表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうやら私は破滅の悪女らしい  作者: りらこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/82

65話

 水壁の試練を越えると、木は殆どなくなり、四人は草原の中を進んでいた。迷宮に入ってから十日以上経った。いよいよ疲れが溜まってきて、ひたすら無言で歩く。


 その中、ナシュカは、三人を横目で観察する。


 まずは、玲奈。いかにも頼りなく甘ったれの女子、という感のあった彼女だが、段々と戦力になりつつあった。


(少し変わった気がする。結構苦手なタイプだったけど)


 実をいうと、ナシュカは玲奈に苦手意識があった。経験則として、こういう子ほど、ナシュカに嫉妬意識を持って攻撃的になる。


 ナシュカは昔から、同性の妬みを書いやすかった。顔と体が男好みするのは自覚している。男の視線の先を探った女子から、媚を売ってるとか、色んな男と関係があるとか、あることないこと言われてきた。ナシュカもナシュカで気が強いので、陰口を叩かれると、わざわざ近づいて、喧嘩を買いに行って、総スカンを喰らうことしばしば。


 ここの所、トキが、自分に興味有りげな視線を度々向けてくるのは感じていた。ナシュカとしても、トキはいい男だと思ったし、命を賭した迷宮の挑戦に体が煽られたのか、関係を持ちたいという欲は日に日に募っていった。


 玲奈がトキをどう思ってるかは微妙な所だったので、少し前、玲奈に色恋の話を持ちかけて牽制したのだ。トキと逢瀬していたところを玲奈に見られたのは気づいていた。わざと見せた訳ではないが、別に隠す気はなかった。


 その後、玲奈から負の感情をぶつけられることはなかった。ナシュカは玲奈のことを見くびっていた。


(よく頑張ってる、だけじゃない。レナが一級魔石を持ってるのは大きい。パーティーにとってアドバンテージ)


 そして、玲奈を認めるのと同時、友愛の情も、確かに生まれつつあった。今までろくに同性の友人がいなかったナシュカには、玲奈のように接してくれる相手は、貴重な存在だった。


 実のところ、迷宮に入って、最初の試練。星路塔に閉じ込められたとき、ナシュカは信頼できる人間がいないことを、自分の分身に責められた。別に問題ない、と思っていたのだが、実際はあの試練で、結構精神的に食らってしまい、出てくるのが遅くなった。


(レナなら、信頼できるかもしれない……) 


 次にトキを見た。彼は優秀な人物で、性格も基本的には理性的で頼りになる。


(リュウには感情的になりすぎだけど)


 体を重ねたのはそれなりには好意があるからだが、恋してるのかと問われたら、そうではない。別にリュウでも良かったが、そっちはナシュカに興味なさそうだったので、トキにした、くらいの感覚だ。


 そう、一番掴めないのがリュウだ。低級魔石しか持ってない割には、出来すぎる。玲奈とは真逆。何なら、トキやナシュカよりも能力があるのではないかと感じる瞬間があった。トキが勘繰るのも、分かる。リュウからは、信頼関係を築こうという意思がまるで感じられないのだ。


(でも、玲奈と話してる時は、少し砕けてるんだよね)


 最初は玲奈なら実力的に気後れしないからかと思っていたが、どうやらそういう事情ではないらしい。 


 こっそり盗み見ていたら、リュウが後ろを振り返った。気づかれていたようで、「見るな」と言わんばかりの視線がナシュカに飛ばされた。


 手を振って誤魔化すも、リュウは感情が読み取れない目のまま、前を向いた。


(何考えてるかはイマイチ分かんないけど……、低級持ちが使える奴だったのは良いことだし。うん、いい人選だったのかも)


 迷宮は、折り返しを過ぎた頃。必ず達成すると決心し、ナシュカは三人に続いた。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ