8【安価】さらに知識を蓄えろ【絶対】
「さて……ダンジョンもだいぶ形になってきたし、そろそろ拡張を考えよう」
白い空間に漂う俺と、掃除執事モードになったスライムのエリ、
そして静かにローブを揺らす思念が集まった。
「主よ、まずは何を求めるかお聞かせください」
「うーん、やっぱ防衛力か?それとも快適さ?それとも実験室みたいな研究施設?」
「ここはやはり……多様な役割の部屋を用意したほうが長期的には有効でしょうな」
画面に浮かぶタブレットに、次の選択肢が映し出される。
【ダンジョン拡張候補】
▶ 研究室(新魔法やモンスター育成に関わる部屋)
▶ 訓練場(モンスターの戦闘力強化に最適)
▶ 図書室(知識の蓄積と魔法習得用)
▶ 休憩室(モンスターの回復と士気向上)
▶ トラップ設置室(防衛強化のための罠を設置)
「……全部欲しいけど、そうはいかないからな」
『安価スレ』を起動します
「ここも勝手に始まるのね」
156 名前:名無しのダンジョンマスター
図書室!知識特化でいこうぜ!
157 名前:名無しのダンジョンマスター
訓練場かな。戦闘力上げるのが先だろ!
158 名前:名無しのダンジョンマスター
トラップ設置室で敵の侵入を防ごうぜ
159 名前:名無しのダンジョンマスター
研究室で新魔法作るの楽しそう
160 名前:名無しのダンジョンマスター
休憩室も大事。疲労回復は基本だろ!
\ピロン!/
【決定】ダンジョン拡張部屋 → 図書室
「なるほど……やっぱり知識重視か」
「この部屋ができれば、エリのセージ進化も近づくでしょうな」
「よし!じゃあ図書室建設開始だ!安価ありがとう!」
「これでモンスターの育成も魔法の研究も進むってわけか」
「うむ。未来は明るいぞ、主」
ふたりの声に背中を押され、俺は新たな決意を固める。
図書室――と呼ぶには、あまりにも未来的な空間だった。
本棚という概念がまずない。
宙に浮いた魔導書たちが、まるで意志を持って漂っている。
重力を拒否したページが、時折勝手にめくれる音だけが響く静謐な部屋。
そしてその中心には、**俺**と、エリ(執事スライム)、**思念(ふよふよ霊体)**の三人がいた。
「……あの、なんで俺だけジャージなんです?」
「学びの姿勢としては最適です。動きやすく、心地よく、何より“初心に戻れる”のです」
「でもこれ体育のときのやつだよ!?なんか悔しい!」
「主、着慣れてきているように見受けられますが……?」
「う、うるさい……」
講義テーマ【初級魔法の理論と発動練習】
指導担当:スライム先生
資料提供・魔力測定:思念
「では主、本日は“魔力循環の基礎”から参りましょう」
ぴょん、と跳ねながら、エリが空中に魔法陣を展開する。
「魔力とは、意識を通して流れるもの。筋力のように扱うには“方向性”と“意図”が重要なのです」
「つまり、“こうしたい”って意思が魔法の原動力になるってこと?」
「まさにその通りです、主。ご立派な理解」
「よっしゃ……!俺、けっこう素質あるんじゃないか?」
「では、試してみましょう。初級魔法――《ルミナ》を」
エリがふわりと触手(?)で合図を送ると、空中に表示された魔法文字がすうっと俺の目に吸い込まれてくる。
自然と手のひらに力が集まり――
「《ルミナ》!」
\パァッ/
指先に、小さな光の球が灯る。
「……できた?」
『……やりましたね、マスター』
思念の声が、すこしだけ嬉しそうに震えた。
「すご……!ほんとに魔法、使えた……!」
「お見事です、主。これで“魔力感覚”は芽生えました。次は――持続と制御、そして応用です」
「え、もう次いくの? ちょっと感動に浸らせてくれても……」
「魔法は流れるもの。感動は後ほど記録動画で見直しましょう」
「えっ記録してたの!?」
【実績解放】
初級魔法習得「ルミナ」
魔法講義第1回 修了
次回講義:『魔力による対象干渉――風系魔法入門』解禁!
170 名前:名無しのダンジョンマスター
ジャージで魔法覚えるの草
171 名前:名無しのダンジョンマスター
エリ先生めっちゃ厳しそうで可愛い
172 名前:名無しのダンジョンマスター
思念が地味にテンション高くて癒されるのなんでだろw
「よし……!次は風だな、風魔法!」
「では主、本日の課題を――これです」
エリが差し出したのは、謎の紙飛行機50機だった。
「……なんか嫌な予感するんだけど」
「ひとつ残らず、風魔法で撃ち落としてください」
「ほらあああああ!!!」




