな」

「確かにね」

「わ、鳥までいる」


 鳴き声がして、見れば木の上に大きな鳥がいた。猛禽類のようだ。かみなりは鳥に向かってシャーッ! と威嚇した。あっちの方が大きいのに勇ましいことだ。鳥はバサッと翼を広げて飛び立っていった。


「とりあえず、進むしかないか」

「そうね」


 今のところ危険は近くには見えない。しかし先程、いきなり火が上がったように、油断はできない。鳥が鳴くのを横目に、道を進む。


「トンネルだ」

「何があるか分からない。気を付けて」

「うん」


 トンネルに入った途端、ひんやりとした冷気が体を覆った。寒さに肌を擦りながら、変わらずナシュカが先頭になって、その後ろを玲奈が歩いた。一時暗くなる視界。十分程歩くと、出口が見えてきた。


 出口を潜った瞬間、玲奈の体は、ビビっと弱い電流が走った感覚に襲われた。


「わっ、なに」


 皆も同じだったろうかと、前のナシュカに話しかけようとした。しかし、そこにいたのはナシュカではなかった。


「っ!? 誰!? ナシュカは!?」

「縺ゅ>縺�」

「なんて!?」 


 ナシュカの代わりに現れたそれは、人の形をしていた。しかし、のっぺらぼうで、顔にあるものがない。金属の鎧に槍を持っていて、玲奈に向けている。敵意があるとしか思えない。


 二人に助けをと振り返ると、そこにもトキとリュウの姿はなく、代わりに全く同じ、のっぺらぼうの鎧が二体、玲奈を取り囲んでいた。


「ヒッ……!」


 慌てて逃げ腰になり、距離を取る。三体の鎧は槍を玲奈に向け、ジリジリと距離を詰めてくる。


(皆いないんだ、一人で乗り切るしか無い!)


 玲奈は魔石を砕いた。向こうは三人。ひとまず逃げの一手だ。前方へ駆け出す。後ろを向くと、彼らは玲奈を追ってきた。


「ぎゃー! 来ないでよ!」

「∴縺翫°縺ソ縺ェ繧!」

「分かるように喋ってよもう!」

「翫↓蝠上>縺九¢縺!!」


 距離は開かない。鎧たちは槍を振り上げて走り迫ってくる。再び前を向いた瞬間、足元スレスレに、ズサッと槍が刺さった。


「ひぃっ!」 


(次は背中に刺さるかも……もう後ろを見せられない)


 ごくりと息をのむが、玲奈にこの鎧たちを倒す実力はない。


(怪我してからじゃ遅い……もう巻き戻した方がいいの)


 顔面蒼白のまま引け腰で、鎧たちと対峙すると、一体が両手を高く上げた。


「え……」


 残り二体も続く。ただし、槍は手に持ったままだ。


(敵意がないって言いたいの? ならさっきの槍は何)


「溘◆縺輔〓繧€縺ェ」

「縺ゅ°繧�◆縺ゅ�」

「繧�i縺ェ縺溘∪繧」


 どうやら、彼らは玲奈と話をしようとしているように見える。


「私に何か伝えたいの? あなたたちの言葉が分からない」

「∪縺溘≠縺九レナ」

「え? 今、私の名前……」

「レナ」


 聞き返すと、はっきりと名前を繰り返した。


「……何で知ってるの?」

「レナi縺ェ縺溘」

「かみなりゅ↑縺九≠繧」

「え! かみなりって言った?」

「繧弱€√↓縺溘o」

「……ジェスチャーはできないの? 頷くとか、首を振るとか」

「医∩縺医f縺」

「さっき両手を上げてたじゃん」

「d縺ャ縺代⊇繧翫」

「……言葉が伝わってないのかな」


 それならと、玲奈からジェスチャーを示すことにする。自分を指差し、次に鎧。そして、自分の両手を繋ぎ、友好を示す。


「私たち、味方、オッケー?」


 鎧の一体が、手で大きく丸印を作った。


「ああ、ほんと……良かった」


 どうやら、敵ではないらしい。言語が通じないが、ジェスチャーは通じた。


「あー……私、仲間、三人いるけど、(はぐ)れて」

「ュ�医〓縺ョ縺」


 上手く伝わらなかったらしい。一度目は首を傾けられた。もう一度チャレンジすると、伝わったらしい。鎧たちは、自身を指差した。


「……ん?」

「昴f縺ュ縺!」

「溘≠縺輔i縲」

「ん?」


 三体の鎧は、理解の悪い玲奈に向かい、何度も自分を指差している。


「≠縲√fトキ」

「≠縲√fリュウ」

「代√fナシュカ」

「……もしかして、あなたたち自身が、トキとリュウとナシュカだって言いたい?」

「繧翫�縺ュ�医」

「ええ!?」


(そんな)


 信じるべきか、否か。玲奈はごくりと息を呑んだ。 

 

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