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海遊館

 海遊館についた。横の駐車場に車を止めた。窓を開けると潮風の匂いがしてワクワクしていた。だから潮風の匂いを限ると今でも不意に彼女との記憶が蘇る。何だかんだ、海とは縁があった恋だった。そんなに海の中で泳いだわけじゃなかったけど。海の近くいる恋だった。


 

 「ついたーーー♪」

 「もうすでに楽しい♪」


 「そっか。よかったね。」


 「だからもうちょっと感情だしなさいよ。」


 「出してるよ。これでも。」


 「笑っている方が幸せになれるよ。」


 「幸せになれる~。」


 

 息子君も彼女のマネをして笑いながら言った。確かに他人が笑顔、特に近しい人が笑顔だと自分も笑顔になる。笑顔は伝染する。それも教えてくれたのが彼女だった。自分の殻に閉じこもりだった私を解放してくれた。今でも感謝している。


 海遊館につくとまずは水族館を回った。建物に入ると薄暗い通路が続く。3人で手を繋いだ。手を繋ぐという行為が私たちを表現する一つだった。手を繋ぐのが大好きになっていた。


 薄暗い通路を進むと深海の生き物のコーナーがあった。そして色鮮やかな発色をするクラゲを見ることができた。さまざまな光を発するクラゲはとても幻想的だったしデート気分を味わえた。息子君も興味深々で眺めていた。私の手をぎゅっと握りながら。


 

 「お魚もっと見たい!」


 

 息子君がそう言った。喜んでくれていたからとても連れてきた甲斐があったし嬉しかった。そのまま通路を進み色んな魚を見た。生き物を見た。楽しい時間を過ごした。そして外にでるとイルカショーがあることを知った。どうせならイルカショーを見たい。時間を調べてイルカショーを見ることにした。


 イルカショーが始まるまで少し時間があったので昼食を取った。外で食べる食事は格別だった。潮風の匂いを全身に感じながらだったから。こういう休日も悪くないな、そう思った。もう少しだけ時間があったのでお土産屋で適当に時間を潰した。息子君が欲しがったイルカの人形を買ってあげた。


 彼女も楽しんでいるようでお土産を選び始めた。友達にもお土産をあげたいらしい。3人でショッピングをのんびり楽しんだ。もうすぐイルカショーの時間が迫ってきていた。買い物を手早く済まして会場に向かう。息子君はイルカを見るのが初めてらしかったので再度連れてきてよかったと思った。3人の海の思い出がここにはあった。





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