繋がり
リアルを忠実に再現しています。
回想シーンと現実が入り乱れます。
一部フィクションがあります。
大切だった彼女の記憶。
彼女の車が去っていく。三ノ宮の高級住宅街の近くだったから坂道が多い。ちょうど下り坂だったから思いっきり走った。元々中学生の時に陸上部だったので他の人よりも走れた。急いで下っていく。神戸の道路は信号が多いので信号で止まっていた。たぶん500メートル以上走ったと思う。
信号待ちの彼女の車に追いついてしまった。ドアをノックする。彼女は泣いていた。こちらを見て更に泣いた。ドアを開けて乗り込む。私も泣きながら息を切らしていた。彼女もただ泣いている。信号が青に変わる。とりあず近くのところに車を止めてくれた。そのまま2人でしばらく泣いていた。
彼女も私もまさか追いつくなんて思ってなかった。信号待ちと渋滞でたまたま追いついたままだ。それでもちょっとした奇跡にただ2人で泣いていた。ちょっとしたタイミングのズレでもう2人の関係は終わっていたからだ。まだ泣き止む気配はなかった。
2人して泣いていてようやく落ち着いた。とりあえずそのまま車を走らせて大きな公園まできた。彼女に気持ちを伝えた。彼女はやはり泣きながら聞いていた。離れたくないと話した。そして抱き寄せた。
彼女の方は震えていて沈黙が流れていた。しばらくこうしていた。彼女はやっとこちらを見てくれた。そしてニコリと笑ってくれた。それだけで十分だった。2人の気持ちを確かめることができた。
公園のベンチに座りまた2人でいろいろ話した。笑顔も戻ってきた。この時ほど陸上をやってたことに感謝したことはない。追いつくなんて誰も思わなかった。偶然と偶然が重なったのだ。
人と人が出会うのは奇跡だ。まして恋に落ちるなんてどれだけの確率だろう。彼女と私が同じ時代に出会ったことも奇跡だった。一歩間違えたら出会っていない。距離も年齢も。それだけ離れていたからだ。そんな2人を繋いだものがネットだった。私も神戸に来ていなければこうなっていなかった。
一つの決断が次の決断を生む。全てが繋がっている。一つ一つの決断が正解なのかはその時はわからない。だけど後からその決断をした理由がわかる。なぜその決断を選んでしまったのか。全てがハッピーエンドになるわけではない。それでも全てが繋がっている。
この時に繋がりが途切れなかったのは運命だったのかもしれない。この繋がりを途切れないようにするべきだった。それがこの時は理解できていなかった。
初投稿になります。
何分小説の書き方から何もかも熟知しておりません。
思ったままに書いています。
高評価や感想を頂けると今後のモチベに繋がります。
ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました。




