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捨てた命と第二の人生①

 ひもじいは辛い。

 お腹が空くと眠れないし、力が出ないし、心も体もどんどんボロボロになっていく。死ぬほどの空腹に喘いでも、道端の石ころみたいに扱われて、誰も見向きもしないのだ。

 八歳にしてアイラには親がいなかった。住んでいた村が魔物に襲われ滅んでしまったので、アイラたち親子は食べ物と仕事と住み家を探して国中を移動していた。

 父は旅の途中で魔物に襲われて死に、母は病気で亡くなった。涙を流す水分すら体内にはなく、埋葬する元気もないままアイラは次の街に向かったのだが、もはや気力も体力も限界だった。

 足がもつれて平野で倒れる。

 街の外は魔物でいっぱいだ。世界の中心たる世界樹の恩恵から外れた土地では、人よりも魔物の方が多く存在している。だからこんな平野で倒れてしまっては、たちまち魔物の餌になってしまうだろうーー父のように。

 それでももうアイラには体を動かす力など欠片も残っていなかった。

 どうせ生き延びたっていいことなんてない。

 次の街でも、きっとよそ者のアイラを受け入れてくれなどしない。ならばここで死んじゃってもいいかな。うん、きっと、それがいい。死んだら魂は世界樹に還り、女神ユグドラシル様の下で永遠に幸せに過ごせるのだという。

 ならそのほうがいいんじゃないかな。

 きっとお父さんとお母さんもいるだろうし。

 死を覚悟した八歳のアイラは、目を閉じる直前、霞む視界の中で踏み締める靴音を確かに聞き取った。


新連載スタートです

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もふもふと行く、腹ペコ料理人の絶品グルメライフ 



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